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海へ
53 空気を読みまくる子供
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全てのパーツが垂れ下がったでかい白虎の上にリトさんと、人魚の子供が乗ってでて来たのはかなり遅くなってからだった。
「ただいま戻りました!みんなは先についてますか??」
「リトーーー!無事だったかーーー!」
6人に揉みくちゃにされて、リトさんは大笑いしている。
「無事で良かったですね?ギアナ様?」
「……がう……」
何があったか知らないが、やはりリトさんは最強なのかもしれない。私、マルスはリトさんには逆らわないようにしようと心に誓った。
「ほら!ジュール。謝って!」
「……ごめんなさい……閉じ込めてごめんなさい。連れて行ってごめんなさい……たくさんガラス作ってくれてありがとう……」
ポロポロと涙を零しながら、ジュールは一生懸命に謝った。謝って許して貰えるかどうかは分からないけど、ジュールに出来ることは謝る事だけだから。
「どういう事だぁ?リト」
「この子があの人ですよ、ジモンさん」
「はあ?!ガキじゃねーか!!」
みんなそう思うよねー!俺もびっくりした。
「まずは食事や風呂などいかがでしょう?リトさんやジュールさん?も着替えた方が良いでしょうね?」
マルスさんの声に俺はそうですね!と振り返った。この人、結構冷静なアドバイスをくれるからありがたい!
俺の服はギアナ様にじゃれつかれてぼろぼろだし、ジュールは大人の格好をしていた時に着ていた上のシャツをワンピースみたいに着ているだけだ。
「お願いします!あ、ジュールってあったかいお風呂入れるの?この子人魚なんです」
まだ泣いているジュールは俺の右足にくっ付いて離れる様子がない。
「ぬるめなら大丈夫でしょう」
良かった。ジュールの手を握ってお風呂へ向かう。
「ギアナ様良く我慢しましたね?」
「……ウウゥ……!」
獣の姿のまま、がっくり唸ったギアナ様を俺は見ていなかった。
「はぁ?」
鼻水まで噴射して、ジュールは一生懸命謝る。毒気を抜かれた6人は怒る気も無くした。
「つまりだ、あの宮殿はこのガキの兄貴が元々悪さをして隔離されてた」
「そしてこのガキは兄貴に騙されて……兄貴の格好をしてあそこに住まわされていたけど、いつまで経っても誰も迎えに来なかった」
ジュールは「少しだけ交代しよう、そういう遊びだ。メイドや衛兵、人魚にバレちゃいけないよ!」
そう言われて、ずっとその遊びをしていた……つもりになっていたが、いくら待っても兄は戻って来なかった。
「だから、宮殿をきれいにしたら、良いって思って……あの宮殿は元々ガラスを作る設備があったから……」
キラキラと光るガラスで飾ればお兄様も戻ってくるし、誰かが来てくれる!
「人魚は熱くて近づけないから、人間に作って貰わないと駄目なの。歌でクラーケンにお願いして連れてきて貰ったの……」
ジュールは言霊魔法と魔歌が得意なのだと言う。
「リトはとってもガラス作るのが上手だから、お魚に探してもらったの。お魚はみんな友達なんだよ!」
お魚の話をする時だけ、ジュールは嬉しそうだった。他は沈んだままなので、自分が物凄い悪い事をした事をちゃんと理解しているんだ。
「無事だったから良いものを。人間を海中に引きずり込むなんて、殺すようなものだぞ」
ギアナ様の言葉は正しいけど、何か冷たい。ジュールもその冷たさを感じとってますます俺に引っ付いて、ギアナ様の視線から隠れようとしている。
「ごめんなさい……ギアナさま……」
周りがそう呼ぶからだろうか、ジュールはギアナ様のことを様付けで呼び始めた。
「……ちっ……!」
そう呼ばれると怒りも持続しないのか、少し空気が和らいだ気がした。何とか、この事件上手くまとまってくれないかなぁ。
俺はギアナ様をチラッと見上げる。実際この人次第なのだ。この人がうんと言えば何かと丸く収まってしまう……。
ジュールはぐずっと鼻を鳴らしながら俺と同じようにギアナ様を見上げた。
「ごめんなさい……許して下さい……リトの旦那様」
ふぁ?!何言ってるのこの子?!
「?!」
「あれ?違うの?リト、言ってたよね?旦那様が迎えに来たって」
ふぁーーーーーー?!?!今言っちゃう!?言っちゃうの!?やめてー!!!
ギアナ様が満面の笑みで周りに花を飛び散らかさんばかりだった!!
「ただいま戻りました!みんなは先についてますか??」
「リトーーー!無事だったかーーー!」
6人に揉みくちゃにされて、リトさんは大笑いしている。
「無事で良かったですね?ギアナ様?」
「……がう……」
何があったか知らないが、やはりリトさんは最強なのかもしれない。私、マルスはリトさんには逆らわないようにしようと心に誓った。
「ほら!ジュール。謝って!」
「……ごめんなさい……閉じ込めてごめんなさい。連れて行ってごめんなさい……たくさんガラス作ってくれてありがとう……」
ポロポロと涙を零しながら、ジュールは一生懸命に謝った。謝って許して貰えるかどうかは分からないけど、ジュールに出来ることは謝る事だけだから。
「どういう事だぁ?リト」
「この子があの人ですよ、ジモンさん」
「はあ?!ガキじゃねーか!!」
みんなそう思うよねー!俺もびっくりした。
「まずは食事や風呂などいかがでしょう?リトさんやジュールさん?も着替えた方が良いでしょうね?」
マルスさんの声に俺はそうですね!と振り返った。この人、結構冷静なアドバイスをくれるからありがたい!
俺の服はギアナ様にじゃれつかれてぼろぼろだし、ジュールは大人の格好をしていた時に着ていた上のシャツをワンピースみたいに着ているだけだ。
「お願いします!あ、ジュールってあったかいお風呂入れるの?この子人魚なんです」
まだ泣いているジュールは俺の右足にくっ付いて離れる様子がない。
「ぬるめなら大丈夫でしょう」
良かった。ジュールの手を握ってお風呂へ向かう。
「ギアナ様良く我慢しましたね?」
「……ウウゥ……!」
獣の姿のまま、がっくり唸ったギアナ様を俺は見ていなかった。
「はぁ?」
鼻水まで噴射して、ジュールは一生懸命謝る。毒気を抜かれた6人は怒る気も無くした。
「つまりだ、あの宮殿はこのガキの兄貴が元々悪さをして隔離されてた」
「そしてこのガキは兄貴に騙されて……兄貴の格好をしてあそこに住まわされていたけど、いつまで経っても誰も迎えに来なかった」
ジュールは「少しだけ交代しよう、そういう遊びだ。メイドや衛兵、人魚にバレちゃいけないよ!」
そう言われて、ずっとその遊びをしていた……つもりになっていたが、いくら待っても兄は戻って来なかった。
「だから、宮殿をきれいにしたら、良いって思って……あの宮殿は元々ガラスを作る設備があったから……」
キラキラと光るガラスで飾ればお兄様も戻ってくるし、誰かが来てくれる!
「人魚は熱くて近づけないから、人間に作って貰わないと駄目なの。歌でクラーケンにお願いして連れてきて貰ったの……」
ジュールは言霊魔法と魔歌が得意なのだと言う。
「リトはとってもガラス作るのが上手だから、お魚に探してもらったの。お魚はみんな友達なんだよ!」
お魚の話をする時だけ、ジュールは嬉しそうだった。他は沈んだままなので、自分が物凄い悪い事をした事をちゃんと理解しているんだ。
「無事だったから良いものを。人間を海中に引きずり込むなんて、殺すようなものだぞ」
ギアナ様の言葉は正しいけど、何か冷たい。ジュールもその冷たさを感じとってますます俺に引っ付いて、ギアナ様の視線から隠れようとしている。
「ごめんなさい……ギアナさま……」
周りがそう呼ぶからだろうか、ジュールはギアナ様のことを様付けで呼び始めた。
「……ちっ……!」
そう呼ばれると怒りも持続しないのか、少し空気が和らいだ気がした。何とか、この事件上手くまとまってくれないかなぁ。
俺はギアナ様をチラッと見上げる。実際この人次第なのだ。この人がうんと言えば何かと丸く収まってしまう……。
ジュールはぐずっと鼻を鳴らしながら俺と同じようにギアナ様を見上げた。
「ごめんなさい……許して下さい……リトの旦那様」
ふぁ?!何言ってるのこの子?!
「?!」
「あれ?違うの?リト、言ってたよね?旦那様が迎えに来たって」
ふぁーーーーーー?!?!今言っちゃう!?言っちゃうの!?やめてー!!!
ギアナ様が満面の笑みで周りに花を飛び散らかさんばかりだった!!
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