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コヨタ

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第4話 それぞれの答え

第4話・2 またふたりで

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 ──翌朝。
 龍調査機関・中央棟前。

 空はまだ薄青く、街の喧騒も始まっていない時間。

 静けさに包まれた施設の前で、黒い輸送車のエンジン音だけが微かに響いている。

「……おはよ」

 レイラは軽く息を吐きながら、車の前に立っていた。

 フード付きの黒い上着をしっかりと着込み、その姿は前回の任務よりも、少しだけ頼もしく見える。

「……おは」

 時間通りに現れたが眠たげなリルは、やはり今日も黒い装束に身を包んでいた。

 長く引きずるようなマント。その端はボロボロのまま、黒地に赤のグラデーションが翼のように風に揺れている。

「……起きんのつらかった」

「夜更かしでもした? 何時まで起きてたの……」

「眠いから休みたいっつったらシエリ先生にめちゃくちゃ睨まれた。……お前は眠くねえの?」

「平気。ちゃんと支度したよ……。ほら、これ」

 レイラが差し出したのは、携行食と簡易の防瘴フィルター。

「前回、リルの服、すぐ汚れてたから……ちょっと多めに持ってきた。使うかわかんないけど」

「……ふぅん……」

 リルはそれを受け取り、言葉も無くただ、ポケットに入れる。

 だがその仕草は、どこか優しかった。

「今回は、“抑制と調査”……だったよね」

「ま、どうせまた変なのが出るだろ。そんな空気だったし」

「……怖くないの?」

「お前は?」

 問い返されたレイラは、少しだけ考えて──自分の胸元に手を置いた。

「怖くないって言ったら、嘘になるよ」

「だよな。オレも」

「……え? そうなの?」

 その一言に、ふたりはふと目を合わせて──。

「あなた、意外と素直」

「オレは基本、正直者」

「それ初めて聞いた」

「初めて言った」

 そして輸送車のドアが開く。

「搭乗確認完了。発進まで3分」

 と、職員の声がかかった。

「……じゃあ、行こっか」

 レイラが乗り込む。
 そのあとを、リルが無言で追う。

 静かなエンジン音が高まり、黒い車両は、ゆっくりと地を滑るように走り出した。

 向かう先は、ここより少し離れた地、凪裂谷なぎれつだに

 そこにはまだ見ぬ異常が、ふたりを待ち構えている。

 だが今のふたりには。
 前とは違う、ささやかな信頼があった。


 ◇


 凪裂谷・外縁域。

 黒い輸送車がゆっくりと停まった。

 扉が開くと同時に、空気が変わる。

「……うわ……」

 車外に降りたレイラが、思わず眉をひそめた。

 谷から吹き上がってくる風が、生ぬるくて重たい。普通の風とは違う、湿が混じったような気配。

 霧はまだ薄い。だが、足元の岩肌は微かに蒸気を帯びており、まるで大地そのものが呼吸しているようだった。

「瘴気くせえ。既に地層から出てるな」

 リルは解析端末に視線を落としながら呟く。

「……温度、濃度、どれも異常じゃねえが……空気が変だ。深部から漏れてきてる。……本命は、この下だ」

 レイラも頷く。

(地面が……動いてるみたい……)

 ほんの少し足を踏み出しただけで、岩の上にぬるりとした感触。
 苔でも、水気でもない。“生きているもの”に近い違和感。

「……観測班の報告だと、こっちの奥で小規模な崩落と咆哮音が確認されてる」

「ほ、咆哮音……?」

「空気振動だけが記録されてて、音声は取れてない。聞こえたはずの音が、ログに残ってねえんだと」

 レイラの背筋がぞくりとした。

 聞こえたはずなのに、残らない音。

 それはどこか、夢の中で何かを聞いたときのような──不確かで、だが確実に何かが呼んでいたという記憶に近かった。

「今回は、ただの瘴気調査じゃなさそうだな」

 リルは静かにマントの裾を整える。
 レイラも、フードを深く被った。

 風がまたひと吹き。
 そして、谷の奥から──。

 ──ギィ…………ギィ…………ギィ…………

 岩を引きずるような、不快な音が微かに聞こえてくる。

「……いたとしても、歓迎ムードじゃなさそうだね」

「上等だ。殴る理由ができた」

 ふたりの影が、谷の奥へと歩み出す。


 ◇


 凪裂谷・深層付近。

 崩落箇所の奥。
 緩やかに傾斜する通路の先に、洞窟のように口を開いた岩の裂け目があった。

「……ここ、かな?」

「観測班の位置ログだと、ここで最後にデータが途切れてる」

 レイラは解析端末を構えながら、洞窟へ一歩足を踏み入れる。

 その瞬間だった。

 ──ズン…………

 体の奥底が震えるような、鈍い振動。

「……なに……?」

「…………」

 鼓膜ではなく、骨に直接響いてくるような感覚。

 中へ進むと、そこには“何かの脱け殻”のようなものが、岩壁に張り付いていた。

 龍とも、獣ともつかない形。
 だが確実に、かつて“そこにいた”ものの残滓だ。

「これは……」

 レイラが近づこうとした、そのとき。

 ──たすけて……。

「っ……!?」

 誰かの声が、耳の奥で響いた。

「今の、……聞こえた……!?」

「……ああ……」

 振り返ると、リルの顔色も明らかに変わっている。

 ふたりの視界に、一瞬だけ“知らない誰か”の姿が、残像のように揺らいだ。

 男か女かもわからない。
 ただ、痛みに歪んだ顔と、血で滲んだような眼だけが、はっきりと焼きついた。

「……ッ、これ……記憶干渉……?」

「やべぇ、引っかかってる……ッ」

 岩壁の瘴気が再び濃くなる。

 解析端末が警告音アラートを鳴らした瞬間、一瞬、視界が

「……え……?」

 ──リルが見たのは、昔の記憶。

 飛び散る血。燃える家。
 手を伸ばしてくれた、誰か。
 
 そして──。

「……!?」

 レイラが見たのは、見たことのないはずの、誰かの絶望。

「……なに……!?」

 雨の中で立ち尽くす少女。
 自分とよく似た姿。
 だけど、その目は──何も映していなかった。

「ッく……!」

「おい、レイラ──!」

 次の瞬間、視界が断ち切られる。

 レイラは倒れた体勢から、ゆっくりと上体を起こした。

「……っ、頭……クラクラする……」

 口の中が乾き、体の感覚がどこか遠い。
 隣には、リルの姿があった。

「おい、大丈夫か」

「う、ん……ごめん。ちょっと、気持ち悪くて……」

 リルのその声が、少し遠くに感じた。

 視界の端に、がある。

(……え?)

 ほんの一瞬、リルの影が──大きく膨れ上がったように見えた。
 背中に、黒い瘴気のような“なにか”が蠢いている──。

(あれ? ……リル……?)

「お前、変な顔してるぞ」

 リルの視線は、レイラに向けられている。
 しかしリルのその目には、明らかにが映っていた。

「……あ……?」

(こいつ……、眼帯……してたよな?)

 リルの視界の中で、レイラの左目が剥き出しになっていた。
 真っ赤な虹彩に、爬虫類のように細く尖った瞳孔。

 “それ”が、じっとリルを見ていた。

「……ッ!」

 ほんの僅かに後退するリル。

「おい……お前……目……」

「……何?」

「左目……お前、いつ眼帯外した……?」

「……外してない、けど?」

 視線がぶつかる。

 ──お互いに、

 自分の感覚と、相手の言葉が食い違っている。

 それが何より、不気味だった。

(なに、これ……感覚のズレ……? それとも現実のズレ……?)

 レイラが思わず壁を手でなぞると、そこは確かに生き物のように脈打っている感じがした。

 しかしリルの目には、それはただの岩壁にしか見えていない。

「……チッ、これ……“思念干渉”入ってるぞ」

「思念……?」

「自分と相手の記憶を混ぜてくるタイプの干渉だ。……お前の目、オレがそう見たんじゃなくて、そういう記憶が混じって、オレにもそう映ってるってことかもな……」

 ふたりの頬を汗が伝う。

「そもそも、オレお前の左目見たことねえし」

「……じゃあ、私の目は……!」

「たぶん、いつも通りだ。お前が見てる“オレ”も、同じだろ? 何かが起きてるように見えてるかもしれねえが、実際にそれを見たことはねえだろ」

 レイラはもう一度リルを見た。

 ──黒い瘴気が、やはりその背中に揺れていた。

 見たことないものが見えている。
 でも、それは目の錯覚なのかもしれない。

(わからない……)

(今、私は何を信じればいいの……?)

 互いの視界が、違っている。

 感じている現実が、ズレていく。

 凪裂谷の奥。
 ここは、ただの瘴気発生源ではない──記憶と存在を歪める、なにかが潜んでいる場所だった。

「……は、はぁ……っ」

 レイラの呼吸が乱れ始める。

 思念干渉の波が途切れず、視界の隅で“誰か”が何度も微笑む。
 見知らぬ誰か──それが、自分の記憶からか、それとも他人の記憶か、もうわからない。

「レイラ……離れんな。声出せ。意識、こっちに戻せ」

 リルの声が聞こえる。

 だがその声にも、“何か別の音”が混ざっていた。
 低い音。獣のような唸り声。それが、リルの喉の奥から漏れているように感じる。

「……っ、なんで……そんな龍みたいな声……!」

「してねぇよ」

「うそ……聞こえて……るのに……!」

 レイラの視界が揺れる。

(わかってる、これは幻覚。幻聴……)

(……でも……)

 体が言うことを聞かない。

 リルもまた、焦りの色を滲ませていた。レイラの手が震え、足元がふらついている。

「……おい、やめろ。力、使うな」

「っ……!?」

 言われて初めて気づいた。

 自分の体の奥、なにか熱いものが蠢いている。

(龍の……力……?)

 押さえつけてきた“なにか”が、この場の異常によって、僅かに目を覚まそうとしていた。

 リルもまた、奥歯を食いしばっている。
 爪の先が、少しずつ変化しかけていた。

(クソ……この意味わかんねえ瘴気、オレにまで……)

 目を逸らす度、視界に“別の光景”がフラッシュする。

 指先が震える度、体の“異質な力”が沸き立つ。

 ふたりの中にある龍の力は、本来なら制御され、共存を目指すはずだった。

 ──だが今、それは確実に暴れようとしている。


 ◇


 龍調査機関・モニター室──。

「……予想通りだな」

 モニターを見つめながら、低く呟いたのはセセラ。

 隣でデータを操作していた別の職員が緊張した声で応える。

「龍反応、両名とも閾値接近……制御状態、やや不安定です」

「……まだ成熟してねえ。心も、力も。全然な」

 セセラはため息交じりに職員に指示を出した。

「あいつらの限界を測るには、ちょうどいい。……だが、深くなる前に手段は残しておけよ」

「……承知しました」

 セセラの瞳だけが、鋭く画面を見つめている。

わりぃな、ふたりとも……。この任務は、ただの調査じゃねえ。を、測る実験でもある)

 その事実を、当のふたりはまだ知らなかった。


 ◇


「──っ、……やだ……やめて……!」

 レイラの声が上ずっていた。

 岩壁に手をついたまま、レイラの体が震えている。

「おい……おい、レイラ」

「ちがう……私は、……私じゃない……っ」

 何かにすがるように、頭を抱えて蹲る。
 その異常な様子に、リルが僅かに息を呑んだ。

(……干渉、深く入りすぎてる)

「レイラ!! しっかりしろ!!」

 叫びながら腕を伸ばすリル。

 その手を、レイラは──弾いた。

「……あ゙?」

「──っ来ないでっ!!」

 瞳が揺れていた。

 見えていない。

 レイラの視界の中でそこにいるのは、リルではなく、“知らない誰か”だった。

「……チッ……!」

 リルは、その場で足を止める。

(ダメだ……イラつくな、動かすな、刺激すんな……!)

 自分で自分を落ち着かせる。
 しかし、その時だった。

 ──ギィ……

 岩の奥から、重たく軋むような音。

 ひとつ、またひとつ。

 ──ズ……ズズ……

 鈍く、濡れた音を伴って、谷の奥から“なにか”が這い出してくる。

 瘴気が濃くなる。
 視界の端が、ぬるりと揺れ始める。

「……ッ」

 リルの体にも、異変が起こり始めていた。

(まずい、……レイラが……崩れる)

(だったら……)

「レイラ!! オレだ! リルだ!!」

「……!」

 その声は、確かに届いた。
 
 蹲った少女の肩が、びくりと震える。

「──っ……リル……?」

「そうだ! お前はオレの声だけを聞け! 見てるもんがバラバラでも……オレの声だけを信じろ!」

 その叫びと同時に。

 ──ズズズ……

 その後ろから、“巨大な影”がぬるりと岩壁を滑りながら現れた。

 異形の本体──。

 四つ脚の胴体。
 骨のように露出した外殻と、歪んだ人の顔のような、仮面にも見える頭部。

 目は無い。
 だが確かに、

「レイラ……立て。来るぞ、本物が」

 その言葉に、レイラの瞳に再び焦点が戻っていく。

 ぐっと、歯を食いしばって顔を上げた。

「う、ありがとう……行こう、リル」

「……ん」

 瘴気の中で、ふたりの影が再び重なった。

 ──敵は、これまでとは違う。

 ふたりの精神を崩すために現れたような存在。
 それが、今ここに姿を現した。

 ──ズズ……ズ……ッ……

 本体が動く度、微かに震える地面。

 レイラとリルの前に立ちはだかるそれは、目の無い仮面のような頭部を静かにこちらへ向ける。

 そして──響いた。

『──おまえは……誰だ』

「っ……!?」

 レイラが肩をすくめる。

『──おまえの“名前”は、本当にそれか……?』

 それは声ではなかった。

 耳で聞くものではなく、思考の中に直接落とされる音。

 記憶と記憶の間に、水を垂らすように──。

『──……レイラ……。お前は普通の子になりたかったのか……?』

「……っ、やめろ……!」

『──でも、お前は普通と違う。お前の目が証明している』

 レイラの左目がビリビリと疼いた。
 まるで、抉られるような不快感。

(私の……目……っ)

『──お前の“人間の名前”など意味は無い。お前は“龍”でしかない』

「黙れッ!!」

 レイラが叫ぶと同時に、その干渉がリルにも向かう。

『──そしてリル……。お前は、まだ気づいていない。お前が誰を殺したか……』

「……ッ!」

 血が逆流するような感覚。

 かつて、少年だった頃の記憶。
 血にまみれた自分。
 引き裂かれた叫び。

 それが、鮮やかに脳裏を過る。

「……うぁ……ッ……」

(違う…………違う、……違うッ……!)

『──お前が死んだのではない。“お前が、自分を殺した”のだ』

「グルルルッ……」

 リルの喉の奥から、獣のような低い唸り声。

「……ガル゙ル゙ルッッ…………!!」

 龍の本能。

 体の奥から、血のように滲み出す怒りが目覚めていく。

「ぐ、ッ、テメェ……オレの中、勝手に探りやがったな……!!」

 牙が剥き出しになり、リルの瞳から赤い残光が走った。

「そのうるせえ口、黙らせてやる!!」

 レイラも、リルの背中に並び立つ。

「私の名前はレイラだ!! それを否定するなッ!!」

『──……そうか。ならば、お前たちが“何者”か……』

『──見せてみろ』

 瞬間。

 仮面の頭部が、音を立てて裂けた。
 裂け目の中から無数の触手が一斉に飛び出し、瘴気と共に襲いかかる。

「来るぞ……ッ!!」

「う……!!」

 リルはそのひとつを素手で裂きながら、本能の唸りを深く響かせた。

 レイラも解析用エネルギーブレードを起動。刃に龍因子りゅういんしに作用するエネルギーを展開させる。

(私が、自分が、何者か。その問いに……戦って、答えてやる!!)

 異形との激突。

 鞭のようにしなる触手がリルを目掛けて高速で放たれる。

「ッ……クソッ……!!」

 その1本を素手で掴み、地面へと叩きつける。だが、それはすぐに形を変えて再び迫ってきた。

(実体が定まってねぇ……)

 リルは即座に後方へ跳び、マントを翻す。

「……めんどくせえ……!!」

 バキバキと音を出しながら右手を龍化させた。
 現れた鋭利で大きな赤い爪が、獣のように閃く。

(斬っても、裂いても、感触が希薄だ……。オレらの精神への攻撃が混ざってやがる)

「レイラ、あんまり離れんなッ!! ぞ!!」

「わかってる……!」

 レイラの手には、ブレード
 それで触手を弾きながら、距離を保つ。

(動きが……普通じゃない……!)

 視界が一瞬揺らぎ、触手が“子供の腕”に見えた。

「ッ!! っ、違う……これは、偽物──!」

 歯を食いしばり、刃を一閃。

 それでも幻影は消えず、まるで記憶が形を取って襲いかかってくるようだった。

「……う……!!!」

(やられる……心を食われる──!!)



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