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4 エヴァンの秘密の思い
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「エヴァン、お兄様……?」
なんて可愛い子なんだろう。アリシアを見た時に一番最初に思ったことはそれだった。
フェンルース家の夜光姫、アリシアの美貌は末端貴族の私の耳にも入っていた。元々美しい人だと言われていたアダム・フェンルース侯爵とその妻ナリシア様の一人娘のアリシア。フェンルース家は美しい人を輩出する家系なのは有名だが、妖精だとか幻影だとか言われるくらい今代のフェンルース家は凄まじかった。
会えるのは新年の挨拶時と国王陛下の誕生パーティくらい。それくらいの頻度でしか社交界に顔を出さない。どういうことかと思い蓋を開けてみれば、毎日一家の誰かが寝込んでいる。
「情けない……アリシアの誕生日パーティを盛大に開いてやる事も出来ない」
「お父様、大丈夫よ。去年は結局私が熱を出してパーティどころじゃなかったし」
「その前は私が倒れたわね……ごめんなさい、アリシアちゃん」
平民とさほど変わらぬくらい腕白に育って来た私にはとても信じられなかったが、本当にすぐ倒れてしまうのだから、血筋とは恐ろしい物だと思った。一生懸命予防してもげほげほと咳込んでいることが多い。
「これでもマシになったんだよ。アリシアが色々工夫してくれてね。苦い薬湯もみんなで飲めば怖くない! あ、元気なエヴァンは飲まなくても大丈夫だけど、飲んでみる?」
「え?」
試しに舐めてみた薬湯とやらはもう二度と口にしたくない味だった。その苦い薬湯をまだ小さなアリシアも頑張って飲んでいる。
「本当ならエヴァンとアリシアが結婚してこの家を継いで欲しい所なんだが、アリシアに侯爵夫人は無理だろう……私達がわがままをしたせいであの子には申し訳ない血の運命を背負わせてしまった」
それ程までにアリシアはか弱く、いつでも消えてしまいそうだった。それなのに目をキラキラさせて私を見上げて来た。なんて、可愛いんだ!
「わ、私にお兄様が出来たのね。素敵、カッコいいわぁ」
「あ、ありがとう。よろしくお願いします」
紹介された後に
「うーん、子供の頃もいけめーん……さっすがぁ……」
「アリシアお嬢様?!」
そのまま倒れて3日も寝込んだのは驚いたが、今は慣れた。
「おい、来たぞ。フェンルースの夜光姫だ」
「幻の妖精姫?!見たい見たい」
「わっ!白い、細い!」
「可愛いな……流石フェンルース」
フェンルース家の馬車は人目につく。でも使わない訳にはいかないし、アリシアも注目を浴びる存在だ。今は転ばないように馬車から降りるのに必死で周りの声は聞こえていないが、そのうち気がつくだろう。アリシアは自分で思っている以上に皆の注目を集める存在だということに。
……やはり学園は危険ではないのか??
「お兄様?」
「ああ、救護室の場所を確認しに行こう」
早く人目からアリシアを隠さなくては。
「エヴァン様も素敵だけれど、アリシア様は本当に可愛いのね」
「体が弱いからと言って王太子殿下からの婚約者の件も断ったらしいじゃないか」
「今も婚約者がいないんだろう? もしかして、私でも立候補出来るかな?」
「エヴァン・フェンルースに勝てないとそれは無理だろうよ」
「厳しいなぁ、それ」
アリシアには知られていないが今日も数多の婚約願いの釣り書がフェンルース家には届いている。どれも送り元の名前をリストに入れてから焚書しているが、懲りない奴らも多い。
「まったく、虫は悪い病気を連れてくるというのに」
「え? 私は虫も病気も嫌いですけど」
「私もだよ」
悪い虫は早めに潰さないとな。私は全力でアリシアを守りたい……何者からも。
なんて可愛い子なんだろう。アリシアを見た時に一番最初に思ったことはそれだった。
フェンルース家の夜光姫、アリシアの美貌は末端貴族の私の耳にも入っていた。元々美しい人だと言われていたアダム・フェンルース侯爵とその妻ナリシア様の一人娘のアリシア。フェンルース家は美しい人を輩出する家系なのは有名だが、妖精だとか幻影だとか言われるくらい今代のフェンルース家は凄まじかった。
会えるのは新年の挨拶時と国王陛下の誕生パーティくらい。それくらいの頻度でしか社交界に顔を出さない。どういうことかと思い蓋を開けてみれば、毎日一家の誰かが寝込んでいる。
「情けない……アリシアの誕生日パーティを盛大に開いてやる事も出来ない」
「お父様、大丈夫よ。去年は結局私が熱を出してパーティどころじゃなかったし」
「その前は私が倒れたわね……ごめんなさい、アリシアちゃん」
平民とさほど変わらぬくらい腕白に育って来た私にはとても信じられなかったが、本当にすぐ倒れてしまうのだから、血筋とは恐ろしい物だと思った。一生懸命予防してもげほげほと咳込んでいることが多い。
「これでもマシになったんだよ。アリシアが色々工夫してくれてね。苦い薬湯もみんなで飲めば怖くない! あ、元気なエヴァンは飲まなくても大丈夫だけど、飲んでみる?」
「え?」
試しに舐めてみた薬湯とやらはもう二度と口にしたくない味だった。その苦い薬湯をまだ小さなアリシアも頑張って飲んでいる。
「本当ならエヴァンとアリシアが結婚してこの家を継いで欲しい所なんだが、アリシアに侯爵夫人は無理だろう……私達がわがままをしたせいであの子には申し訳ない血の運命を背負わせてしまった」
それ程までにアリシアはか弱く、いつでも消えてしまいそうだった。それなのに目をキラキラさせて私を見上げて来た。なんて、可愛いんだ!
「わ、私にお兄様が出来たのね。素敵、カッコいいわぁ」
「あ、ありがとう。よろしくお願いします」
紹介された後に
「うーん、子供の頃もいけめーん……さっすがぁ……」
「アリシアお嬢様?!」
そのまま倒れて3日も寝込んだのは驚いたが、今は慣れた。
「おい、来たぞ。フェンルースの夜光姫だ」
「幻の妖精姫?!見たい見たい」
「わっ!白い、細い!」
「可愛いな……流石フェンルース」
フェンルース家の馬車は人目につく。でも使わない訳にはいかないし、アリシアも注目を浴びる存在だ。今は転ばないように馬車から降りるのに必死で周りの声は聞こえていないが、そのうち気がつくだろう。アリシアは自分で思っている以上に皆の注目を集める存在だということに。
……やはり学園は危険ではないのか??
「お兄様?」
「ああ、救護室の場所を確認しに行こう」
早く人目からアリシアを隠さなくては。
「エヴァン様も素敵だけれど、アリシア様は本当に可愛いのね」
「体が弱いからと言って王太子殿下からの婚約者の件も断ったらしいじゃないか」
「今も婚約者がいないんだろう? もしかして、私でも立候補出来るかな?」
「エヴァン・フェンルースに勝てないとそれは無理だろうよ」
「厳しいなぁ、それ」
アリシアには知られていないが今日も数多の婚約願いの釣り書がフェンルース家には届いている。どれも送り元の名前をリストに入れてから焚書しているが、懲りない奴らも多い。
「まったく、虫は悪い病気を連れてくるというのに」
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「私もだよ」
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