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第15話 元の世界で大炎上!?
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「え、これ、マジでこはるじゃね!?」
「うそ、うそでしょ……!? あの地味女が!?」
――画面越しに、誰かの叫び声が響いた。
◇
それは、ある日突然、異世界と「元の世界」がゆるくつながった瞬間の出来事だった。
きっかけは、魔導士ユリウスさんの実験。
空間魔法の研究中に、偶然、異世界と日本をつなぐごく微弱な映像転送が成功したらしく――。
「一時的なものだが、記録映像が向こうの『情報網』に流れ込んだようだ」
「情報網って……SNSですか?」
「たぶん、そう」
そう聞かされて、私は心の底から血の気が引いた。
だって、その映像というのが――。
王宮で私が、子供たちと一緒に笑っていた様子。
ガルドさんの肩によじ登る獣人キッズ。セナくんが私にぎゅっとしがみついているところ。
さらには、王太子シリル様が真顔で「彼女は王宮の要だ」とか言ってるやつまで。
(……完全にアウトじゃない!?)
そして――その「流出映像」を一番早く見つけて騒ぎ出したのが、現代で私を散々見下してきた、元・同僚たちだった。
◇
『なにこれ。マジで春野こはる……だよね?』
『地味メガネの事務女が……!? なんか美形に囲まれてるけど!?』
『この子供たち、どういうこと!?』
『しかもこれ、王子? 騎士? 魔導士? は? なに? 異世界転生でもしたわけ?』
『無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理!!』
――SNS上には、元同僚たちの悲鳴に似た書き込みが、次々と浮かび上がっていた。
私のことを「男っ気ゼロの地味OL」と笑ってた同期女子たち。
お昼の弁当を「節約女子ぶってる」って盗み撮ってたマウント女。
パワハラ気味だった主任や、やたらと詮索してきた先輩たち――。
彼らが、口を揃えて発狂していた。
『あいつ王子に口説かれてるの???????』
『てかガチで逆ハーレムじゃん。人生チートかよ』
『男たちがこはるのこと見てる目、ガチだったんだけど!?』
『……なんか、くやしい。悔しすぎる……』
ざまぁ。
いや、私が言ったわけじゃない。でも、そう言いたくもなる。
だって私は、彼女らにずっと「その他大勢」として扱われてきたから。
地味で、目立たなくて、恋愛経験ゼロ。
会議では名前を間違えられ、女子会では空気扱い。
「いる意味ある?」って、陰で言われてたことも知ってる。
そんな私が、今、異世界で「必要とされてる」なんて――。
「……ふふっ」
思わず笑ってしまった。
いや、優越感とかじゃない。ただ、もう振り回される必要がないんだと思ったら、心がすごく軽くなった。
◇
その日の夜、私は王宮のバルコニーに出て、星を見上げていた。
空には二つの月。ゆっくりと流れる風。静かな夜。
「元の世界に、戻りたいと思うか?」
不意に、後ろからシリル様の声がした。
「……いえ。もう、そうは思ってません」
私は、素直に答えた。
「だって……ここには、私を必要としてくれる人たちがいますから」
「そうか」
シリル様は横に並んで、空を見上げた。
「私もまた、そなたを失いたくないと思っている」
その一言が、胸に沁みた。
この世界で、私は居場所を得た。信頼され、大切にされている。
「地味な私」しか知らなかった人たちは、もう届かないところにいる。
だからこそ、私は――前を向いて、生きていく。
「……おねえちゃん、だいすき!」
遠くから、子供たちの声が聞こえた。
それが、何よりの答えだった。
「うそ、うそでしょ……!? あの地味女が!?」
――画面越しに、誰かの叫び声が響いた。
◇
それは、ある日突然、異世界と「元の世界」がゆるくつながった瞬間の出来事だった。
きっかけは、魔導士ユリウスさんの実験。
空間魔法の研究中に、偶然、異世界と日本をつなぐごく微弱な映像転送が成功したらしく――。
「一時的なものだが、記録映像が向こうの『情報網』に流れ込んだようだ」
「情報網って……SNSですか?」
「たぶん、そう」
そう聞かされて、私は心の底から血の気が引いた。
だって、その映像というのが――。
王宮で私が、子供たちと一緒に笑っていた様子。
ガルドさんの肩によじ登る獣人キッズ。セナくんが私にぎゅっとしがみついているところ。
さらには、王太子シリル様が真顔で「彼女は王宮の要だ」とか言ってるやつまで。
(……完全にアウトじゃない!?)
そして――その「流出映像」を一番早く見つけて騒ぎ出したのが、現代で私を散々見下してきた、元・同僚たちだった。
◇
『なにこれ。マジで春野こはる……だよね?』
『地味メガネの事務女が……!? なんか美形に囲まれてるけど!?』
『この子供たち、どういうこと!?』
『しかもこれ、王子? 騎士? 魔導士? は? なに? 異世界転生でもしたわけ?』
『無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理!!』
――SNS上には、元同僚たちの悲鳴に似た書き込みが、次々と浮かび上がっていた。
私のことを「男っ気ゼロの地味OL」と笑ってた同期女子たち。
お昼の弁当を「節約女子ぶってる」って盗み撮ってたマウント女。
パワハラ気味だった主任や、やたらと詮索してきた先輩たち――。
彼らが、口を揃えて発狂していた。
『あいつ王子に口説かれてるの???????』
『てかガチで逆ハーレムじゃん。人生チートかよ』
『男たちがこはるのこと見てる目、ガチだったんだけど!?』
『……なんか、くやしい。悔しすぎる……』
ざまぁ。
いや、私が言ったわけじゃない。でも、そう言いたくもなる。
だって私は、彼女らにずっと「その他大勢」として扱われてきたから。
地味で、目立たなくて、恋愛経験ゼロ。
会議では名前を間違えられ、女子会では空気扱い。
「いる意味ある?」って、陰で言われてたことも知ってる。
そんな私が、今、異世界で「必要とされてる」なんて――。
「……ふふっ」
思わず笑ってしまった。
いや、優越感とかじゃない。ただ、もう振り回される必要がないんだと思ったら、心がすごく軽くなった。
◇
その日の夜、私は王宮のバルコニーに出て、星を見上げていた。
空には二つの月。ゆっくりと流れる風。静かな夜。
「元の世界に、戻りたいと思うか?」
不意に、後ろからシリル様の声がした。
「……いえ。もう、そうは思ってません」
私は、素直に答えた。
「だって……ここには、私を必要としてくれる人たちがいますから」
「そうか」
シリル様は横に並んで、空を見上げた。
「私もまた、そなたを失いたくないと思っている」
その一言が、胸に沁みた。
この世界で、私は居場所を得た。信頼され、大切にされている。
「地味な私」しか知らなかった人たちは、もう届かないところにいる。
だからこそ、私は――前を向いて、生きていく。
「……おねえちゃん、だいすき!」
遠くから、子供たちの声が聞こえた。
それが、何よりの答えだった。
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