115 / 117
それからの俺たち
112 家族の形
しおりを挟む
アリュートはやっぱり凄い魔術師になった。出来るだろうと思ってやらせてみたら、全部の精霊と仲良くなった。流石、元リト。
「父様、母様!行ってきます!」
「ああ、他の生徒を虐めるんじゃないぞ」
「分かってるよ!大丈夫!」
あれから15年経って、アリュートが今日から学園に通う。白い耳をぴこぴこさせて、太い尻尾をぶんぶんさせながら、走って行った。
馬車で行くより、走った方が早いんだそうだ。
アリュートはなかなか凄まじい子供で、全精霊を使役する上に、虎の獣人の力も併せ持ち、神からの加護も付いている所謂チートキャラ。
ついでに双子神様の加護も厚いのでイケメンって言う割と非の打ち所がない子供に育ってしまった。やり過ぎだと思う!
ザザとシュルの子供達、ジュールとリンの子供達とも仲が良くて全員のリーダー的存在だったりする。
「アリュート、大きくなったね」
「ああ、最近じゃたまに負ける」
ギアナ様とアリュートが裏庭で組手と称していつもやり合っているのを、俺は良く見ている。
「ふふ、凄いじゃない、アリュート」
「あれにまだ勝ち越している俺の方が凄いと思わないか?」
ぐっと腰を引き寄せ、抱え上げられた。
「流石、旦那様です」
俺たちはもう立派なおじさんの歳になった。でも俺は若く見られがちで不満だが
「リトはいつまでも美人で嬉しいよ」
と、渋みを増した旦那様がご機嫌なので、いい事にしている。
扉を閉め、家に入る。貴族街と平民街の中間辺りに俺たちは小さな家を買ってそこで暮らしていた。
ディライトの屋敷からも遠くないし、しょっちゅう遊びには行っている。リリー商会は信用出来る部下に譲り、顧問的な感じでギアナ様とお母様が顔を出していた。
どちらかがくると、今の代表がビクッと体を強張らせるのは、扱き過ぎたんだと思う。少しくらい可哀想だ。
「リト」
甘い声、子供が学校に行った途端コレってどうなの?
「もう、首は噛まないで下さいよ?あなたの歯形でぼろぼろなんですから!」
「分かった、跡が残らないように噛むよ」
「そうじゃなくて!」
首を隠すために伸ばした髪はまだ伸ばしたままだ。しばらくは短くできそうにない。
「痛くしないで」
「善処しよう」
俺たちはずっと変わらず仲が良いし、あれから二人とも風邪くらいしか引かない。
何せ神様から、長生きを約束されたようなものなので、元気過ぎるほど元気なのだ。
仕事はあまり受けていなくて、割とのんびり暮らしている。
「や、や、やっぱり!家が変なんだ!」
学園に通い始めて、しばらくしてからアリュートが机を思いっきり叩いた!
「おかしいんじゃないか?ってずっと思ってたんだけどさ!うちの家族さ!父様と母様ってさ!!」
「なんだ、アリュート」
少し低い声で、ギアナ様は聞き返す。
……あれ、俺たちが男同士で結婚して、子供がいる、そう言うことに疑問を持ったかな……。少し寂しい気持ちがしたけれど、きちんと話さないと。
俺もギアナ様もアリュートの事が大好きなんだから……。
「距離近すぎね?!?!子供の前でベタベタベタベタし過ぎだろ!父様、ウザ過ぎ!母様、少し怒れよ!」
「ぁあん?息子に意見される事じゃねーよ」
……何か違った。
「父様はおかしい!どんだけ独占欲強いんだよ!つがいをあんなになるまで噛む奴がいるか?!きもい!この粘着質!自重しろ!」
「言わせておけば!表でろ!ボッコボコにしてやる!」
膝の上から俺を下ろすと、キスを一つして
「息子を躾けて来るから、少し待っててくれ」
「そういうとこだぞ!!」
2人で仲良く裏庭に出て行った。
「ふっざけんな!」
「るせぇ!まだ軽いんだよっ!」
バキバキと庭木が折れる音がしたけど、いつも通りなので諦めよう。俺は今のうちに家の片付けを進めてしまう。
アリュートは自分の出生について、あまり疑問を感じていない様だ。
ありのままに受け止めているのか、どこかで神様の介入を感じているのか。
どちらにしても、顔つきといい性格といい。どこからどう見ても俺とギアナ様の子供なんだけどね。
「父様は母様にくっつき過ぎなんだよ!!」
「お前だってつがいが見つかったら、こうなるんだぞ!」
「えっ?!あ、やべぇ、マジか!うわーあり得る、あり得る!どうしよう!」
「隙ありっ!」
「うぎゃーーーー!」
もう帰って来そうだ。
「父様、母様!行ってきます!」
「ああ、他の生徒を虐めるんじゃないぞ」
「分かってるよ!大丈夫!」
あれから15年経って、アリュートが今日から学園に通う。白い耳をぴこぴこさせて、太い尻尾をぶんぶんさせながら、走って行った。
馬車で行くより、走った方が早いんだそうだ。
アリュートはなかなか凄まじい子供で、全精霊を使役する上に、虎の獣人の力も併せ持ち、神からの加護も付いている所謂チートキャラ。
ついでに双子神様の加護も厚いのでイケメンって言う割と非の打ち所がない子供に育ってしまった。やり過ぎだと思う!
ザザとシュルの子供達、ジュールとリンの子供達とも仲が良くて全員のリーダー的存在だったりする。
「アリュート、大きくなったね」
「ああ、最近じゃたまに負ける」
ギアナ様とアリュートが裏庭で組手と称していつもやり合っているのを、俺は良く見ている。
「ふふ、凄いじゃない、アリュート」
「あれにまだ勝ち越している俺の方が凄いと思わないか?」
ぐっと腰を引き寄せ、抱え上げられた。
「流石、旦那様です」
俺たちはもう立派なおじさんの歳になった。でも俺は若く見られがちで不満だが
「リトはいつまでも美人で嬉しいよ」
と、渋みを増した旦那様がご機嫌なので、いい事にしている。
扉を閉め、家に入る。貴族街と平民街の中間辺りに俺たちは小さな家を買ってそこで暮らしていた。
ディライトの屋敷からも遠くないし、しょっちゅう遊びには行っている。リリー商会は信用出来る部下に譲り、顧問的な感じでギアナ様とお母様が顔を出していた。
どちらかがくると、今の代表がビクッと体を強張らせるのは、扱き過ぎたんだと思う。少しくらい可哀想だ。
「リト」
甘い声、子供が学校に行った途端コレってどうなの?
「もう、首は噛まないで下さいよ?あなたの歯形でぼろぼろなんですから!」
「分かった、跡が残らないように噛むよ」
「そうじゃなくて!」
首を隠すために伸ばした髪はまだ伸ばしたままだ。しばらくは短くできそうにない。
「痛くしないで」
「善処しよう」
俺たちはずっと変わらず仲が良いし、あれから二人とも風邪くらいしか引かない。
何せ神様から、長生きを約束されたようなものなので、元気過ぎるほど元気なのだ。
仕事はあまり受けていなくて、割とのんびり暮らしている。
「や、や、やっぱり!家が変なんだ!」
学園に通い始めて、しばらくしてからアリュートが机を思いっきり叩いた!
「おかしいんじゃないか?ってずっと思ってたんだけどさ!うちの家族さ!父様と母様ってさ!!」
「なんだ、アリュート」
少し低い声で、ギアナ様は聞き返す。
……あれ、俺たちが男同士で結婚して、子供がいる、そう言うことに疑問を持ったかな……。少し寂しい気持ちがしたけれど、きちんと話さないと。
俺もギアナ様もアリュートの事が大好きなんだから……。
「距離近すぎね?!?!子供の前でベタベタベタベタし過ぎだろ!父様、ウザ過ぎ!母様、少し怒れよ!」
「ぁあん?息子に意見される事じゃねーよ」
……何か違った。
「父様はおかしい!どんだけ独占欲強いんだよ!つがいをあんなになるまで噛む奴がいるか?!きもい!この粘着質!自重しろ!」
「言わせておけば!表でろ!ボッコボコにしてやる!」
膝の上から俺を下ろすと、キスを一つして
「息子を躾けて来るから、少し待っててくれ」
「そういうとこだぞ!!」
2人で仲良く裏庭に出て行った。
「ふっざけんな!」
「るせぇ!まだ軽いんだよっ!」
バキバキと庭木が折れる音がしたけど、いつも通りなので諦めよう。俺は今のうちに家の片付けを進めてしまう。
アリュートは自分の出生について、あまり疑問を感じていない様だ。
ありのままに受け止めているのか、どこかで神様の介入を感じているのか。
どちらにしても、顔つきといい性格といい。どこからどう見ても俺とギアナ様の子供なんだけどね。
「父様は母様にくっつき過ぎなんだよ!!」
「お前だってつがいが見つかったら、こうなるんだぞ!」
「えっ?!あ、やべぇ、マジか!うわーあり得る、あり得る!どうしよう!」
「隙ありっ!」
「うぎゃーーーー!」
もう帰って来そうだ。
52
あなたにおすすめの小説
あなたと過ごせた日々は幸せでした
蒸しケーキ
BL
結婚から五年後、幸せな日々を過ごしていたシューン・トアは、突然義父に「息子と別れてやってくれ」と冷酷に告げられる。そんな言葉にシューンは、何一つ言い返せず、飲み込むしかなかった。そして、夫であるアインス・キールに離婚を切り出すが、アインスがそう簡単にシューンを手離す訳もなく......。
悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?
* ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。
悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう!
せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー?
ユィリと皆の動画をつくりました!
インスタ @yuruyu0 絵も動画もあがります。ほぼ毎日更新!
Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新!
プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
異世界転移した元コンビニ店長は、獣人騎士様に嫁入りする夢は……見ない!
めがねあざらし
BL
過労死→異世界転移→体液ヒーラー⁈
社畜すぎて魂が擦り減っていたコンビニ店長・蓮は、女神の凡ミスで異世界送りに。
もらった能力は“全言語理解”と“回復力”!
……ただし、回復スキルの発動条件は「体液経由」です⁈
キスで癒す? 舐めて治す? そんなの変態じゃん!
出会ったのは、狼耳の超絶無骨な騎士・ロナルドと、豹耳騎士・ルース。
最初は“保護対象”だったのに、気づけば戦場の最前線⁈
攻めも受けも騒がしい異世界で、蓮の安眠と尊厳は守れるのか⁉
--------------------
※現在同時掲載中の「捨てられΩ、癒しの異能で獣人将軍に囲われてます!?」の元ネタです。出しちゃった!
妹を救うためにヒロインを口説いたら、王子に求愛されました。
藤原遊
BL
乙女ゲームの悪役令息に転生したアラン。
妹リリィが「悪役令嬢として断罪される」未来を変えるため、
彼は決意する――ヒロインを先に口説けば、妹は破滅しない、と。
だがその“奇行”を見ていた王太子シリウスが、
なぜかアラン本人に興味を持ち始める。
「君は、なぜそこまで必死なんだ?」
「妹のためです!」
……噛み合わないはずの会話が、少しずつ心を動かしていく。
妹は完璧令嬢、でも内心は隠れ腐女子。
ヒロインは巻き込まれて腐女子覚醒。
そして王子と悪役令息は、誰も知らない“仮面の恋”へ――。
断罪回避から始まる勘違い転生BL×宮廷ラブストーリー。
誰も不幸にならない、偽りと真実のハッピーエンド。
身代わりにされた少年は、冷徹騎士に溺愛される
秋津むぎ
BL
第13回BL大賞奨励賞頂きました!
最終17位でした!応援ありがとうございます!
あらすじ
魔力がなく、義母達に疎まれながらも必死に生きる少年アシェ。
ある日、義兄が騎士団長ヴァルドの徽章を盗んだ罪をアシェに押し付け、身代わりにされてしまう。
死を覚悟した彼の姿を見て、冷徹な騎士ヴァルドは――?
傷ついた少年と騎士の、温かい溺愛物語。
過労死転生した公務員、魔力がないだけで辺境に追放されたので、忠犬騎士と知識チートでざまぁしながら領地経営はじめます
水凪しおん
BL
過労死した元公務員の俺が転生したのは、魔法と剣が存在する異世界の、どうしようもない貧乏貴族の三男だった。
家族からは能無しと蔑まれ、与えられたのは「ゴミ捨て場」と揶揄される荒れ果てた辺境の領地。これは、事実上の追放だ。
絶望的な状況の中、俺に付き従ったのは、無口で無骨だが、その瞳に確かな忠誠を宿す一人の護衛騎士だけだった。
「大丈夫だ。俺がいる」
彼の言葉を胸に、俺は決意する。公務員として培った知識と経験、そして持ち前のしぶとさで、この最悪な領地を最高の楽園に変えてみせると。
これは、不遇な貴族と忠実な騎士が織りなす、絶望の淵から始まる領地改革ファンタジー。そして、固い絆で結ばれた二人が、やがて王国を揺るがす運命に立ち向かう物語。
無能と罵った家族に、見て見ぬふりをした者たちに、最高の「ざまぁ」をお見舞いしてやろうじゃないか!
虚ろな檻と翡翠の魔石
篠雨
BL
「本来の寿命まで、悪役の身体に入ってやり過ごしてよ」
不慮の事故で死んだ僕は、いい加減な神様の身勝手な都合により、異世界の悪役・レリルの器へ転生させられてしまう。
待っていたのは、一生を塔で過ごし、魔力を搾取され続ける孤独な日々。だが、僕を管理する強面の辺境伯・ヨハンが運んでくる薪や食事、そして不器用な優しさが、凍てついた僕の心を次第に溶かしていく。
しかし、穏やかな時間は長くは続かない。魔力を捧げるたびに脳内に流れ込む本物のレリルの記憶と領地を襲う未曾有の魔物の群れ。
「僕が、この場所と彼を守る方法はこれしかない」
記憶に翻弄され頭は混乱する中、魔石化するという残酷な決断を下そうとするが――。
-----------------------------------------
0時,6時,12時,18時に2話ずつ更新
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる