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私が第一王子の名前を呼べなかったことは有耶無耶になり、今は王城の別室に来ています。そこには、すでにクリス様もいらっしゃいました。
「クリス!貴様!」
「何を慌てているんですか?兄上」
「なっ…」
「僕がここにいるのが不思議ですか?そんなことはないですよね。だって、あなたは僕の婚約者に手を出そうとしているのですから」
クリス様から聞いたことのないとても低い声が発せられます。その声に、第一王子もさっきまでの威勢がなくなってしまいました。
「そ、それは……」
「フィ、ソフィアにどのような罪があるとお思いになっているのかは知りませんが、もうあなたには退場してもらおうと思いまして…」
「退場だと!」
「はい。王族でなくなるあなたには、この国で大人しく平民になるか、国外に出るか、選んでいただきます」
「俺が王族でなくなるだと!どういうことだ!俺は長男だぞ!」
たとえ、無能だったとしても、王族を放置するわけにはいきません。それだけで他の国につけ込まれる隙が生まれます。ですので、よくて国内で飼い殺しにする方が利己的ではないのでしょうか…
「心配ありません、ソフィア様」
「ニア…」
「第一王子は陛下とルルア様の子供ではありません。陛下の浮気相手との子です」
「そうだったのですか!?」
「はい。そして陛下は学園を卒業するまではルルア様に手を出すなとご命令を出していましたが、それも今日までです。なので、何も問題はありません。後継者はクリス様ただ一人ですから」
そう…だったのですね。だから、ルルア様は二人のことを私に話してくれなかったのですね。
「俺が母上の子供じゃない…けれど、父上は父上なのですよね!それなら、俺にも王族の血が流れているということです!そんな俺をどうにかする権限はあなたにはないはずです!」
「ええ、そうね。あなたがソフィアちゃんと婚約者のままでいれば…ね」
「どうしてそこにソフィアが関係あるのですか!」
「この国には彼女以外に王妃に相応しい人物は残念ながらいないわ。だからこそ、彼女が選んだ人が王になることが決まっていた。陛下は愚かですが、馬鹿ではありませんでした。だから、無理やりあなたをソフィアちゃんの婚約者にしたんですもの」
知りませんでした。私の意思はないと思っていたのですが、そんなやりとりがあったのですね。私が選んだのはクリス様です。断じて第一王子なんかではありません。
ふとクリス様を見ると、目が合い、笑顔を向けられます。恥ずかしくなって目を背けると、ニアが微笑ましくこちらを見ており、アメリアはクリス様を睨んでいました。恥ずかしい……
「ここで何をしておる!」
「クリス!貴様!」
「何を慌てているんですか?兄上」
「なっ…」
「僕がここにいるのが不思議ですか?そんなことはないですよね。だって、あなたは僕の婚約者に手を出そうとしているのですから」
クリス様から聞いたことのないとても低い声が発せられます。その声に、第一王子もさっきまでの威勢がなくなってしまいました。
「そ、それは……」
「フィ、ソフィアにどのような罪があるとお思いになっているのかは知りませんが、もうあなたには退場してもらおうと思いまして…」
「退場だと!」
「はい。王族でなくなるあなたには、この国で大人しく平民になるか、国外に出るか、選んでいただきます」
「俺が王族でなくなるだと!どういうことだ!俺は長男だぞ!」
たとえ、無能だったとしても、王族を放置するわけにはいきません。それだけで他の国につけ込まれる隙が生まれます。ですので、よくて国内で飼い殺しにする方が利己的ではないのでしょうか…
「心配ありません、ソフィア様」
「ニア…」
「第一王子は陛下とルルア様の子供ではありません。陛下の浮気相手との子です」
「そうだったのですか!?」
「はい。そして陛下は学園を卒業するまではルルア様に手を出すなとご命令を出していましたが、それも今日までです。なので、何も問題はありません。後継者はクリス様ただ一人ですから」
そう…だったのですね。だから、ルルア様は二人のことを私に話してくれなかったのですね。
「俺が母上の子供じゃない…けれど、父上は父上なのですよね!それなら、俺にも王族の血が流れているということです!そんな俺をどうにかする権限はあなたにはないはずです!」
「ええ、そうね。あなたがソフィアちゃんと婚約者のままでいれば…ね」
「どうしてそこにソフィアが関係あるのですか!」
「この国には彼女以外に王妃に相応しい人物は残念ながらいないわ。だからこそ、彼女が選んだ人が王になることが決まっていた。陛下は愚かですが、馬鹿ではありませんでした。だから、無理やりあなたをソフィアちゃんの婚約者にしたんですもの」
知りませんでした。私の意思はないと思っていたのですが、そんなやりとりがあったのですね。私が選んだのはクリス様です。断じて第一王子なんかではありません。
ふとクリス様を見ると、目が合い、笑顔を向けられます。恥ずかしくなって目を背けると、ニアが微笑ましくこちらを見ており、アメリアはクリス様を睨んでいました。恥ずかしい……
「ここで何をしておる!」
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