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第六章 レッドフィールド伯爵家の嵐
6:似た者同士の頑固な双子
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3日後、リリカはキャサリンの部屋を訪れている。
キャサリンの部屋で、ゆっくり2人でお茶をするのは初めてのことだった。
(姉妹であり、新しい友人ができたようでもあるわね……)
少しリリカはむず痒さを覚えるが、キャサリンとの新しい関係を素直に嬉しく思っている。
「私は取り敢えず、ウィリアム様のことは諦めることにするわ」
リリカは何でもない風に言うと、お茶を一口啜る。
「えっ?」
キャサリンは眉を顰め、持っていたティーカップをソーサーに置いた。
「キャサリンは、スターリン様との婚姻を進めると良いわ。嫁入り準備にお金のかかることは何も出来ないけれど、スターリン様ならきっと身一つで良いと言って下さるわ。事情を知れば、公爵様もきっと許して下さるはずよ。お父様のご友人ですし」
「……自分は犠牲になると言うの?」
「犠牲だなんて! そもそも私は、もうウィリアム様に捨てられているのだし!」
「……でも!」
「現在の我が家の状況では、婚姻なんて現実的ではないわ。でも、お父様をこれ以上悲しませないためにも、喜ばせるためにも、これからの活力を産み出すためにも、キャサリンとスターリン様に婚姻を結んで欲しいの」
「……」
「お父様は、あなたが堂々と嫁ぐことが出来るように、オーグナー公爵には今回のことを相談していないわ。公爵様は余裕もあるでしょうから、知ればきっと少しは助けてくれるでしょうけど……」
「それを言うなら、ブルーム伯爵にも相談してしていないわ。ブルーム領は資源豊かで流行病による損害は少なかったと聞いているから、知ればきっと助けてくれるでしょうね」
「「……」」
一歩もひかない二人は、”じっ”とお互いを見つめる。
キャサリンは”はあっ”とため息をついて、口を開いた。
「私だけこの現状から抜け出すなんて、そのようなことが出来る訳ないでしょう? お母様を追い詰めた原因は私でもあるのに……」
「そんな! キャサリンが責任を感じる必要はないわ!」
必死に否定するリリカを見て、キャサリンは苦笑いを浮かべる。
「責任あるわよ。……どのような母親でも、私たちを産んで下さったことに変わりはないのに、あのような冷たい態度を取ってしまって……」
「それを言うなら私もよ。今まで愛情を貰って来てはいないけれど、衣食住には困らなかったわ。それに、産んでもらっただけで感謝すべきなのに、お母様に親孝行をしたことは一度もないわ……」
二人共”ふうっ”と息を吐き、椅子の背もたれに寄り掛かった。
少し考える顔をしてから、二人は再び顔を見合わせる。
キャサリンの真剣で迷いのない瞳を見ながら、リリカはポツリと言う。
「……私たちにも、出来ることがあるかしら?」
「きっとあるわ! 考えましょう」
キャサリンの即答に、リリカは大きく頷いた。
こうしてリリカとキャサリンは、ウィリアムとスターリンのことを一旦諦めることにしたのである。
二人に迷惑をかけないためにも……
(もしこの問題が片付いた時に、ウィリアム様がまだお一人だったなら……その時は当たって砕けに行こう)
(この問題が片付いた時に、スターリン様がまだお一人だったなら……その時は気持ちを伝えに行こう)
二人はそれぞれ心の中でそう誓う。
そしてその日を目指して、リリカとキャサリンは、二人で力を合わせて頑張ることとしたのだった……
キャサリンの部屋で、ゆっくり2人でお茶をするのは初めてのことだった。
(姉妹であり、新しい友人ができたようでもあるわね……)
少しリリカはむず痒さを覚えるが、キャサリンとの新しい関係を素直に嬉しく思っている。
「私は取り敢えず、ウィリアム様のことは諦めることにするわ」
リリカは何でもない風に言うと、お茶を一口啜る。
「えっ?」
キャサリンは眉を顰め、持っていたティーカップをソーサーに置いた。
「キャサリンは、スターリン様との婚姻を進めると良いわ。嫁入り準備にお金のかかることは何も出来ないけれど、スターリン様ならきっと身一つで良いと言って下さるわ。事情を知れば、公爵様もきっと許して下さるはずよ。お父様のご友人ですし」
「……自分は犠牲になると言うの?」
「犠牲だなんて! そもそも私は、もうウィリアム様に捨てられているのだし!」
「……でも!」
「現在の我が家の状況では、婚姻なんて現実的ではないわ。でも、お父様をこれ以上悲しませないためにも、喜ばせるためにも、これからの活力を産み出すためにも、キャサリンとスターリン様に婚姻を結んで欲しいの」
「……」
「お父様は、あなたが堂々と嫁ぐことが出来るように、オーグナー公爵には今回のことを相談していないわ。公爵様は余裕もあるでしょうから、知ればきっと少しは助けてくれるでしょうけど……」
「それを言うなら、ブルーム伯爵にも相談してしていないわ。ブルーム領は資源豊かで流行病による損害は少なかったと聞いているから、知ればきっと助けてくれるでしょうね」
「「……」」
一歩もひかない二人は、”じっ”とお互いを見つめる。
キャサリンは”はあっ”とため息をついて、口を開いた。
「私だけこの現状から抜け出すなんて、そのようなことが出来る訳ないでしょう? お母様を追い詰めた原因は私でもあるのに……」
「そんな! キャサリンが責任を感じる必要はないわ!」
必死に否定するリリカを見て、キャサリンは苦笑いを浮かべる。
「責任あるわよ。……どのような母親でも、私たちを産んで下さったことに変わりはないのに、あのような冷たい態度を取ってしまって……」
「それを言うなら私もよ。今まで愛情を貰って来てはいないけれど、衣食住には困らなかったわ。それに、産んでもらっただけで感謝すべきなのに、お母様に親孝行をしたことは一度もないわ……」
二人共”ふうっ”と息を吐き、椅子の背もたれに寄り掛かった。
少し考える顔をしてから、二人は再び顔を見合わせる。
キャサリンの真剣で迷いのない瞳を見ながら、リリカはポツリと言う。
「……私たちにも、出来ることがあるかしら?」
「きっとあるわ! 考えましょう」
キャサリンの即答に、リリカは大きく頷いた。
こうしてリリカとキャサリンは、ウィリアムとスターリンのことを一旦諦めることにしたのである。
二人に迷惑をかけないためにも……
(もしこの問題が片付いた時に、ウィリアム様がまだお一人だったなら……その時は当たって砕けに行こう)
(この問題が片付いた時に、スターリン様がまだお一人だったなら……その時は気持ちを伝えに行こう)
二人はそれぞれ心の中でそう誓う。
そしてその日を目指して、リリカとキャサリンは、二人で力を合わせて頑張ることとしたのだった……
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