子供にしかモテない私が異世界転移したら、子連れイケメンに囲まれて逆ハーレム始まりました

もちもちのごはん

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第15話 元の世界で大炎上!?

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「え、これ、マジでこはるじゃね!?」
「うそ、うそでしょ……!? あの地味女が!?」

 ――画面越しに、誰かの叫び声が響いた。



 それは、ある日突然、異世界と「元の世界」がゆるくつながった瞬間の出来事だった。

 きっかけは、魔導士ユリウスさんの実験。
 空間魔法の研究中に、偶然、異世界と日本をつなぐごく微弱な映像転送が成功したらしく――。

「一時的なものだが、記録映像が向こうの『情報網』に流れ込んだようだ」

「情報網って……SNSですか?」

「たぶん、そう」

 そう聞かされて、私は心の底から血の気が引いた。
 だって、その映像というのが――。

 王宮で私が、子供たちと一緒に笑っていた様子。
 ガルドさんの肩によじ登る獣人キッズ。セナくんが私にぎゅっとしがみついているところ。
 さらには、王太子シリル様が真顔で「彼女は王宮の要だ」とか言ってるやつまで。

(……完全にアウトじゃない!?)

 そして――その「流出映像」を一番早く見つけて騒ぎ出したのが、現代で私を散々見下してきた、元・同僚たちだった。



『なにこれ。マジで春野こはる……だよね?』

『地味メガネの事務女が……!? なんか美形に囲まれてるけど!?』

『この子供たち、どういうこと!?』

『しかもこれ、王子? 騎士? 魔導士? は? なに? 異世界転生でもしたわけ?』

『無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理!!』

 ――SNS上には、元同僚たちの悲鳴に似た書き込みが、次々と浮かび上がっていた。

 私のことを「男っ気ゼロの地味OL」と笑ってた同期女子たち。
 お昼の弁当を「節約女子ぶってる」って盗み撮ってたマウント女。
 パワハラ気味だった主任や、やたらと詮索してきた先輩たち――。

 彼らが、口を揃えて発狂していた。

『あいつ王子に口説かれてるの???????』

『てかガチで逆ハーレムじゃん。人生チートかよ』

『男たちがこはるのこと見てる目、ガチだったんだけど!?』

『……なんか、くやしい。悔しすぎる……』

 ざまぁ。

 いや、私が言ったわけじゃない。でも、そう言いたくもなる。
 だって私は、彼女らにずっと「その他大勢」として扱われてきたから。

 地味で、目立たなくて、恋愛経験ゼロ。
 会議では名前を間違えられ、女子会では空気扱い。
 「いる意味ある?」って、陰で言われてたことも知ってる。

 そんな私が、今、異世界で「必要とされてる」なんて――。

「……ふふっ」

 思わず笑ってしまった。
 いや、優越感とかじゃない。ただ、もう振り回される必要がないんだと思ったら、心がすごく軽くなった。



 その日の夜、私は王宮のバルコニーに出て、星を見上げていた。
 空には二つの月。ゆっくりと流れる風。静かな夜。

「元の世界に、戻りたいと思うか?」

 不意に、後ろからシリル様の声がした。

「……いえ。もう、そうは思ってません」

 私は、素直に答えた。

「だって……ここには、私を必要としてくれる人たちがいますから」

「そうか」

 シリル様は横に並んで、空を見上げた。

「私もまた、そなたを失いたくないと思っている」

 その一言が、胸に沁みた。
 この世界で、私は居場所を得た。信頼され、大切にされている。

 「地味な私」しか知らなかった人たちは、もう届かないところにいる。
 だからこそ、私は――前を向いて、生きていく。

「……おねえちゃん、だいすき!」

 遠くから、子供たちの声が聞こえた。

 それが、何よりの答えだった。
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