59 / 63
最終章 ずっと変わらない気持ち
1:後悔先に立たず
しおりを挟む
「お姉様、男が見つかってお金が半分戻ったおかげで、思っていたよりも早くかたがついたわね……」
「……ええ、本当ね。もっと時間がかかると思っていたわ。本当にスターリン様のおかげね」
リリカはキャサリンの部屋でお茶をしながら、キャサリンを見つめて穏やかに言う。
「そうね……」
キャサリンは、ティーカップに手をかけたり離したりして、落ち着かない様子だ。
リリカは何か言いたそうなキャサリンを、優しく見守る。
キャサリンはティーカップを手に取ったが、口には運ばずに膝の上に置いた。
「……落ち着いた時にスターリン様がまだ独身なら、当たって砕けようと思っていたけれど……。あれから3ヶ月程しか経っていないわね……」
キャサリンはチラッとリリカを見る。
リリカが何も言わないので、キャサリンは少しだけ言い難そうに、続きを口にした。
「……さすがに都合が良過ぎるわよね」
キャサリンはティーカップを両手で握り締めながら、不安そうな顔をしている。
「確かにそうかもしれないわね……」
他人事ではないリリカは、神妙な面持ちで続ける。
「……けれど、見栄を張ってあとで後悔したくはないわ……」
キャサリンは、そっと顔を上げてリリカを見た。
「想いは伝えないと伝わらない。タイミングもとても大事……。相手がどう思うかはわからない。我が儘かどうかを判断するのは、私たちではないわ」
真顔でそう言ったリリカは、とても凛々しい顔をしている。
「お姉様が、そのようなことを言うようになるなんて……!」
キャサリンは笑顔だ。
「今が早すぎると言うのなら、一体いつになったら良いの? その間に、ウィリアム様とスターリン様に大切な人が出来たらどうするの? ……一生後悔するわ」
リリカはキャサリンに言っているようで、実は自分に言い聞かせていた……
キャサリンは微笑ましそうに、そんなリリカを見守っている。
「……そうね。そうよね! ……ということは、お姉様も当然そのつもりなのでしょう?」
リリカがキャサリンを見ると、綺麗な顔からとても強いエネルギーが漲っている。
それは、普段の愛くるしいキャサリンからは想像もつかない、とてもかっこいい顔だった。
「そうね。……お互い、当たって砕けに行きましょう!!!」
リリカもキッと顔を引き締める。
(どのような結果も受け止めるわ。後悔だけはしたくない……!)
二人はお互いの健闘を祈って、力強い握手をした。
「「頑張りましょう!!!」」
リリカは善は急げと、馬車でブルーム伯爵邸へ向かった。
いつも一足遅いため、『今回こそはっ』と、気持ちは急ぐばかりだ……
「……ええ、本当ね。もっと時間がかかると思っていたわ。本当にスターリン様のおかげね」
リリカはキャサリンの部屋でお茶をしながら、キャサリンを見つめて穏やかに言う。
「そうね……」
キャサリンは、ティーカップに手をかけたり離したりして、落ち着かない様子だ。
リリカは何か言いたそうなキャサリンを、優しく見守る。
キャサリンはティーカップを手に取ったが、口には運ばずに膝の上に置いた。
「……落ち着いた時にスターリン様がまだ独身なら、当たって砕けようと思っていたけれど……。あれから3ヶ月程しか経っていないわね……」
キャサリンはチラッとリリカを見る。
リリカが何も言わないので、キャサリンは少しだけ言い難そうに、続きを口にした。
「……さすがに都合が良過ぎるわよね」
キャサリンはティーカップを両手で握り締めながら、不安そうな顔をしている。
「確かにそうかもしれないわね……」
他人事ではないリリカは、神妙な面持ちで続ける。
「……けれど、見栄を張ってあとで後悔したくはないわ……」
キャサリンは、そっと顔を上げてリリカを見た。
「想いは伝えないと伝わらない。タイミングもとても大事……。相手がどう思うかはわからない。我が儘かどうかを判断するのは、私たちではないわ」
真顔でそう言ったリリカは、とても凛々しい顔をしている。
「お姉様が、そのようなことを言うようになるなんて……!」
キャサリンは笑顔だ。
「今が早すぎると言うのなら、一体いつになったら良いの? その間に、ウィリアム様とスターリン様に大切な人が出来たらどうするの? ……一生後悔するわ」
リリカはキャサリンに言っているようで、実は自分に言い聞かせていた……
キャサリンは微笑ましそうに、そんなリリカを見守っている。
「……そうね。そうよね! ……ということは、お姉様も当然そのつもりなのでしょう?」
リリカがキャサリンを見ると、綺麗な顔からとても強いエネルギーが漲っている。
それは、普段の愛くるしいキャサリンからは想像もつかない、とてもかっこいい顔だった。
「そうね。……お互い、当たって砕けに行きましょう!!!」
リリカもキッと顔を引き締める。
(どのような結果も受け止めるわ。後悔だけはしたくない……!)
二人はお互いの健闘を祈って、力強い握手をした。
「「頑張りましょう!!!」」
リリカは善は急げと、馬車でブルーム伯爵邸へ向かった。
いつも一足遅いため、『今回こそはっ』と、気持ちは急ぐばかりだ……
107
あなたにおすすめの小説
これって政略結婚じゃないんですか? ー彼が指輪をしている理由ー
小田恒子
恋愛
この度、幼馴染とお見合いを経て政略結婚する事になりました。
でも、その彼の左手薬指には、指輪が輝いてます。
もしかして、これは本当に形だけの結婚でしょうか……?
表紙はぱくたそ様のフリー素材、フォントは簡単表紙メーカー様のものを使用しております。
全年齢作品です。
ベリーズカフェ公開日 2022/09/21
アルファポリス公開日 2025/06/19
作品の無断転載はご遠慮ください。
片想い婚〜今日、姉の婚約者と結婚します〜
橘しづき
恋愛
姉には幼い頃から婚約者がいた。両家が決めた相手だった。お互いの家の繁栄のための結婚だという。
私はその彼に、幼い頃からずっと恋心を抱いていた。叶わぬ恋に辟易し、秘めた想いは誰に言わず、二人の結婚式にのぞんだ。
だが当日、姉は結婚式に来なかった。 パニックに陥る両親たち、悲しげな愛しい人。そこで自分の口から声が出た。
「私が……蒼一さんと結婚します」
姉の身代わりに結婚した咲良。好きな人と夫婦になれるも、心も体も通じ合えない片想い。
お姉様のお下がりはもう結構です。
ぽんぽこ@3/28新作発売!!
恋愛
侯爵令嬢であるシャーロットには、双子の姉がいた。
慎ましやかなシャーロットとは違い、姉のアンジェリカは気に入ったモノは手に入れないと気が済まない強欲な性格の持ち主。気に入った男は家に囲い込み、毎日のように遊び呆けていた。
「王子と婚約したし、飼っていた男たちはもう要らないわ。だからシャーロットに譲ってあげる」
ある日シャーロットは、姉が屋敷で囲っていた四人の男たちを預かることになってしまう。
幼い頃から姉のお下がりをばかり受け取っていたシャーロットも、今回ばかりは怒りをあらわにする。
「お姉様、これはあんまりです!」
「これからわたくしは殿下の妻になるのよ? お古相手に構ってなんかいられないわよ」
ただでさえ今の侯爵家は経営難で家計は火の車。当主である父は姉を溺愛していて話を聞かず、シャーロットの味方になってくれる人間はいない。
しかも譲られた男たちの中にはシャーロットが一目惚れした人物もいて……。
「お前には従うが、心まで許すつもりはない」
しかしその人物であるリオンは家族を人質に取られ、侯爵家の一員であるシャーロットに激しい嫌悪感を示す。
だが姉とは正反対に真面目な彼女の生き方を見て、リオンの態度は次第に軟化していき……?
表紙:ノーコピーライトガール様より
好きな男子と付き合えるなら罰ゲームの嘘告白だって嬉しいです。なのにネタばらしどころか、遠恋なんて嫌だ、結婚してくれと泣かれて困惑しています。
石河 翠
恋愛
ずっと好きだったクラスメイトに告白された、高校2年生の山本めぐみ。罰ゲームによる嘘告白だったが、それを承知の上で、彼女は告白にOKを出した。好きなひとと付き合えるなら、嘘告白でも幸せだと考えたからだ。
すぐにフラれて笑いものにされると思っていたが、失恋するどころか大切にされる毎日。ところがある日、めぐみが海外に引っ越すと勘違いした相手が、別れたくない、どうか結婚してくれと突然泣きついてきて……。
なんだかんだ今の関係を最大限楽しんでいる、意外と図太いヒロインと、くそ真面目なせいで盛大に空振りしてしまっている残念イケメンなヒーローの恋物語。ハッピーエンドです。
この作品は、他サイトにも投稿しております。
扉絵は、写真ACよりhimawariinさまの作品をお借りしております。
私が、良いと言ってくれるので結婚します
あべ鈴峰
恋愛
幼馴染のクリスと比較されて悲しい思いをしていたロアンヌだったが、突然現れたレグール様のプロポーズに 初対面なのに結婚を決意する。
しかし、その事を良く思わないクリスが・・。
【完結】あなたの瞳に映るのは
今川みらい
恋愛
命を救える筈の友を、俺は無慈悲に見捨てた。
全てはあなたを手に入れるために。
長年の片想いが、ティアラの婚約破棄をきっかけに動き出す。
★完結保証★
全19話執筆済み。4万字程度です。
前半がティアラside、後半がアイラスsideになります。
表紙画像は作中で登場するサンブリテニアです。
思い出さなければ良かったのに
田沢みん
恋愛
「お前の29歳の誕生日には絶対に帰って来るから」そう言い残して3年後、彼は私の誕生日に帰って来た。
大事なことを忘れたまま。
*本編完結済。不定期で番外編を更新中です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる