神子の余分

朝山みどり

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ハイタック王国 2

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魔法士団長は神子の力が落ちているのを感じていた。今の神子の力はかろうじて魔法士になれる程度だ。

浄化が出来るようになったとハロルド王子が口にしているが、あの力ではたいした事は出来ないだろう。

このまま浄化の旅に出ても、たいしたことは出来ない。


それよりも、あの襲撃のときのオオヤナギのことが、忘れられなかった。

騎士団と魔法士団の中を、かいくぐって逃げていった。神子は彼のほうだ。神殿が間違えたのだ。


近々魔獣討伐に慣れる為に、神子と狩場に行く計画がある。神子と騎士団が揃えば危険はないだろうが、今後を考えれば関わりをなくした方がいい。


それで、魔法士団団長はハロルド王子に伝えた。

「そろそろ神子様は魔物の討伐に出て大丈夫です。そこで慣れたら浄化の旅に出発すればいいでしょう。

まず騎士団と一緒に近くの魔物を狩りにいけば良いですね。騎士団がいれば安全です。神子の力が霞むので魔法士団は遠慮しますね」

「なるほど、わかっているな。ミツルギがいれば団長も形無しってことだな。神子の力を見せつけよう」

そうやって、神子の演習が決まった。

ハロルド王子の同行は、土壇場で取りやめになった。王妃が涙ながらに止めたからだ。


そして、騎士団を護衛に、神子は魔物の討伐に出かけた。

騎士団たちが向かった先は、強い魔物のいない初心者の狩場だったが、瘴気の影響で魔物が強くなっていた。

そこで騎士団達は、壊滅的な被害を受けた。

神子もその時に大怪我を負った。救援の要請を受けた魔法士団は、到着して、必死で怪我をした騎士団を助けた。だが、神子は大きな火傷を負ってしまった。

神殿の助けで怪我は治ったが火傷のあとは綺麗に消えなかった。

折れた腕も外見はきれいになったが、元のように動かすことは出来なかった。

王宮は神殿を非難したが、神殿はこう言った。


神子は二人召喚されました。王宮はミツルギ様を神子として扱っておられましたが、神殿はオオヤナギ様を大切にして指導させていただいておりました。オオヤナギ様はお部屋で読書して、庭で技術を磨いておられました。

わたくしどもは、オオヤナギ様こそ真の神子様ではないかと思っておりました。少なくともおこころは、慈愛に満ちたお方でした。

わたくしどもが大切にしているオオヤナギ様をハロルド王子殿下がミツルギ様のもとに呼び寄せて、ひどい仕打ちをしていたことは存じています。オオヤナギ様の身分は神官見習いに過ぎません。わたくしどもが庇うにも限界がございました。

そして、あの襲撃の日。王宮に乗せられた見習いたちが・・・そしてあの日、オオヤナギ様を心無い者たちが、襲撃しました。わたくしどもがオオヤナギ様を守ろうとしておりましたら、オオヤナギ様はわたくしどもが巻き込まれて怪我をしないように、離れて下さいました。そして、王宮の仕打ちに耐え切れなかったのでしょう。ここを去ってしまわれました。

王宮が非道なことをしなければ、オオヤナギ様は瘴気の浄化に協力して下さっていましたよ。あの襲撃事件の時、王宮に協力したものは罰を与えております。

オオヤナギ様を探すために神殿は努力しております。見つかる!必ず見つかると思います。

神殿が大切に育てたのはオオヤナギ様です。ミツルギ様は気の毒ですが、騎士団が一緒にいて守れなかったのですよ。なにをしていたのでしょうね。

もちろん、神殿は毎日、ミツルギ様の治療に参りますよ。出来るだけのことは致します。

神殿はオオヤナギ様は必ず帰って下さると信じて待ちます。それでは、失礼します。
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