気づいたら美少女ゲーの悪役令息に転生していたのでサブヒロインを救うのに人生を賭けることにした

高坂ナツキ

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貴族学園

140 ハッピーエンド

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 処刑はつつがなく……いや、つつがなくってのも変だが、特段の問題もなく終わった。
 主人公やヒロインたちは最後まで命乞いをしていたが、今回の処刑は秘密裏に行われたため関係者以外の人間もおらず、助命をする者もいなかった。

「マックス様、これで懸念は晴れましたか?」

「レナ……そうだな、俺の考えていた最悪からは逃れられたかな」

 ゲームのシナリオなら主人公一行がゲルハルディ領を占領して、新国家を樹立したところで終わり。
 その主人公一行が全員処刑された以上は、ゲルハルディ領……ひいては俺やレナたちに対する脅威はなくなったはずだ。

「やったら、今度はこっちのことも考えてもらわんとな。なんか新商品のアイディアないん?」

「アイリーン……そんな簡単に新商品なんて思いつくわけないだろ」

「せやけど、ゲルハルディ領を盛り上げるのも領主としての大事な勤めやろ?」

「まあ、ゴールディ国からの輸入品が安定して作れるようになったから、いくつかあるけどな」

 実際に日本酒……というか、米で作られる酒や餅なんかの製作は始まっていて、即位した第一王子殿下……国王陛下からも贈答用にほしいとせっつかれているくらいだ。
 まあ後はダンジョンの攻略が進んだことでモンスターも減ってきているから、バルディ領産の魚介が中央にも卸せるようにもなってきてるんだよな。

「それよりもマックス様、メーリング領の新人を研修してほしいのですけど」

「別にそれはいいが、メーリング領でも新人を育成するノウハウを固めないといけないんじゃないか?」

 クリスタもアイリーンに便乗して要求をしてくる。
 結局クリスタの父、ライナーはいまだに領主の座にいて、日々苦悩しながら経営に励んでいるようだ。

「マックス様、新商品や他領のこともいいですが、ゲルハルディ領のことも忘れてはいけませんよ」

「わかってるよレナ。爺様も隠居してしまったから、騎士団も定期的に見に行かないと父上の好き勝手にされてしまうからな」

「そうではありません。次代のことです」

「……次代って」

「子づくりですよ! ゲルハルディ家には少なくとも男子1人は欲しいですし、できれば3人くらいは作りたいです!」

「あ、ウチもフィッシャー商会を継ぐ必要があるから、性別はともかく2人くらいは欲しいな」

「ええと、メーリング領も後継ぎが欲しいので男の子が……」

 レナに続いて、アイリーン、クリスタも子づくりの要求をしてくる。
 まあ、時代や立場を考えれば仕方がないことだとは思うが、こんなにガツガツこられると引いてしまうな。

「わかったわかった。貴族学園も卒業したし、改めて3人とそれぞれ結婚式を挙げて、その後にな」

 国王交代だったり、爺様の隠居だったりで延ばし延ばしになっていたが、レナとも仮婚姻式だけで正式な結婚式はまだだ。
 もちろん、アイリーンとクリスタとも結婚式は挙げていないし、懸念事項も解消した今、式を挙げても問題はないだろう。

「マックス様、3人とも幸せにしてくださいね?」

「わかってる。成り行きも多分にあったが、俺が自分で選択した結果だからな。」

「もちろん、マックスも幸せにならなあかんよ?」

「それもわかってる」

「末永くよろしくお願いしますね?」

「領主だからな。いつ命を懸けることになるかもわからんが、できるだけ長く一緒にいるさ」

 ゲームのシナリオだったら、サブヒロインである3人を救うことはできた。
 だけど、人生はまだまだ続く。
 最後の最後まで3人を幸せにできてこそ、初めて心から救うことができたといえるだろう。
 だから俺は3人と長く一緒にいるために、まだまだこの世界で生き続けていかなければならないんだよな。
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