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第44話 誕生日の悲劇 前編
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➖ハズキサイド➖
「いいか?ハズキ、お前は今日からギンガの『義理の姉』だからな。これはお前とギンガの為でもあるからな。決して今は、母親と名乗るんじゃないぞ!せめて20年・・・15年の辛抱だ」
「わかってるよ、シュリ姉」
「そうか・・・なら、行くか・・」
あれから2日が過ぎハズキは、その日の夜、久しぶりに夢を見ていた・・・それは、ギンガを産んでから3年後の出来事である。ハズキはギンガを産んだ後、身を隠す為にシュリの故郷である『エルフの里』に3年間暮らしていた。エルフの里は、基本的に人間が入るのを禁止にしていた。しかし、シュリが村長に事情を説明したことで、特別にハズキを里に入ることを許された。当初は、人間であるハズキを毛嫌いするエルフ族であったが、次第にお互い打ち解けて良好な関係となるのであった
それから、3年の月日が流れてハズキは、エルフの里を出てレガイアの母ドリスの待つ自宅へと帰り、そこには、3歳になるギンガも居た
(・・・・夢・・・だったか・・・最近は依頼のストレスで眠れない日が続いていた中で、やっと眠れたと思ったら、あの時の夢か・・・・全く、最近は嫌なことばかりだな)
ベッドから起き上がって着替えを済ませると顔洗いに洗面台に行き顔を洗って鏡を見るとハズキは、自分の顔を見て苦笑いする
(あははは、睡眠不足なのか酷い顔してるな・・・しかも、疲労も随分と溜まってる・・・このままじゃ、いけない!何か手を打たないと)
洗面台を後にしてから、台所に行くとギンガが朝食の用意をしていた
「おっ!おはようさん姉貴。朝飯できてるぜ」
「ありがとうギンガ。いつも悪いね」
「別に構わねえよ。ってか俺が食事を作らないとこの家の台所事情が大変なことになる。姉貴は、料理が壊滅的だからな」
「うっ!痛いところを・・・」
「たははは!それよりも、今日は姉貴の誕生日だぞ。ビリー達とご馳走を作って盛大に祝ってやるからな」
ハズキがカレンダーを見てみると今日は自分の誕生日だと気づき、申し訳なさそうな顔でギンガを見ながら両手を合わせて謝罪する
「あっ!そういえば、そうだった。ギンガ、ごめん!すっかり忘れてたよ!今日も依頼を入れていて、この後すぐに行かなくちゃいけないんだよ」
「はぁ~、何やってんだよ。まったくしょうがねぇなぁ」
ギンガは、ため息をつきながらハズキに呆れていた
「本当にごめん!ちゃっちゃと終わらせてくるから!」
そう言うとハズキは、朝食を済ませて駆け足で家を出ようとした時、ガクンと体制を崩して倒れそうになる
「姉貴大丈夫か!」
「あはは・・大丈夫大丈夫。ちょっとつまずいただけだから」
するとハズキは、何事もなかったように家を出て行った
「やれやれ、世話しない姉貴だな」
ガチャ(ドアの開閉音)
「おーい。兄貴来たよー♪」
ハズキとほぼ入れ替わりにビリー兄弟とガスパ、ブーバに加えてハズキの冒険者仲間が誕生日の準備の手伝いにやってきた
「わざわざすまねぇな。今日は姉貴の誕生日だから準備手伝いよろしく頼むよ」
「良いって事よ。オレ達もハズキ姉ちゃんには、世話になってるんだからさ」
「そーゆーこと♪あたしらもハズキさんには、討伐依頼で、何度も助けてもらったからね」
「そんなわけだから、今日のハズキ姉ちゃんの誕生日は、盛大に祝おうよ!ねっ!兄貴!」
「おうよ!たりめーよ!」
それから、誕生日の準備をみんなでやっているとギンガは、ケーキに使ういちごを買い忘れたことに気づいた
「悪りぃみんな、いちご買うのを忘れたから、今から買いに行ってくるぜ」
慌てていちごを買いに行ったギンガを見て、冒険者仲間の『ジェシカ』がクスっと笑いながらビリー達に話しかける
「ねえ、ギンガくんっていつもあんな感じなの?随分と張り切ってるようだけど」
「うーん。普段の兄貴は、ハズキ姉ちゃんとしょうもない喧嘩ばかりして、憎まれ口を叩いているやつだよ。毎年の誕生日だって「祝ってやんねー!」って言うわりには、兄貴が1番気合を入れて準備してるんだよ。兄貴ってシスコンだしね」
「あははは♪ハズキさんから聞いてたけど、実際に見てみるとなんだかあの2人って兄弟に見えないよね?本当は親子だったりして(笑)」
「!!!!!」
ジェシカの言葉にビリー達の顔が、一瞬で曇り沈黙してしまった
「・・・・・あっれぇ・・・何かあたし地雷踏んじゃった?」
スパーン!
凍りついた雰囲気の中でジェシカの冒険者仲間『ファミル』が軽く頭を叩いた
「全くアンタは!聞いたことだけを鵜呑みにして言うんじゃないよ!」
「いったいなぁ。だって酒場『エンジェル』でみんな話してたじゃない・・・大体、ハズキさんとギンガくんって顔そっくりじゃん。目元とか鼻とか・・・髪の毛は、もがが」
ジェシカが最後まで生きる前に冒険者仲間『ハンナ』が口を塞でいる
「ごめんね。この子って噂に流されやすい性格だから、その上思ったことをすぐに口に出しちゃうし・・・君たちも真に受けちゃだめだよ」
しかし、ビリー達は暗い表情のままだった・・・
「・・・・もしかして、君たちも例の噂を聞いたのかい?だめだよ。あんなの真に受けちゃ」
「そうだ。ジェシカじゃないが噂を鵜呑みにするな」
「・・・・あのさ、もしかしたらその噂は本当かもしれないんだ。実は思い当たる節が・・・」
沈黙を続けていたビリーとバリーが意を決して口を開くと子供の頃の話をファミル達に話した
「・・・それってさ、子供の頃によくある言い間違いでしょ?・・・」
「でも、ビリー達の話だとハズキさんは悲しそうな顔をしてたって言うじゃないか。普通なら笑い話だろ」
「あとさ・・・・兄貴ってドリスおばさんの本当の子供じゃないって言ってた。何でもドリスおばさんの死んだ親友の子供を引き取ったらしいよ」
「それじゃあ、ハズキさんとギンガくんは、義理の姉弟って事?・・・だけど、この2人は目元と鼻がそっくり・・・・ま、まさかね・・・」
再び沈黙状態になるが、ブーバがやや青ざめた表情でハンナに指を指しながら伝える
「あ、あのぉ・・・さっきから気になってたんだけど、ジェシカさんが白目を向いて気を失っているよ・・・」
「あっ・・・・」ファミル&ハンナ
ジェシカが意識を取り戻したのは3分後だった
バリン・・・・・・
食器戸棚に置いてあるハズキのマグカップがひとりでにヒビが入った
➖シュリサイド➖
シュリは、ハズキの動きを追跡する為にギルドに行き受付嬢にハズキが受けた依頼を聞きに来ていた
「こ、これがハズキさんが最近、受けた依頼です」
「!!!何だよ!この依頼の数は!2週間以上の間にSランク依頼がこんなに沢山!ハズキは何を考えているんだ!」
Sランク依頼は、ハードなだけに1日1~2回(特にハードな場合は1回)までと決められている。ハズキは、2週間以上の間に30近くのSランク依頼をやって居た
「いくら今のハズキに実力があるからって、これは受け過ぎだろ!この様子だと、休息も入れてないんじゃないのか?こんなこと続けてると疲労困憊でいつかぶっ倒れるぞ!」
「実は私たちも、その件に関して本人に伝えたんですけど、「大丈夫!アタシは『鬼神のドリス』の娘だよ。生半可な体力じゃないから安心して!」って言って聞こうとしないんです」
「はぁ~あのバカ・・・バレバレな嘘を・・・そうだ、ハズキの事だ今日も依頼を受けに来たんじゃないのか?依頼書の控えを見せてくれ!」
「ひぃ!は。ははいぃ!」
数日前の件があったせいか受付嬢は、少々おびえながらもハズキが受けた依頼書の控えを持ってきてシュリに渡す
「キマイラロード討伐!?ハズキのヤツ正気か?いくらアイツもS級冒険者だからって、連日の依頼で疲労困憊なハズだ!そんな状態でキマイラロード討伐なんて死にに行く様なもんだぞ!こんな無茶振りは、ハズキらしくない!パーティーメンバーのアドン・・・いや、ジョージだ!おい!ジョージに関する事を全部教えろ!」
「む、むむむ無理ですよ!個人情報なのでお教えできません!(って言うかシュリさんっていう怖いってば!」
「話ならオイラが聞くぞ」
2階の階段からギルドマスターのツバサが降りて来た
「お前は、確か最近、ギルマスになった転生者の『ツバサ・キリュウ』・・・何で幼女なんだ?」
「ほっとけ!それよりもジョージの事が知りたいんだろ?とりあえず話は、2階のギルマス室に来い」
シュリはツバサに従い2階のギルマス室に行き、ツバサからジョージの事を聞くのであった
「お前の事は色々と聞いてるぞ、シュリ。エルフなだけに冒険者の中では古参組、そしてハズキ同様S級の実力者、得意魔法は、炎系と雷系で剣術もたけている・・・だろ?」
「私の分析はどうでもいい。早くジョージについて教えろ」
「世話しない奴だな。まあ、待てよ。呼んでいるから、直に来る」
そして、数分後にドアをノックして、1人の受付嬢が入ってきた
「失礼します。お呼びですか?ギルマス」
「待ってたぞ。シュリ、この娘は受付嬢の『ミュゼ』だ。話はミュゼ本人から直接聞いてくれ。ミュゼ頼む」
「はい。あれは、一昨日の事でした。その日の夜、わたしは仕事を終えて大浴場へ行きました。わたしが湯に浸かってゆったりとしていると、そこにアドンさんとジョージさんを見かけました・・・」
「???ちょっと待って。お前、受付嬢だろ?なんで女が大浴場で男湯に入ってるんだ?」
「おっと、言い忘れてた!ミュゼは男なんだ。「男の娘」ってヤツさ。だから、男湯に入っていてもおかしくないぞ」
「・・・そうか・・・それよりも話の続きをしてくれ・・・」
ツバサからミュゼが男の娘だと聞かされたシュリは、思わずミュゼを凝視して少し頬を赤らめていた・・・・
「2人は浴槽に入って来て、湯につかりながら話をしていたので、わたしは気になって2人に気づかれないよう『ステルス』の魔法使い聞き耳を立てていました」
➖アドンとジョージの会話➖
「随分と儲けたよな、おれっち達は適当に援護してるだけで、報酬の7割も貰うんだからよ。楽な仕事だぜ♪」
「おいおい、忘れるなよ。こんなあぶく銭程度の仕事よりも、俺たち本来の仕事はハズキを殺すことだぞ。そのためにハズキにSランクの依頼を発注させて、ひたすらハードな依頼でハズキの体を疲弊させた所を俺たちが始末する段取りだろ?」
「でもよ、わざわざまわりくどいやり方をしないで背後からバッサリとやればいいんじゃねーの?」
「わかってねーな、相手は『鬼神のドリス』の血を引くハズキだぞ。しかも、今のあいつは、ドリスの力を上回る程の実力を得ているんだ。体力のほうもS級冒険者の中でトップクラスらしい。そんな化け物じみたヤツを始末するんだ、まわりくどてくも始末さえできればランディの野郎からたんまりと報酬がもらえるんだぜ。やるしかねーだろ?」
「へーへ、わかったよ。それでハズキ殺害決行の日はいつだ?ラムサスもといジョージさんよ」
「別にラムサスで構わんよ。俺らの話なんて誰も聞いちゃいねーからな。とりあえず決行日は明後日だ。ちょうどこの日にランディと会う約束をしている」
「なあ、ついでだからサロメの豚もまとめて始末しようや」
「そのつもりだよ。あの豚にもう利用価値はないからな。始末のほうはアドン、お前がやれよ」
「豚を相手にするのかぁ、どうせ相手にするなら幼女の方がよかったな。(いやらしい意味で)」
「黙れロリコン♪そんなわけで、明後日バーバリアンに集合だ」
・・・・・・
「これが大浴場での2人の会話の内容です」
ミュゼから聞いた大浴場での2人の会話でジョージの正体がラムサスだとわかった途端にシュリは、険しい表情になっていた
「くそが!ラムサスのヤツ、顔を変えてまでレガイアに潜伏してたのか!」
「作戦決行日が明後日・・・って今日じゃないか!おい!シュリ!」
「ああ!わかってるよ!ハズキ達は、キマイラロード討伐に行ったんだ。場所ならわかってる!」
シュリは依頼書の内容を再度確認して、2階の窓から飛び降りて目的地へとダッシュで走り去っていった
「・・・何か妙な胸騒ぎがするな・・・ミュゼ、今すぐに手の空いているS級とA級の冒険者を呼び出して、ただちに応援要請だ。ハズキ達が向かっているのは『オーニタ神殿』、依頼内容はキマイラロード討伐だが、パーティーメンバーのアドンとジョージ改めラムサスがハズキを殺害を画策してる模様。見つけ次第、拘束してくれ」
➖ギンガサイド➖
「ギンガちゃんじゃないか。今日も仕事もせずに遊び歩いているのかい?」
商店街でイチゴを買いに来たギンガに対して果物屋の店主が呆れ笑いで話しかけてきた
「う、うるせぇよ。それよりもイチゴ買いに来たんだ。だからイチゴを1パックくれ」
「ああ、そうか、今日はハズキちゃんの誕生日だったね。それなら、こっちもサービスするよ♪」
すると、店主はイチゴを2パックをギンガに手渡した
「おっ!ラッキー!ありがとう♪おばちゃん♪」
「今年もハズキちゃんの誕生日パーティへの気合の入れようは相変わらずすごいな。アンタ、どんだけ姉ちゃん好きなんだよ。このシスコン」
シスコンと言われて思わず赤面するギンガは店主に代金を渡すなり、背を向けて捨てゼリフを吐きながら、その場を離れた
「ば、ばか!そんなんじゃねーよ!毎年、誕生日をちゃんと祝ってやらないと姉貴のヤツが不機嫌になるんだよ。だから、仕方なーく祝ってやってるんだよ!んじゃあな!」
走り去って行くギンガの後ろ姿を見つめながら、店主は怪訝な表情でボソりとつぶやく
「・・・ハズキちゃんとギンガちゃんが・・・まさかね・・・何かの間違いだよな・・・」
・・・・・・
「これでイチゴを確保できたぞ。イチゴは姉貴の大好物だからな、ケーキに沢山盛ってやらないとな・・・ん?あれは姉貴?・・・」
商店街から帰宅する道中でギンガは、ハズキの後ろ姿に気がつく。ハズキは、街の出入り口の門に向かっていてハズキの周囲には・・・・・
「えっ!?ジョーさん?レガイアを出たんじゃなかったのか?何で姉貴とジョーさんが?・・・!!!アイツは確かアドン!?どうしてアドンが?それにサロメまで・・・」
予想もつかない組み合わせに困惑し動揺を隠せないギンガは、物陰に隠れてながらハズキ達の跡をつけることにした
・・・・・・
それから、ハズキ達の跡を追っているとハズキ達は『オーニタ神殿』の前に立っていた
「・・・・な、何だ?あの古ぼけた遺跡は?姉貴は、どんな依頼を受けたんだ?」
ギンガは、ハズキ達に気づかれないよう用心しながら遺跡に入ろうとした時・・・・・
ガシッ!
背後から誰かがギンガの肩をつかむ
➖ラムサスサイド➖
時を遡ること数時間前・・・
ラムサスがバーバリアンにやってくると、そこにはハズキとサロメが待っていた
「おっ!お出迎え、ご苦労ご苦労♪」
「けっ!何がご苦労だ!今何時だと思ってる!待ち合わせの時間は等に過ぎているぞ!全く!いつも何もしないでふんぞり帰って居るだけのやつが!」
待ち合わせの時間を過ぎてから、遅れてやってきたラムサスは、へらへらと笑いながら入ってくる姿を見て、サロメは思わず怒鳴り散らしていた
「やめな、サロメ。こんな奴に何を言っても無駄だよ。ところでアドンはどうしたんだい?」
「ああ、アドンねぇ。あいつは昨日もお盛んだったみたいでね。遅れるぞ」
それから、1時間が経過した頃に、服装の乱れたアドンがニヤついた顔でやってきた
「悪りぃ悪りぃ♪昨晩はお楽しみでしたぁ♪ってか♪」
「だははは!どんだけお盛んなんだよ♪この変態が♪」
ガシ
ラムサス同様、ハズキを嘲笑った態度でバーバリアンに入って来アドンを見て我慢の限界だったのかサロメが無言で胸ぐらを掴んで殴ろうとしていた
「やめろ!サロメ!こんな奴らにいちいち腹を立てるだけ、労力の無駄だ!アドンも来たんだ、さっさと討伐依頼に行くよ!」
「先行けよ。俺は少しやることがある」
「あの野郎・・・行く前に用事を済ませとけよ」
「構うなサロメ、どうせロクでもない事だ」
目的地の『オーニタ神殿』へ出発しようとした矢先にラムサスが店の奥に入っていった。しかし、ハズキは君に気にも止めずにサロメの肩を押してバーバリアンから外へ出る
ラムサスは、『ケータイデンワ』で誰かと連絡を取り合っていた
「ああ、今からそっちに向かう。大体、1時間くらいだ。あん?転移魔法を使えだぁ?ふざけるな!あんな高等魔法使えるか!何ぃ!使えないだと!?・・・ちっ!わかったよ!!・・・」
「うるぁ!!」
ドガッ!
デンワを切るなりラムサスは、声を荒らげて近くにあった椅子を思いっきり蹴飛ばす
「あのくそ魔族が!何が無能魔道士だ!俺は無能じゃねぇ!あの野郎、いつか絶対殺してやる!」
すると、ラムサスは手を顔に当ててボソボソと小声で呪文を唱えると、顔が変形して『ジョージ』の顔となり、ニヤリと笑いながらバーバリアンから外へ出た
「まあ、いいか。今はランディよりもハズキの始末だ。予想通りハズキは連日の依頼で、かなり体に疲労が溜まっているみたいだ。その上、ストレスで睡眠不足と見た。始末するなら今だ!」
NEXT 誕生日の悲劇 後編
「いいか?ハズキ、お前は今日からギンガの『義理の姉』だからな。これはお前とギンガの為でもあるからな。決して今は、母親と名乗るんじゃないぞ!せめて20年・・・15年の辛抱だ」
「わかってるよ、シュリ姉」
「そうか・・・なら、行くか・・」
あれから2日が過ぎハズキは、その日の夜、久しぶりに夢を見ていた・・・それは、ギンガを産んでから3年後の出来事である。ハズキはギンガを産んだ後、身を隠す為にシュリの故郷である『エルフの里』に3年間暮らしていた。エルフの里は、基本的に人間が入るのを禁止にしていた。しかし、シュリが村長に事情を説明したことで、特別にハズキを里に入ることを許された。当初は、人間であるハズキを毛嫌いするエルフ族であったが、次第にお互い打ち解けて良好な関係となるのであった
それから、3年の月日が流れてハズキは、エルフの里を出てレガイアの母ドリスの待つ自宅へと帰り、そこには、3歳になるギンガも居た
(・・・・夢・・・だったか・・・最近は依頼のストレスで眠れない日が続いていた中で、やっと眠れたと思ったら、あの時の夢か・・・・全く、最近は嫌なことばかりだな)
ベッドから起き上がって着替えを済ませると顔洗いに洗面台に行き顔を洗って鏡を見るとハズキは、自分の顔を見て苦笑いする
(あははは、睡眠不足なのか酷い顔してるな・・・しかも、疲労も随分と溜まってる・・・このままじゃ、いけない!何か手を打たないと)
洗面台を後にしてから、台所に行くとギンガが朝食の用意をしていた
「おっ!おはようさん姉貴。朝飯できてるぜ」
「ありがとうギンガ。いつも悪いね」
「別に構わねえよ。ってか俺が食事を作らないとこの家の台所事情が大変なことになる。姉貴は、料理が壊滅的だからな」
「うっ!痛いところを・・・」
「たははは!それよりも、今日は姉貴の誕生日だぞ。ビリー達とご馳走を作って盛大に祝ってやるからな」
ハズキがカレンダーを見てみると今日は自分の誕生日だと気づき、申し訳なさそうな顔でギンガを見ながら両手を合わせて謝罪する
「あっ!そういえば、そうだった。ギンガ、ごめん!すっかり忘れてたよ!今日も依頼を入れていて、この後すぐに行かなくちゃいけないんだよ」
「はぁ~、何やってんだよ。まったくしょうがねぇなぁ」
ギンガは、ため息をつきながらハズキに呆れていた
「本当にごめん!ちゃっちゃと終わらせてくるから!」
そう言うとハズキは、朝食を済ませて駆け足で家を出ようとした時、ガクンと体制を崩して倒れそうになる
「姉貴大丈夫か!」
「あはは・・大丈夫大丈夫。ちょっとつまずいただけだから」
するとハズキは、何事もなかったように家を出て行った
「やれやれ、世話しない姉貴だな」
ガチャ(ドアの開閉音)
「おーい。兄貴来たよー♪」
ハズキとほぼ入れ替わりにビリー兄弟とガスパ、ブーバに加えてハズキの冒険者仲間が誕生日の準備の手伝いにやってきた
「わざわざすまねぇな。今日は姉貴の誕生日だから準備手伝いよろしく頼むよ」
「良いって事よ。オレ達もハズキ姉ちゃんには、世話になってるんだからさ」
「そーゆーこと♪あたしらもハズキさんには、討伐依頼で、何度も助けてもらったからね」
「そんなわけだから、今日のハズキ姉ちゃんの誕生日は、盛大に祝おうよ!ねっ!兄貴!」
「おうよ!たりめーよ!」
それから、誕生日の準備をみんなでやっているとギンガは、ケーキに使ういちごを買い忘れたことに気づいた
「悪りぃみんな、いちご買うのを忘れたから、今から買いに行ってくるぜ」
慌てていちごを買いに行ったギンガを見て、冒険者仲間の『ジェシカ』がクスっと笑いながらビリー達に話しかける
「ねえ、ギンガくんっていつもあんな感じなの?随分と張り切ってるようだけど」
「うーん。普段の兄貴は、ハズキ姉ちゃんとしょうもない喧嘩ばかりして、憎まれ口を叩いているやつだよ。毎年の誕生日だって「祝ってやんねー!」って言うわりには、兄貴が1番気合を入れて準備してるんだよ。兄貴ってシスコンだしね」
「あははは♪ハズキさんから聞いてたけど、実際に見てみるとなんだかあの2人って兄弟に見えないよね?本当は親子だったりして(笑)」
「!!!!!」
ジェシカの言葉にビリー達の顔が、一瞬で曇り沈黙してしまった
「・・・・・あっれぇ・・・何かあたし地雷踏んじゃった?」
スパーン!
凍りついた雰囲気の中でジェシカの冒険者仲間『ファミル』が軽く頭を叩いた
「全くアンタは!聞いたことだけを鵜呑みにして言うんじゃないよ!」
「いったいなぁ。だって酒場『エンジェル』でみんな話してたじゃない・・・大体、ハズキさんとギンガくんって顔そっくりじゃん。目元とか鼻とか・・・髪の毛は、もがが」
ジェシカが最後まで生きる前に冒険者仲間『ハンナ』が口を塞でいる
「ごめんね。この子って噂に流されやすい性格だから、その上思ったことをすぐに口に出しちゃうし・・・君たちも真に受けちゃだめだよ」
しかし、ビリー達は暗い表情のままだった・・・
「・・・・もしかして、君たちも例の噂を聞いたのかい?だめだよ。あんなの真に受けちゃ」
「そうだ。ジェシカじゃないが噂を鵜呑みにするな」
「・・・・あのさ、もしかしたらその噂は本当かもしれないんだ。実は思い当たる節が・・・」
沈黙を続けていたビリーとバリーが意を決して口を開くと子供の頃の話をファミル達に話した
「・・・それってさ、子供の頃によくある言い間違いでしょ?・・・」
「でも、ビリー達の話だとハズキさんは悲しそうな顔をしてたって言うじゃないか。普通なら笑い話だろ」
「あとさ・・・・兄貴ってドリスおばさんの本当の子供じゃないって言ってた。何でもドリスおばさんの死んだ親友の子供を引き取ったらしいよ」
「それじゃあ、ハズキさんとギンガくんは、義理の姉弟って事?・・・だけど、この2人は目元と鼻がそっくり・・・・ま、まさかね・・・」
再び沈黙状態になるが、ブーバがやや青ざめた表情でハンナに指を指しながら伝える
「あ、あのぉ・・・さっきから気になってたんだけど、ジェシカさんが白目を向いて気を失っているよ・・・」
「あっ・・・・」ファミル&ハンナ
ジェシカが意識を取り戻したのは3分後だった
バリン・・・・・・
食器戸棚に置いてあるハズキのマグカップがひとりでにヒビが入った
➖シュリサイド➖
シュリは、ハズキの動きを追跡する為にギルドに行き受付嬢にハズキが受けた依頼を聞きに来ていた
「こ、これがハズキさんが最近、受けた依頼です」
「!!!何だよ!この依頼の数は!2週間以上の間にSランク依頼がこんなに沢山!ハズキは何を考えているんだ!」
Sランク依頼は、ハードなだけに1日1~2回(特にハードな場合は1回)までと決められている。ハズキは、2週間以上の間に30近くのSランク依頼をやって居た
「いくら今のハズキに実力があるからって、これは受け過ぎだろ!この様子だと、休息も入れてないんじゃないのか?こんなこと続けてると疲労困憊でいつかぶっ倒れるぞ!」
「実は私たちも、その件に関して本人に伝えたんですけど、「大丈夫!アタシは『鬼神のドリス』の娘だよ。生半可な体力じゃないから安心して!」って言って聞こうとしないんです」
「はぁ~あのバカ・・・バレバレな嘘を・・・そうだ、ハズキの事だ今日も依頼を受けに来たんじゃないのか?依頼書の控えを見せてくれ!」
「ひぃ!は。ははいぃ!」
数日前の件があったせいか受付嬢は、少々おびえながらもハズキが受けた依頼書の控えを持ってきてシュリに渡す
「キマイラロード討伐!?ハズキのヤツ正気か?いくらアイツもS級冒険者だからって、連日の依頼で疲労困憊なハズだ!そんな状態でキマイラロード討伐なんて死にに行く様なもんだぞ!こんな無茶振りは、ハズキらしくない!パーティーメンバーのアドン・・・いや、ジョージだ!おい!ジョージに関する事を全部教えろ!」
「む、むむむ無理ですよ!個人情報なのでお教えできません!(って言うかシュリさんっていう怖いってば!」
「話ならオイラが聞くぞ」
2階の階段からギルドマスターのツバサが降りて来た
「お前は、確か最近、ギルマスになった転生者の『ツバサ・キリュウ』・・・何で幼女なんだ?」
「ほっとけ!それよりもジョージの事が知りたいんだろ?とりあえず話は、2階のギルマス室に来い」
シュリはツバサに従い2階のギルマス室に行き、ツバサからジョージの事を聞くのであった
「お前の事は色々と聞いてるぞ、シュリ。エルフなだけに冒険者の中では古参組、そしてハズキ同様S級の実力者、得意魔法は、炎系と雷系で剣術もたけている・・・だろ?」
「私の分析はどうでもいい。早くジョージについて教えろ」
「世話しない奴だな。まあ、待てよ。呼んでいるから、直に来る」
そして、数分後にドアをノックして、1人の受付嬢が入ってきた
「失礼します。お呼びですか?ギルマス」
「待ってたぞ。シュリ、この娘は受付嬢の『ミュゼ』だ。話はミュゼ本人から直接聞いてくれ。ミュゼ頼む」
「はい。あれは、一昨日の事でした。その日の夜、わたしは仕事を終えて大浴場へ行きました。わたしが湯に浸かってゆったりとしていると、そこにアドンさんとジョージさんを見かけました・・・」
「???ちょっと待って。お前、受付嬢だろ?なんで女が大浴場で男湯に入ってるんだ?」
「おっと、言い忘れてた!ミュゼは男なんだ。「男の娘」ってヤツさ。だから、男湯に入っていてもおかしくないぞ」
「・・・そうか・・・それよりも話の続きをしてくれ・・・」
ツバサからミュゼが男の娘だと聞かされたシュリは、思わずミュゼを凝視して少し頬を赤らめていた・・・・
「2人は浴槽に入って来て、湯につかりながら話をしていたので、わたしは気になって2人に気づかれないよう『ステルス』の魔法使い聞き耳を立てていました」
➖アドンとジョージの会話➖
「随分と儲けたよな、おれっち達は適当に援護してるだけで、報酬の7割も貰うんだからよ。楽な仕事だぜ♪」
「おいおい、忘れるなよ。こんなあぶく銭程度の仕事よりも、俺たち本来の仕事はハズキを殺すことだぞ。そのためにハズキにSランクの依頼を発注させて、ひたすらハードな依頼でハズキの体を疲弊させた所を俺たちが始末する段取りだろ?」
「でもよ、わざわざまわりくどいやり方をしないで背後からバッサリとやればいいんじゃねーの?」
「わかってねーな、相手は『鬼神のドリス』の血を引くハズキだぞ。しかも、今のあいつは、ドリスの力を上回る程の実力を得ているんだ。体力のほうもS級冒険者の中でトップクラスらしい。そんな化け物じみたヤツを始末するんだ、まわりくどてくも始末さえできればランディの野郎からたんまりと報酬がもらえるんだぜ。やるしかねーだろ?」
「へーへ、わかったよ。それでハズキ殺害決行の日はいつだ?ラムサスもといジョージさんよ」
「別にラムサスで構わんよ。俺らの話なんて誰も聞いちゃいねーからな。とりあえず決行日は明後日だ。ちょうどこの日にランディと会う約束をしている」
「なあ、ついでだからサロメの豚もまとめて始末しようや」
「そのつもりだよ。あの豚にもう利用価値はないからな。始末のほうはアドン、お前がやれよ」
「豚を相手にするのかぁ、どうせ相手にするなら幼女の方がよかったな。(いやらしい意味で)」
「黙れロリコン♪そんなわけで、明後日バーバリアンに集合だ」
・・・・・・
「これが大浴場での2人の会話の内容です」
ミュゼから聞いた大浴場での2人の会話でジョージの正体がラムサスだとわかった途端にシュリは、険しい表情になっていた
「くそが!ラムサスのヤツ、顔を変えてまでレガイアに潜伏してたのか!」
「作戦決行日が明後日・・・って今日じゃないか!おい!シュリ!」
「ああ!わかってるよ!ハズキ達は、キマイラロード討伐に行ったんだ。場所ならわかってる!」
シュリは依頼書の内容を再度確認して、2階の窓から飛び降りて目的地へとダッシュで走り去っていった
「・・・何か妙な胸騒ぎがするな・・・ミュゼ、今すぐに手の空いているS級とA級の冒険者を呼び出して、ただちに応援要請だ。ハズキ達が向かっているのは『オーニタ神殿』、依頼内容はキマイラロード討伐だが、パーティーメンバーのアドンとジョージ改めラムサスがハズキを殺害を画策してる模様。見つけ次第、拘束してくれ」
➖ギンガサイド➖
「ギンガちゃんじゃないか。今日も仕事もせずに遊び歩いているのかい?」
商店街でイチゴを買いに来たギンガに対して果物屋の店主が呆れ笑いで話しかけてきた
「う、うるせぇよ。それよりもイチゴ買いに来たんだ。だからイチゴを1パックくれ」
「ああ、そうか、今日はハズキちゃんの誕生日だったね。それなら、こっちもサービスするよ♪」
すると、店主はイチゴを2パックをギンガに手渡した
「おっ!ラッキー!ありがとう♪おばちゃん♪」
「今年もハズキちゃんの誕生日パーティへの気合の入れようは相変わらずすごいな。アンタ、どんだけ姉ちゃん好きなんだよ。このシスコン」
シスコンと言われて思わず赤面するギンガは店主に代金を渡すなり、背を向けて捨てゼリフを吐きながら、その場を離れた
「ば、ばか!そんなんじゃねーよ!毎年、誕生日をちゃんと祝ってやらないと姉貴のヤツが不機嫌になるんだよ。だから、仕方なーく祝ってやってるんだよ!んじゃあな!」
走り去って行くギンガの後ろ姿を見つめながら、店主は怪訝な表情でボソりとつぶやく
「・・・ハズキちゃんとギンガちゃんが・・・まさかね・・・何かの間違いだよな・・・」
・・・・・・
「これでイチゴを確保できたぞ。イチゴは姉貴の大好物だからな、ケーキに沢山盛ってやらないとな・・・ん?あれは姉貴?・・・」
商店街から帰宅する道中でギンガは、ハズキの後ろ姿に気がつく。ハズキは、街の出入り口の門に向かっていてハズキの周囲には・・・・・
「えっ!?ジョーさん?レガイアを出たんじゃなかったのか?何で姉貴とジョーさんが?・・・!!!アイツは確かアドン!?どうしてアドンが?それにサロメまで・・・」
予想もつかない組み合わせに困惑し動揺を隠せないギンガは、物陰に隠れてながらハズキ達の跡をつけることにした
・・・・・・
それから、ハズキ達の跡を追っているとハズキ達は『オーニタ神殿』の前に立っていた
「・・・・な、何だ?あの古ぼけた遺跡は?姉貴は、どんな依頼を受けたんだ?」
ギンガは、ハズキ達に気づかれないよう用心しながら遺跡に入ろうとした時・・・・・
ガシッ!
背後から誰かがギンガの肩をつかむ
➖ラムサスサイド➖
時を遡ること数時間前・・・
ラムサスがバーバリアンにやってくると、そこにはハズキとサロメが待っていた
「おっ!お出迎え、ご苦労ご苦労♪」
「けっ!何がご苦労だ!今何時だと思ってる!待ち合わせの時間は等に過ぎているぞ!全く!いつも何もしないでふんぞり帰って居るだけのやつが!」
待ち合わせの時間を過ぎてから、遅れてやってきたラムサスは、へらへらと笑いながら入ってくる姿を見て、サロメは思わず怒鳴り散らしていた
「やめな、サロメ。こんな奴に何を言っても無駄だよ。ところでアドンはどうしたんだい?」
「ああ、アドンねぇ。あいつは昨日もお盛んだったみたいでね。遅れるぞ」
それから、1時間が経過した頃に、服装の乱れたアドンがニヤついた顔でやってきた
「悪りぃ悪りぃ♪昨晩はお楽しみでしたぁ♪ってか♪」
「だははは!どんだけお盛んなんだよ♪この変態が♪」
ガシ
ラムサス同様、ハズキを嘲笑った態度でバーバリアンに入って来アドンを見て我慢の限界だったのかサロメが無言で胸ぐらを掴んで殴ろうとしていた
「やめろ!サロメ!こんな奴らにいちいち腹を立てるだけ、労力の無駄だ!アドンも来たんだ、さっさと討伐依頼に行くよ!」
「先行けよ。俺は少しやることがある」
「あの野郎・・・行く前に用事を済ませとけよ」
「構うなサロメ、どうせロクでもない事だ」
目的地の『オーニタ神殿』へ出発しようとした矢先にラムサスが店の奥に入っていった。しかし、ハズキは君に気にも止めずにサロメの肩を押してバーバリアンから外へ出る
ラムサスは、『ケータイデンワ』で誰かと連絡を取り合っていた
「ああ、今からそっちに向かう。大体、1時間くらいだ。あん?転移魔法を使えだぁ?ふざけるな!あんな高等魔法使えるか!何ぃ!使えないだと!?・・・ちっ!わかったよ!!・・・」
「うるぁ!!」
ドガッ!
デンワを切るなりラムサスは、声を荒らげて近くにあった椅子を思いっきり蹴飛ばす
「あのくそ魔族が!何が無能魔道士だ!俺は無能じゃねぇ!あの野郎、いつか絶対殺してやる!」
すると、ラムサスは手を顔に当ててボソボソと小声で呪文を唱えると、顔が変形して『ジョージ』の顔となり、ニヤリと笑いながらバーバリアンから外へ出た
「まあ、いいか。今はランディよりもハズキの始末だ。予想通りハズキは連日の依頼で、かなり体に疲労が溜まっているみたいだ。その上、ストレスで睡眠不足と見た。始末するなら今だ!」
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