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海へ
51 白虎型爆弾
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「海の王国……人魚共め……殺す……」
「ひぃ!!」
気配に敏感な獣人だけでなく、人間も皆縮み上がった。怒りで毛が逆立って、低く低く唸り声を上げている。
「う……っ」
私ですら恐ろしくて声をかけられなかった。本気で物凄く本気でギアナ様は怒っている。
あんなに大事に大事にして、泣く泣く旅に出した可愛い可愛いリトさんを海の中に拉致されたのだから……。
お願いだ!リトさん!早く帰ってきてください!この街の人が全員恐怖の余り心臓麻痺で死んじゃう前に、この怒れる白虎を鎮めてくださいいいい!
ギリッ!心臓を止める力でもありそうな眼光が私を射抜く!きっとリトさんの事を考えていたからだ!怖い!怖すぎて魂が逃げ出しそうだ。
あんな浅瀬にクラーケンを二体も呼び出せるのは人魚族しか居ない。そしてこの辺りは取引のある海の王国のみ。
ギアナ様の怒りは全て海の王国へ向いた。
海の王国よ、すまんが死んでくれ。
海の王国への物資を断って数日。ジーレン様もフォルター様もレックス様も海の王国に商品を送らない。
何せ全員リトさんがお気に入りだ。
ギアナ様のリトさん作品集から何点か譲ったとか聞いたがまあ、しょうがないことなのだろう。
人魚の商人から苦情が上がってきたが訳を話すと真っ青な顔をして急いで帰って行った。向こうも事情があるんだろうけど、ギアナ様の怒りは収まらない。
あの日から一睡も出来ないようだ。
早く帰ってきてくれ!リトさん!触れば大爆発を起こしそうな白虎型爆弾を何とかしてくれーーー!
数日後、庭の土がもこもこと盛り上がって、もぐらにしてはでかい何かが現れた。
「ザック!!!」
ギアナ様は三階からひらりと飛び降りた。音もなく降り立って、土を巻き上げながら駆け寄ると、物凄い勢いでそれを掴み上げる。
「リトは!リトはどこだ?!」
ぐきゅぅ……っもぐらは変な声を上げて気絶したようだ。あの握力に一瞬で締め上げられたら、人間でもひとたまりもない。
「やっぱり人魚は全員殺そう」
虚な目が物騒な判断を下していた。私は私の命が惜しいので、肯定も否定もしないでおいた。
締め殺されかけたもぐら君はリトさんが無事である事を伝えてくれた。もぐら君喋れたんだね。
リトさんが無事!神は私たち街の人に慈悲をくれたようだ。良かった!拾った命は大事にしよう、心に誓った。
リトさんに手紙と執事さんが大量の飴をもぐら君改めザック君に渡し、ぷりぷりとお尻を振りながら穴を大きくしながら帰るのを見送った後、ギアナ様はその場に大の字になって寝てしまった。
そして、目を覚ますと大きくなった穴をしょっちゅう覗き込んで、音を聞いたり、匂いを嗅いだりしていた。
「音がする!」
ぴょんと穴に飛び込んでしまった。……今までよく我慢したと言っておくか……。
かなり時間が経ってから、大人の男が6人顔を出した。行方不明になっていた人達で、炎の塊が入った瓶を持っていた。
「リトさんとギアナ様は?!」
「リトは俺たちを先に行かせたんだ!このイフリートさま?をよろしくって!それをあの虎の人に教えたら……人から虎になって物凄い勢いで降っていった!」
なんと?!リトさんは遅れているのか……。嫌な予感は少しするが、ギアナ様が居れば。
ん?あれ?私はとんでもない事をしてしまったのではないだろうか?
散々お預けを食らった飢えた虎の前に大好物を差し出してしまったのでは……?
……ごめんね、リトさん。私達は君がどんな姿で現れても歓迎だよ!
「お、お風呂でも用意しておきましょうか……」
とりあえず、私は安堵のため息を漏らした。
「ひぃ!!」
気配に敏感な獣人だけでなく、人間も皆縮み上がった。怒りで毛が逆立って、低く低く唸り声を上げている。
「う……っ」
私ですら恐ろしくて声をかけられなかった。本気で物凄く本気でギアナ様は怒っている。
あんなに大事に大事にして、泣く泣く旅に出した可愛い可愛いリトさんを海の中に拉致されたのだから……。
お願いだ!リトさん!早く帰ってきてください!この街の人が全員恐怖の余り心臓麻痺で死んじゃう前に、この怒れる白虎を鎮めてくださいいいい!
ギリッ!心臓を止める力でもありそうな眼光が私を射抜く!きっとリトさんの事を考えていたからだ!怖い!怖すぎて魂が逃げ出しそうだ。
あんな浅瀬にクラーケンを二体も呼び出せるのは人魚族しか居ない。そしてこの辺りは取引のある海の王国のみ。
ギアナ様の怒りは全て海の王国へ向いた。
海の王国よ、すまんが死んでくれ。
海の王国への物資を断って数日。ジーレン様もフォルター様もレックス様も海の王国に商品を送らない。
何せ全員リトさんがお気に入りだ。
ギアナ様のリトさん作品集から何点か譲ったとか聞いたがまあ、しょうがないことなのだろう。
人魚の商人から苦情が上がってきたが訳を話すと真っ青な顔をして急いで帰って行った。向こうも事情があるんだろうけど、ギアナ様の怒りは収まらない。
あの日から一睡も出来ないようだ。
早く帰ってきてくれ!リトさん!触れば大爆発を起こしそうな白虎型爆弾を何とかしてくれーーー!
数日後、庭の土がもこもこと盛り上がって、もぐらにしてはでかい何かが現れた。
「ザック!!!」
ギアナ様は三階からひらりと飛び降りた。音もなく降り立って、土を巻き上げながら駆け寄ると、物凄い勢いでそれを掴み上げる。
「リトは!リトはどこだ?!」
ぐきゅぅ……っもぐらは変な声を上げて気絶したようだ。あの握力に一瞬で締め上げられたら、人間でもひとたまりもない。
「やっぱり人魚は全員殺そう」
虚な目が物騒な判断を下していた。私は私の命が惜しいので、肯定も否定もしないでおいた。
締め殺されかけたもぐら君はリトさんが無事である事を伝えてくれた。もぐら君喋れたんだね。
リトさんが無事!神は私たち街の人に慈悲をくれたようだ。良かった!拾った命は大事にしよう、心に誓った。
リトさんに手紙と執事さんが大量の飴をもぐら君改めザック君に渡し、ぷりぷりとお尻を振りながら穴を大きくしながら帰るのを見送った後、ギアナ様はその場に大の字になって寝てしまった。
そして、目を覚ますと大きくなった穴をしょっちゅう覗き込んで、音を聞いたり、匂いを嗅いだりしていた。
「音がする!」
ぴょんと穴に飛び込んでしまった。……今までよく我慢したと言っておくか……。
かなり時間が経ってから、大人の男が6人顔を出した。行方不明になっていた人達で、炎の塊が入った瓶を持っていた。
「リトさんとギアナ様は?!」
「リトは俺たちを先に行かせたんだ!このイフリートさま?をよろしくって!それをあの虎の人に教えたら……人から虎になって物凄い勢いで降っていった!」
なんと?!リトさんは遅れているのか……。嫌な予感は少しするが、ギアナ様が居れば。
ん?あれ?私はとんでもない事をしてしまったのではないだろうか?
散々お預けを食らった飢えた虎の前に大好物を差し出してしまったのでは……?
……ごめんね、リトさん。私達は君がどんな姿で現れても歓迎だよ!
「お、お風呂でも用意しておきましょうか……」
とりあえず、私は安堵のため息を漏らした。
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