異世界母さん〜母は最強(つよし)!肝っ玉母さんの異世界で世直し無双する〜

トンコツマンビックボディ

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第9話 カスミ冒険者になる 前編

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あれから1日が過ぎた朝、朝食を済ませて子供達は外で遊んでいる中でカスミとロメロとワタル達は緊急会議を行っていた
「なんてことだい・・・まさか、これ程だったとはね・・・・」
「ボクもここまで大変だとは思ってませんでしたよ・・」
「まさに忌々しき事態ですよ・・・」
3人は暗い雰囲気でテーブルの前に座っていた
 
「まさか個人院の経営がこんなにも厳しいなんてボク知りませんでした」
「王都からの支援もそんなには多くはなく、今でもギリギリな生活なんです」
「その上、私やワタルあとポチが来たことによって、さらに食費がかさむんだね?これはパートでも探すかい?」
「『アルバイト』を探すのはいいけど、子供5人と大人3人と1匹の大所帯だと効率が悪いんじゃないですか?」
孤児院の経営状況に頭を悩ましている。3人は何か良い方法はないかと模索しているとロメロが提案を持ちかけた
「それなら『冒険者』になるのはどうでしょう?」
「『冒険者』?確か前にもその話をしていたね?冒険者ってのはどんな仕事をするんだい?」
「冒険者は主な仕事は魔物討伐、護衛・用心棒・配達、人探し、未整備地域や危険地帯への探索や物品の回収などの仕事を個人で選んで仕事をするんです」
仕事を選ぶと聞いて首を傾げるカスミはロメロに問いただした
「仕事を選ぶってよくわからないんだけど、そこの所を詳しく教えなよ」
「そうでしたね。まず冒険者は『ギルド』で登録しないといけないんです。登録後に正式に冒険者となり冒険者にはランク付けされていてF~Sとされています。最初はFランクなので仕事(依頼)は、採取、配達、人探し、魔物討伐(下級)となっております。日雇いですが我々の経済状況を考えると普通に働くより効率が良いかと」
 
「なるほどね。そういうことであれば冒険者となって仕事をする方が稼ぎがいいってことだね?なら冒険者にするか!思い立ったが吉日!今から『ギルド』に行くよワタル!」
「えっ!ボクも行くんですか?ボクも冒険者をやるんですか?」
「当たり前だろ!ここに住む以上はちゃんと仕事をして、この家に貢献しないとだめだろう!働かざるもの食うべからずだ!」
ワタルはいささか嫌な顔をするがカスミが怖くて逆らえず、無言で立ち上がった
「ギルドはここから左に曲がってまっすぐ行くと『教会』があって、そこから右に行った所にあります」
「そう言えば『教会』にボク達と同じ転生者がいるんですよね?カスミさん、ギルドに行く途中で教会に寄っていきましょうよ?」
「へぇ、この街に転生者がいたんだね。だったら、ついでだし会ってみるかい」
2人はその足で転生者のいる『教会』へと行くのであった
 
「それで、教会にいる転生者はどんな人なんだい?」
「ロメロさんが言うには14歳位の女の子で教会ではシスター見習いをやっているそうです」
「他には何か言ってなかったかい?」
「いえ、聞いたのは、これくらいでせよ。あっ!到着しました。ここが例の教会ですね」
2人の前に立っている教会には「グレイスフル大聖堂」と書かれていた
「ちょいと邪魔するよ!」
「カ、カスミさん!もう少し丁寧に言いましょう!」
カスミの雑な挨拶な仕方を諌めるワタルを見てクスクスと笑いながら1人の中年の女性がやって来た
「あらあら、賑やかなお客さんですね」
女性は2人の顔をジッと見つめている
「すいません、ボク達はこの近くの孤児院で働いているもので、今日伺ったのは、こちらに転生者の女の子が居ると聞いて来ました」
「おやおや、まあまあ、もしかしてあなた達もあの子と同じ転生者なんですか?それでしたら彼女の居る所まで案内しますね」
女性は少し驚いた表情だったが、すぐに笑顔に戻り、そのまま2人を『女の子』の所まで案内された
 
「ところでアンタはこの教会の人間なんだろ?いきなり来た私達を何の疑いもせずに案内するなんて警戒心がないんじゃないのかい?」 
「これは申し遅れました。私わたくしはこの教会で司教を勤めさせていただいている「セイラ」と言います。私があなた方を疑わなかったのは、あなた方の目に曇りがないと感じたからです。こう見えても人の善悪を見抜くのは得意なんですよ」
にこやかなセイラに案内された場所は『シスター宿舎』と書かれている場所だった
「この宿舎の1番奥の部屋に『彼女』が居ます。ただ・・・」
「何かあるんですか?」
「悪い子では無いのですが、少々個性的な子でして・・・」
セイラは苦笑いをしながら、奥の部屋の前まで行き扉をノックした
「アスナさん。居るんでしょ?開けますよ?」
返事を待たずに扉を開くと、その部屋の中にはベッドの上でスヤスヤと寝息を立てているアスナと呼ばれる少女が眠っていた
 
「はぁ、アスナさん、全くあなたと言う人は・・・」
呆れた顔をしたセイラはキリッと表情を変えて深呼吸した後、アスナの耳元で大声をあげた 
「アスナさん!いつまで寝てるんですか!いい加減に起きなさい!」
「どひゃー!なになに!何事?」
その声に飛び起きたアスナは辺りを見回した
「何事じゃありません!今何時だと思ってるんですか?もうお昼前ですよ!」
「お昼前?それじゃあ朝ご飯は?食べ損ねた!」
セイラはアスナのあまりの寝起きの悪さに再び呆れた顔した
「あなたは全く・・・それよりもあなたにお客様ですよ」
「お客さまぁ?」
ボサボサな髪を掻きながらカスミとワタルをまじまじと見るとカスミに向かって大声を出した
 
「おっぱいデカッ!峰不二子か!ボン!キュッ!ボン!だな!」
 
セクハラ発言にワタルは顔を赤くしながらアスナに駆け寄る
「ちょ!ちょっとキミね!初対面なのにカスミさんに対して失礼だよ!」 
「なんだよ?メガネ!お前はその女の彼氏か?・・・ってそれはないなぁ(笑)あ~あ、腹減った」
ワタルの外見を見て嘲笑いながら長い髪の毛をツインテールにしてベッドから立ち上がり、部屋を出ようとしたアスナをカスミはアスナの頭をガシッと鷲掴みにした
「待ちな。アンタ随分と態度が悪いね。転生者と聞いて訪ねて来たけど残念だったね」 
「!!!ちょっと待ちなさいよ!もしかしてアンタ達って転生者なワケ?それを早く言いなさいよ!」
カスミ達が転生者だと知った途端、アスナは急に態度を変えた
「とりあえず食堂に行くわよ。話はご飯の後よ!良いよね?しきょー?」
「はいはい、好きになさい」
 
そして、カスミ達はアスナの後を追う様に食堂へ向かうのであった
 
➖食堂➖
 
「ふぅ。食べた食べた♪それじゃあまず自己紹介ね。私あたしは、この世界では『アスナ・タナハシ』って言うの。アスナでいいよ」
「私はカスミ・ババだよ。この近くの孤児院で住み込みで働いてる」
「???『ばば かすみ』・・・どこかで聞いた名前だな・・・」
カスミの名前を聞いて少し考え込んだアスナにワタルが話しかける
「今度はボクの番だね!ボクの名前は・・・」
「アンタは別にいいや、メガネで充分よ」
「あっ!このヤロー!ボクだけ雑に扱ったな!」
アスナに雑に扱われたのが気に触ったのかワタルがアスナに食ってかかる
「あのさぁ、何かアンタの声を聞いてると妙に声優の『阪口大助』を思い出すのよね。って言うかまんま『阪口大助』(笑)それと、その外見と相まって・・・・」
「それ以上は言うなぁぁぁ!」
ワタルは涙目でアスナが何かを言い切る前に急に声を荒らげた
「ワタル、いきなりどうしたんだい?声なんか荒げて」
「なんで、なんで皆はボクの声と外見で揃いも揃ってボクをあのキャラと重ね合わせるんだ!そりゃ声が『阪口大助』にそっくりなのはいいさ!ツッコミもボクの個性だよ!だからって・・・」
「あっちゃー、コレは変なスイッチ押しちゃったかな?」
 
「メガネ掛けてて顔がそっくりだからってボクを『新八』って言うなぁ!」
「あはははは・・・ごめんごめん。多分、そんなに似てないから」
ワタルの涙ながらのが悲痛な叫びにアスナは適当にあしらおうとするが逆にワタルに反撃されるのであった
 
「気休めはやめろぉ!大体、アスナちゃんだって『神楽』と『三千院ナギ』を足して2で割った顔してる癖に!おまけに声が『釘宮理恵』そっくりじゃないか!」
「ちょ!アンタねぇ!『三千院ナギ』はともかく、よりにもよってあの『ゲロイン』を引き合いに出したわね!」
2人の些細な言い合いにあきれ果てたのかカスミが仲裁に入る
「アンタ達、何時までしょうもない言い争いしてるんだい?!いい加減にしな!」
「うっさいわね!外野は黙ってなさいよ!このデカ乳!」
「そうだ!そうだ!大体、カスミさんの声を聞いてると声優の『早見沙織』にしか聞こえないんですよ!はやみんボイス最高!」
ガン!ガン!
「アンタ達!いい加減にしろって言ってるだろ!さもないとぶつよ!」
仲裁したのに有らぬ飛び火と2人の横柄な態度に頭に来たのかカスミは2人の頭に鉄拳制裁を加えた
(もうぶってるよ!)ワタル&アスナ
 
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