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虎
32 俺の出番かな?
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「炭ってありますか?」
「炭ってなんですか?」
調理場に行って聞き返された。ありゃ!
「あわーーーー!!!」
ギアナ様のお屋敷では色々な人が働いている。
普通に働いている人。執事さんとか、料理長さんとか。
そのほかにいるのが、俺みたいな「仕事を学んでいる人」だ。執事さんには執事見習いがついていて、メイドさんにはメイド見習い。
俺はギアナ様の仕事の補佐見習いだ。今は書類の整理とか簡単な事を覚えている。
その中でほんの10日前に入ったメイド見習いちゃんがやらかした。
がしゃがしゃがしゃーーーん!!!
物凄く派手な音が響いて、近くにいた人が全員飛んできた。
「なんだ!」「どうした!」
「ふええええーーー!ごめんなさいーーーー!」
「うわ」
俺も思わず引いた。
ガラスのワイングラス10脚、全滅だ。
その場にいた人は全員青い顔をした。彼女を指導していたメイドは貧血を起こして倒れた。
ヤバイ。俺でも分かるヤバさだ。
この世界で、ガラスの食器はヤバイくらい高い。1脚で彼女の一年分くらいの給料になるかもしれない。
多分、ギアナ様は怪我はなかったか?と聞いて、後は許してくれるだろう。わざとじゃないのは分かっているから。
分かっているから、皆んな青い顔をしているのだ。
こっ酷く叱られた方が罪悪感が少ない……そういう事態だ。
「あわ……あわ……!どうしたら……!」
見習いちゃんは右往左往するしか無かった。
うん、もう俺の出番だよね。
「あの、割れたガラス俺が貰っても良いですか?」
「リト、どうするつもりだい?」
「多分、大丈夫だと思うので、サラやん。どう?」
くわ、頭の上にいたサラやんはギアナ様の前でしか喋らない。
もうちょい火力欲しい
で、炭が欲しかったのだが……なかった!
まあ、行けるやろ!
久しぶりなので俺はワクワクして来た。屋敷の庭の隅っこの石の上に座り込んだ。
アイテムボックスから携帯溶鉱炉を取り出す。中に使いかけのガラスが残っていたので取り出して、割れたガラスを全部放り込む。
「サラやん、お願い」
「よっしゃーまかしとき!」
ぴょん、と小さな溶鉱炉に飛び込んだ。ごうっ!と良い音がしてサラやんがかっこいい姿に変わって行く。
「つるつるしたトカゲも、可愛いんだけどね!」
「ワイはいつでもかっこええし、可愛いんやで!」
炎を纏ってマグマをまとったようになるサラやんはサラマンダー感がして怪獣のようでかっこいい!
そのうちサラやんの置物とか作ってみたい!
「リトー溶けて来たけど、いらんもん結構入っとる燃やしてええか?」
「うん。折角だから透明にしよっか」
真っ赤に溶けたガラスがこっちを見ている。ボックスからペンチや手袋、道具の一式を取り出した。
「久しぶりだからなー大丈夫かなぁ」
「やってみな分からん」
そうだね!流石サラやん、分かってる。
「さあ、みんな。元のグラスに戻っておくれ!また10個だ。キラキラきれいなグラスになーれ」
くるくると溶鉱炉の中をかき混ぜると、多分一つ分のグラスに使うガラスが絡み付いて来る。
「うんうん、よっと……あっ!」
カラン。棒を落としてしまう。
「……あう……」
左手に力が入らない。支えていた指が欠けてしまったし、まだ少し痛む。
「もっかいやで、リト。何回でもやり直せばええんや。ガラスやからな!溶けたら元通りやで!」
「……ありがとう、サラやん」
落とした時に着いた砂やゴミはサラやんの高熱で燃えてしまう。ザックがのっそり顔を出して、焦げた土をペタペタと元に戻してくれた。
ぴゅーやんが風を送ってサラやんの火力を底上げしてくれる。
「もう一回…持ち上げて……あっ!」
カラン。前からの癖が抜けない。
「リト、はよ戻しい」
「あ、うん」
落とした棒をザックが持ちあげている。
「ありがとう」
ザックは茶色のモグラのような姿で手がとても大きい。長い鼻をひくひくさせて、目を細めた。
「上手く行かないや……」
「ええんやで!わいらはリトがガラスをやろうって思ったことだけで嬉しいんや!なあリト。燃えるガラスはきれいやな!あっつくて楽しいな!」
「熱くて楽しいのはサラやんだけだよー」
そうやな!わはは!サラやんが笑うと炎も大きくなった。
「リトが元気になるのが、私たち嬉しーの!」
ぴゅーやんが喋る。あれ?喋れたんだ!
「僕もいるのよー」
靴の上にザックが乗っかって、コロリと転がった。
「リトといると楽しいのー。何か作るの楽しーのー」
のーんびり、ザックは転がっている。
俺はなんて優しい奴らに囲まれているんだろう!
「よし!もう一回やってみるね!」
何度も何度も棒を落とした。ガラスを膨らませるのも失敗してやり直した。
「で、出来たー!」
「お!ええ出来やな!」
透明度の高いグラスが完成した。
「あと9脚だけど、一回作ったら簡単なんだよね!へへっ!さー皆んなやっちゃおう!」
ガラス達もご機嫌で元に近い形になりたがったから楽だった。
「あ、余った。なんで?」
10脚作り終わった時点でサラやんが入ってる溶鉱炉の中にまだ溶けたガラスが入っている。
「あれやな、元のやつより薄くなったんちゃうん?」
「んー?そうかな?あ、そうだ」
残ったガラスを取り出す。
「ここをこうして、こうして」
普通はさわれない真っ赤なガラスだが、俺はある程度自由に形作れる。この辺が職人っぽい!
「ここが顔で、こっちが体でふっとい尻尾」
こねこね、こねこね。
「座ってる格好にしたら、紙を押さえるペーパーウェイトになるでしょ。ザック、ぴゅーやん、あれやって!」
「「はーい」」
細かい砂を吹き付ける。サンドブラストの要領で白いザラザラにして行く。
「模様の所は透明にしたままで……出来た!」
「虎?」
「なかなか上手いでしょ……うわ?!」
後ろからギアナ様が覗き込んでいた。
「炭ってなんですか?」
調理場に行って聞き返された。ありゃ!
「あわーーーー!!!」
ギアナ様のお屋敷では色々な人が働いている。
普通に働いている人。執事さんとか、料理長さんとか。
そのほかにいるのが、俺みたいな「仕事を学んでいる人」だ。執事さんには執事見習いがついていて、メイドさんにはメイド見習い。
俺はギアナ様の仕事の補佐見習いだ。今は書類の整理とか簡単な事を覚えている。
その中でほんの10日前に入ったメイド見習いちゃんがやらかした。
がしゃがしゃがしゃーーーん!!!
物凄く派手な音が響いて、近くにいた人が全員飛んできた。
「なんだ!」「どうした!」
「ふええええーーー!ごめんなさいーーーー!」
「うわ」
俺も思わず引いた。
ガラスのワイングラス10脚、全滅だ。
その場にいた人は全員青い顔をした。彼女を指導していたメイドは貧血を起こして倒れた。
ヤバイ。俺でも分かるヤバさだ。
この世界で、ガラスの食器はヤバイくらい高い。1脚で彼女の一年分くらいの給料になるかもしれない。
多分、ギアナ様は怪我はなかったか?と聞いて、後は許してくれるだろう。わざとじゃないのは分かっているから。
分かっているから、皆んな青い顔をしているのだ。
こっ酷く叱られた方が罪悪感が少ない……そういう事態だ。
「あわ……あわ……!どうしたら……!」
見習いちゃんは右往左往するしか無かった。
うん、もう俺の出番だよね。
「あの、割れたガラス俺が貰っても良いですか?」
「リト、どうするつもりだい?」
「多分、大丈夫だと思うので、サラやん。どう?」
くわ、頭の上にいたサラやんはギアナ様の前でしか喋らない。
もうちょい火力欲しい
で、炭が欲しかったのだが……なかった!
まあ、行けるやろ!
久しぶりなので俺はワクワクして来た。屋敷の庭の隅っこの石の上に座り込んだ。
アイテムボックスから携帯溶鉱炉を取り出す。中に使いかけのガラスが残っていたので取り出して、割れたガラスを全部放り込む。
「サラやん、お願い」
「よっしゃーまかしとき!」
ぴょん、と小さな溶鉱炉に飛び込んだ。ごうっ!と良い音がしてサラやんがかっこいい姿に変わって行く。
「つるつるしたトカゲも、可愛いんだけどね!」
「ワイはいつでもかっこええし、可愛いんやで!」
炎を纏ってマグマをまとったようになるサラやんはサラマンダー感がして怪獣のようでかっこいい!
そのうちサラやんの置物とか作ってみたい!
「リトー溶けて来たけど、いらんもん結構入っとる燃やしてええか?」
「うん。折角だから透明にしよっか」
真っ赤に溶けたガラスがこっちを見ている。ボックスからペンチや手袋、道具の一式を取り出した。
「久しぶりだからなー大丈夫かなぁ」
「やってみな分からん」
そうだね!流石サラやん、分かってる。
「さあ、みんな。元のグラスに戻っておくれ!また10個だ。キラキラきれいなグラスになーれ」
くるくると溶鉱炉の中をかき混ぜると、多分一つ分のグラスに使うガラスが絡み付いて来る。
「うんうん、よっと……あっ!」
カラン。棒を落としてしまう。
「……あう……」
左手に力が入らない。支えていた指が欠けてしまったし、まだ少し痛む。
「もっかいやで、リト。何回でもやり直せばええんや。ガラスやからな!溶けたら元通りやで!」
「……ありがとう、サラやん」
落とした時に着いた砂やゴミはサラやんの高熱で燃えてしまう。ザックがのっそり顔を出して、焦げた土をペタペタと元に戻してくれた。
ぴゅーやんが風を送ってサラやんの火力を底上げしてくれる。
「もう一回…持ち上げて……あっ!」
カラン。前からの癖が抜けない。
「リト、はよ戻しい」
「あ、うん」
落とした棒をザックが持ちあげている。
「ありがとう」
ザックは茶色のモグラのような姿で手がとても大きい。長い鼻をひくひくさせて、目を細めた。
「上手く行かないや……」
「ええんやで!わいらはリトがガラスをやろうって思ったことだけで嬉しいんや!なあリト。燃えるガラスはきれいやな!あっつくて楽しいな!」
「熱くて楽しいのはサラやんだけだよー」
そうやな!わはは!サラやんが笑うと炎も大きくなった。
「リトが元気になるのが、私たち嬉しーの!」
ぴゅーやんが喋る。あれ?喋れたんだ!
「僕もいるのよー」
靴の上にザックが乗っかって、コロリと転がった。
「リトといると楽しいのー。何か作るの楽しーのー」
のーんびり、ザックは転がっている。
俺はなんて優しい奴らに囲まれているんだろう!
「よし!もう一回やってみるね!」
何度も何度も棒を落とした。ガラスを膨らませるのも失敗してやり直した。
「で、出来たー!」
「お!ええ出来やな!」
透明度の高いグラスが完成した。
「あと9脚だけど、一回作ったら簡単なんだよね!へへっ!さー皆んなやっちゃおう!」
ガラス達もご機嫌で元に近い形になりたがったから楽だった。
「あ、余った。なんで?」
10脚作り終わった時点でサラやんが入ってる溶鉱炉の中にまだ溶けたガラスが入っている。
「あれやな、元のやつより薄くなったんちゃうん?」
「んー?そうかな?あ、そうだ」
残ったガラスを取り出す。
「ここをこうして、こうして」
普通はさわれない真っ赤なガラスだが、俺はある程度自由に形作れる。この辺が職人っぽい!
「ここが顔で、こっちが体でふっとい尻尾」
こねこね、こねこね。
「座ってる格好にしたら、紙を押さえるペーパーウェイトになるでしょ。ザック、ぴゅーやん、あれやって!」
「「はーい」」
細かい砂を吹き付ける。サンドブラストの要領で白いザラザラにして行く。
「模様の所は透明にしたままで……出来た!」
「虎?」
「なかなか上手いでしょ……うわ?!」
後ろからギアナ様が覗き込んでいた。
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