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第18話 答え
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「こはる、今日こそは……答えを聞かせてくれ」
レオンさんの低い声に、私は思わず背筋を伸ばした。
場所は、王宮の中庭。
夕暮れのオレンジが差し込む、静かな空間。
目の前には、レオンさん、ユリウスさん、ガルドさん、シリル様。
子供たちは、少し離れたところでお昼寝中。
全員が、私を見つめていた。
真剣なまなざしで、穏やかな、けれどどこか覚悟を帯びた表情で。
「……もう、逃げません」
私は、静かにそう言った。
「この前、逃げ出してしまったのは……自分の気持ちに向き合うのが怖かったからです」
誰かを好きになること。誰かに応えること。
それは、嬉しくて、温かくて、でも――怖い。
「でも、ちゃんと考えました。あなたたちと過ごした日々を思い出しながら、ひとりずつ、大切に」
そう言って、私はまず、ユリウスさんの方を向いた。
「ユリウスさん。……優しくて、繊細で、でも強くて、子供たちのことを本当に大切にしているあなたに、何度も救われました」
ユリウスさんは、かすかに微笑んだ。
「ありがとう。……それだけで、十分すぎるくらいです」
次に、ガルドさん。
「ガルドさん。ぶっきらぼうだけど真っ直ぐで、不器用なくらい一生懸命なあなたに、たくさん笑わせてもらいました」
「……そっか」
ガルドさんはぽりぽりと頬をかいて、照れくさそうに頷いた。
「それでいい。……無理して選ばれたくねぇしな」
そして、レオンさん。
「レオンさん。あなたの言葉は少ないけど、行動のひとつひとつに、私への信頼がこもっているのが分かって……ずっと、嬉しかったです」
「……お前の笑顔が見られれば、それでいい」
短く、でも確かな言葉。レオンさんらしい、静かな誠実さだった。
最後に、シリル様。
「シリル様。……あなたは、誰よりも立場に縛られているのに、それでも『私』という存在を見てくれました。私にとって、それはすごく、大きなことでした」
「そなたが、『そなた自身』として答えてくれた。それだけで十分だ」
穏やかに微笑むその横顔に、少しだけ安堵の色が浮かんでいた。
そして、私は深く、息を吸い込んで言った。
「私の答えは――今は、まだ選べません」
しん、と静まり返る空気。
でも、誰も驚かなかった。むしろ、全員が、静かにうなずいてくれていた。
「……俺たちが、急ぎすぎてたのかもな」
ユリウスさんがふっと笑って言う。
「うん。こはるのペースで、いいんだ」
ガルドさんも、安心したように頷く。
「そなたにとって、今いちばん大切なのは、子供たちとの時間だろう?」
シリル様の言葉に、私はうんと頷いた。
「はい。……私は今、子供たちと一緒に過ごす毎日が、心から幸せです」
その幸せを壊すような選択は、今はまだ、できない。
でもいつか――この想いに、ちゃんと名前をつけられる日が来るのなら。
「そのときは……もう一度、向き合わせてください」
そう伝えると、レオンさんが小さく笑った。
「いいだろう。……いつまでも、待つつもりだ」
その言葉に、胸がじんとあたたかくなった。
◇
その日の夜。
部屋で子供たちに囲まれながら、私はセナくんにそっと尋ねた。
「ねぇ、セナくんは……もし、大事な人が選べないって言ったら、どう思う?」
「……ぜんぶ、だいじってことなら、それでいいと思う」
小さな答えに、私は思わず笑ってしまった。
「……うん。私も、そう思うよ」
私はまだ、恋の答えは出せない。
でも、大切な人たちがいる。心から守りたいと思う子供たちがいる。
だから今は、それだけで――十分だった。
レオンさんの低い声に、私は思わず背筋を伸ばした。
場所は、王宮の中庭。
夕暮れのオレンジが差し込む、静かな空間。
目の前には、レオンさん、ユリウスさん、ガルドさん、シリル様。
子供たちは、少し離れたところでお昼寝中。
全員が、私を見つめていた。
真剣なまなざしで、穏やかな、けれどどこか覚悟を帯びた表情で。
「……もう、逃げません」
私は、静かにそう言った。
「この前、逃げ出してしまったのは……自分の気持ちに向き合うのが怖かったからです」
誰かを好きになること。誰かに応えること。
それは、嬉しくて、温かくて、でも――怖い。
「でも、ちゃんと考えました。あなたたちと過ごした日々を思い出しながら、ひとりずつ、大切に」
そう言って、私はまず、ユリウスさんの方を向いた。
「ユリウスさん。……優しくて、繊細で、でも強くて、子供たちのことを本当に大切にしているあなたに、何度も救われました」
ユリウスさんは、かすかに微笑んだ。
「ありがとう。……それだけで、十分すぎるくらいです」
次に、ガルドさん。
「ガルドさん。ぶっきらぼうだけど真っ直ぐで、不器用なくらい一生懸命なあなたに、たくさん笑わせてもらいました」
「……そっか」
ガルドさんはぽりぽりと頬をかいて、照れくさそうに頷いた。
「それでいい。……無理して選ばれたくねぇしな」
そして、レオンさん。
「レオンさん。あなたの言葉は少ないけど、行動のひとつひとつに、私への信頼がこもっているのが分かって……ずっと、嬉しかったです」
「……お前の笑顔が見られれば、それでいい」
短く、でも確かな言葉。レオンさんらしい、静かな誠実さだった。
最後に、シリル様。
「シリル様。……あなたは、誰よりも立場に縛られているのに、それでも『私』という存在を見てくれました。私にとって、それはすごく、大きなことでした」
「そなたが、『そなた自身』として答えてくれた。それだけで十分だ」
穏やかに微笑むその横顔に、少しだけ安堵の色が浮かんでいた。
そして、私は深く、息を吸い込んで言った。
「私の答えは――今は、まだ選べません」
しん、と静まり返る空気。
でも、誰も驚かなかった。むしろ、全員が、静かにうなずいてくれていた。
「……俺たちが、急ぎすぎてたのかもな」
ユリウスさんがふっと笑って言う。
「うん。こはるのペースで、いいんだ」
ガルドさんも、安心したように頷く。
「そなたにとって、今いちばん大切なのは、子供たちとの時間だろう?」
シリル様の言葉に、私はうんと頷いた。
「はい。……私は今、子供たちと一緒に過ごす毎日が、心から幸せです」
その幸せを壊すような選択は、今はまだ、できない。
でもいつか――この想いに、ちゃんと名前をつけられる日が来るのなら。
「そのときは……もう一度、向き合わせてください」
そう伝えると、レオンさんが小さく笑った。
「いいだろう。……いつまでも、待つつもりだ」
その言葉に、胸がじんとあたたかくなった。
◇
その日の夜。
部屋で子供たちに囲まれながら、私はセナくんにそっと尋ねた。
「ねぇ、セナくんは……もし、大事な人が選べないって言ったら、どう思う?」
「……ぜんぶ、だいじってことなら、それでいいと思う」
小さな答えに、私は思わず笑ってしまった。
「……うん。私も、そう思うよ」
私はまだ、恋の答えは出せない。
でも、大切な人たちがいる。心から守りたいと思う子供たちがいる。
だから今は、それだけで――十分だった。
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