子供にしかモテない私が異世界転移したら、子連れイケメンに囲まれて逆ハーレム始まりました

もちもちのごはん

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第3話 とりあえず泊まらされることに

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 異世界って、もっとファンタジーでキラキラしてると思ってた。
 でも実際の私は、重厚な鎧の騎士団長と、知らない子供と、よく分からない屋敷のベッドの上で、ぐったりしていた。

 レオンさん――あの騎士団長は、娘のエミリアちゃんのために、私の一泊を許してくれた。むしろ、強引に決められたという方が正しい。

 「娘が懐いているのだから、当然だろう」って、すごく真面目な顔で言われたけど……。
 いやいや、私も初対面なんですけど!? って心の中でツッコんだ。けど、怖くて口には出せなかった。

 ……でも。

「おねえしゃんといっしょにねるー!」

 そう言って手を引いてくれたエミリアちゃんが可愛すぎて、結局私は逆らえなかった。

 というわけで、今。私はふかふかのベッドの上、片手に絵本、もう片手にぬいぐるみ。
 まるでお母さんごっこをしてる気分だった。

「この子が、森でまいごになっちゃってね……」

 そう言いながら絵本の中の動物たちを指差すと、エミリアちゃんはきらきらした目で私を見てきた。うん、可愛い。癒し。

 ……でも、ついさっきまで私は、ただのOLだったんだよ?

 気づいたら森に放り出されて、泣いてる子供をあやして、そのまま高級そうな屋敷に泊まることになって。
 私の人生、こんな急展開するなんて聞いてない。

「……おねえしゃん?」

「あ、ごめんね。ちょっと考えごとしてた」

「ねむくなってきた……」

「そっか、じゃあ、電気……じゃなくて、灯り、消すね」

 異世界だからスイッチなんて当然ないけど、近くのランプを吹き消すと、部屋は優しい暗さに包まれた。

「おねえしゃん……ぎゅってして?」

「……うん。おやすみなさい、エミリアちゃん」

 小さな体をそっと抱き寄せると、エミリアちゃんはすぐにすぅすぅと寝息を立て始めた。

 子供を抱いて寝るなんて初めてだったけど、不思議と嫌じゃなかった。むしろ安心する。あったかい。柔らかい。
 私は、なんでこんなふうに子供と気が合うんだろう。自分でも分からない。

「……って、いやいや!」

 布団の中でひとり突っ込んだ。落ち着いてきたら、急にいろんな疑問が押し寄せてくる。

 ここはどこ? 私、帰れるの? この人たちは信用していいの? 
 ていうか、これってやっぱり異世界? 夢オチじゃない? どこかに神様とか女神様とか出てくるやつじゃないの?

 ……でも、誰も説明してくれないまま、私は異世界にいて、子供に頼られていて――。

「……なんで私なんだろうな」

 呟いた声は、布団の中に吸い込まれていった。

 そして翌朝。

「こはる。起きろ」

「……っ!?」

 目を開けると、目の前に鎧の男・レオンさんの顔があって、思わず悲鳴をあげそうになった。

「な、なななな、なんでここに……!?」

「……朝食の時間だ」

 無表情で淡々と言う彼に、私の心臓はバクバクだった。

 しかも――。

「おねえしゃん、おはよー」

 エミリアちゃんが、私の腕にしがみついたまま起き上がってきた。

 ……うん。これはもう、泊まらされたんじゃなくて、「迎え入れられた」ってことなんじゃない?
 いろんな意味で、もう逃げられない気がする。
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