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貴族学園
138 最後の一戦
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「んで、結局何をしに来たんだ?」
主人公一行には第三王女がいるから本来はもっとかしこまって話さなければならないのだが、学園卒業時に男爵となっているのでこんな風に話しても問題ないってわけだ。
というか、そもそも許可なしで他領に突っ込んできている時点で敬意のかけらもなくなるし、第三王女としての身分が残っていてもこんな反応になっただろうけどな。
「は? 決まってるでしょ!? 悪役からこの国を救うのよ!」
「貴方たちが瘴気をばらまき辺境から国を切り崩そうとしているのはわかっています」
「守るべき民を巻き込むなど許されざることです」
「領民に申し訳ないと思わないのですか?」
順にミネッティ伯爵令嬢、第三王女、マテス侯爵令嬢、ニューエン子爵令嬢が発言しているが、あまりにも的外れな発言に頭が痛くなってきた。
ああ、そういえば全員勘当されているから元がつくのだが、正直面倒だからこのままの呼び名でいいか。
「どんな人間からどんな情報を聞かされてそう思ったのかはわからんが、だとしたらどうするってんだ?」
「なっ!? 認めるのですか!?」
「認めやしねーよ。だが、捕らえる前に理由くらいは聞いておかないとな」
中央の関所はともかく、辺境に向かう関所を強引に突破した時点で罪は確定している。
だが、関所突破くらいじゃ大した罪にはならないし、ここで言質をとっておきたい。
「悪役を倒して何が悪いってのよ! あんたを殺してココに私たちだけの国を作るんだから!」
はい、言質いただきました。
本当はミネッティ伯爵令嬢じゃなくて第三王女の口からきいたほうがいいんだが、その辺はしょうがないか。
ま、王都でもゲルハルディ領を占領して新たな国を作ると吹聴していたことは、王都にいる知り合いから聞いているし、正当防衛としては十分かな。
「ゲルハルディ領への敵性を確認。排除に移る」
辺境伯として独自裁量をもらっているが、だからといって王国の法を完全に無視するわけにもいかない。
だからこそ敵性の確認は重要ってわけだな。
両者ともに警戒していたので、こうして会話をしていたが両者の間は50mほどは離れている。
主人公一行は武器や盾を構えはじめ、俺は合成魔法の詠唱を開始した。
敵性……内紛を引き起こそうとする集団ではあるが、さすがに元・王族を陛下の許可なく殺害するのはまずいので、殺傷性の高いものではなく制圧用の魔法を選択する。
「合成魔法:泥濘……マッドグラウンド」
使用するのは合成魔法を初めて試したときに使用した、水と土の合成魔法、マッドグラウンドだ。
指定範囲内の地面をぬかるみに変える魔法で、主人公一行は見事に魔法にはまり機動力が大幅に減じる。
「な!? なによこれっ!?」
ミネッティ伯爵令嬢が聞いてくるが、答える義務はない。
俺は続けて合成魔法の詠唱を始める。
「くっ! 動けない」
「ちょっとっ! ニーナ! 土魔法でどうにかしなさいよっ!」
「カタリナさんこそ、水魔法でなんとかしてください!」
主人公、ミネッティ伯爵令嬢、ニューエン子爵令嬢がわめいているが、合成魔法はこの世界で最高峰の魔法……単一属性であろうと通常の魔法で打消しはできない。
そしてゲーム内でも主人公+ヒロインの組み合わせでしか協力攻撃は存在しないので、泥濘魔法の存在は転生者であろうミネッティ伯爵令嬢でも知らないってわけだ。
「合成魔法:氷雪……アイスストーム」
続けて放った水と風の合成魔法、アイスストームで完全に主人公一行の動きを封じる。
泥濘魔法で動きづらくなっていた下半身が凍り付くことによって、主人公一行がギャーギャーとまた騒ぎ始めた。
「ちょっと! アティカ! 早くこの氷を溶かしなさいよ!」
「さ、寒さで集中できませんのよ! カタリナこそ何とかしなさい!」
「待って! 俺が何とかするから!」
ゲーム内ならコマンドを選択すればどんな状況でも魔法を発動することができたが、現実では集中と詠唱が必要になるから下半身が氷漬けになった状態で魔法を発動するのは困難だ。
ただ主人公だけはこの魔法を力づくで突破する可能性があった。
「てめえの相手は俺だよ!」
ま、もちろんそんなことをさせる意味もないので、唯一フィジカルで合成魔法を突破できそうな主人公には俺が直接相対する。
ヒロイン一行を拘束できたからこそ、できる戦法だな。
「くっ! 今はあなたの相手をしている暇は……!」
「うるせえよ! どうせ全員牢獄行きなんだ! おとなしくやられてろ!」
以前に行った模擬戦とは違い、俺も主人公も真剣を用いているが、だからこそ両者の実力の違いが明白になっている。
もちろん主人公がマッドグラウンドとアイスストームの影響でステータスダウンしていることもあるが、俺の剣は主人公をどんどん痛めつけ、主人公の剣は俺にかすりもしない。
剣筋自体は以前通り天賦の才を見せつけるものだが、それだけに剣術をだれにも習わなかったのが惜しまれるレベルだ。
「俺が! みんなを助けるんだっ!」
「はっ! 他人の領を攻め込んできて助けるもなにもねえだろうが!」
「なっ!?」
「俺の家族や騎士団、巻き込まれる領民のことは何も考えなかったってのかっ!?」
「そ……それは」
ゲームのシナリオでは省かれたところではあるが、シナリオライターの設定ではゲルハルディ家は主人公たちにより全滅。
騎士団も遠征に出ていた隊以外は壊滅で、領民にも多大な被害が出ている。
当然だがシナリオには出てこないところでも人は生きているし、死んでいる。
「俺はゲルハルディ領の領主だ! この領を不幸にしようとするやつは全員敵だっ!」
主人公一行には第三王女がいるから本来はもっとかしこまって話さなければならないのだが、学園卒業時に男爵となっているのでこんな風に話しても問題ないってわけだ。
というか、そもそも許可なしで他領に突っ込んできている時点で敬意のかけらもなくなるし、第三王女としての身分が残っていてもこんな反応になっただろうけどな。
「は? 決まってるでしょ!? 悪役からこの国を救うのよ!」
「貴方たちが瘴気をばらまき辺境から国を切り崩そうとしているのはわかっています」
「守るべき民を巻き込むなど許されざることです」
「領民に申し訳ないと思わないのですか?」
順にミネッティ伯爵令嬢、第三王女、マテス侯爵令嬢、ニューエン子爵令嬢が発言しているが、あまりにも的外れな発言に頭が痛くなってきた。
ああ、そういえば全員勘当されているから元がつくのだが、正直面倒だからこのままの呼び名でいいか。
「どんな人間からどんな情報を聞かされてそう思ったのかはわからんが、だとしたらどうするってんだ?」
「なっ!? 認めるのですか!?」
「認めやしねーよ。だが、捕らえる前に理由くらいは聞いておかないとな」
中央の関所はともかく、辺境に向かう関所を強引に突破した時点で罪は確定している。
だが、関所突破くらいじゃ大した罪にはならないし、ここで言質をとっておきたい。
「悪役を倒して何が悪いってのよ! あんたを殺してココに私たちだけの国を作るんだから!」
はい、言質いただきました。
本当はミネッティ伯爵令嬢じゃなくて第三王女の口からきいたほうがいいんだが、その辺はしょうがないか。
ま、王都でもゲルハルディ領を占領して新たな国を作ると吹聴していたことは、王都にいる知り合いから聞いているし、正当防衛としては十分かな。
「ゲルハルディ領への敵性を確認。排除に移る」
辺境伯として独自裁量をもらっているが、だからといって王国の法を完全に無視するわけにもいかない。
だからこそ敵性の確認は重要ってわけだな。
両者ともに警戒していたので、こうして会話をしていたが両者の間は50mほどは離れている。
主人公一行は武器や盾を構えはじめ、俺は合成魔法の詠唱を開始した。
敵性……内紛を引き起こそうとする集団ではあるが、さすがに元・王族を陛下の許可なく殺害するのはまずいので、殺傷性の高いものではなく制圧用の魔法を選択する。
「合成魔法:泥濘……マッドグラウンド」
使用するのは合成魔法を初めて試したときに使用した、水と土の合成魔法、マッドグラウンドだ。
指定範囲内の地面をぬかるみに変える魔法で、主人公一行は見事に魔法にはまり機動力が大幅に減じる。
「な!? なによこれっ!?」
ミネッティ伯爵令嬢が聞いてくるが、答える義務はない。
俺は続けて合成魔法の詠唱を始める。
「くっ! 動けない」
「ちょっとっ! ニーナ! 土魔法でどうにかしなさいよっ!」
「カタリナさんこそ、水魔法でなんとかしてください!」
主人公、ミネッティ伯爵令嬢、ニューエン子爵令嬢がわめいているが、合成魔法はこの世界で最高峰の魔法……単一属性であろうと通常の魔法で打消しはできない。
そしてゲーム内でも主人公+ヒロインの組み合わせでしか協力攻撃は存在しないので、泥濘魔法の存在は転生者であろうミネッティ伯爵令嬢でも知らないってわけだ。
「合成魔法:氷雪……アイスストーム」
続けて放った水と風の合成魔法、アイスストームで完全に主人公一行の動きを封じる。
泥濘魔法で動きづらくなっていた下半身が凍り付くことによって、主人公一行がギャーギャーとまた騒ぎ始めた。
「ちょっと! アティカ! 早くこの氷を溶かしなさいよ!」
「さ、寒さで集中できませんのよ! カタリナこそ何とかしなさい!」
「待って! 俺が何とかするから!」
ゲーム内ならコマンドを選択すればどんな状況でも魔法を発動することができたが、現実では集中と詠唱が必要になるから下半身が氷漬けになった状態で魔法を発動するのは困難だ。
ただ主人公だけはこの魔法を力づくで突破する可能性があった。
「てめえの相手は俺だよ!」
ま、もちろんそんなことをさせる意味もないので、唯一フィジカルで合成魔法を突破できそうな主人公には俺が直接相対する。
ヒロイン一行を拘束できたからこそ、できる戦法だな。
「くっ! 今はあなたの相手をしている暇は……!」
「うるせえよ! どうせ全員牢獄行きなんだ! おとなしくやられてろ!」
以前に行った模擬戦とは違い、俺も主人公も真剣を用いているが、だからこそ両者の実力の違いが明白になっている。
もちろん主人公がマッドグラウンドとアイスストームの影響でステータスダウンしていることもあるが、俺の剣は主人公をどんどん痛めつけ、主人公の剣は俺にかすりもしない。
剣筋自体は以前通り天賦の才を見せつけるものだが、それだけに剣術をだれにも習わなかったのが惜しまれるレベルだ。
「俺が! みんなを助けるんだっ!」
「はっ! 他人の領を攻め込んできて助けるもなにもねえだろうが!」
「なっ!?」
「俺の家族や騎士団、巻き込まれる領民のことは何も考えなかったってのかっ!?」
「そ……それは」
ゲームのシナリオでは省かれたところではあるが、シナリオライターの設定ではゲルハルディ家は主人公たちにより全滅。
騎士団も遠征に出ていた隊以外は壊滅で、領民にも多大な被害が出ている。
当然だがシナリオには出てこないところでも人は生きているし、死んでいる。
「俺はゲルハルディ領の領主だ! この領を不幸にしようとするやつは全員敵だっ!」
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