【完結】転生したら悪役令嬢だった腐女子、推し課金金策してたら無双でざまぁで愛されキャラ?いえいえ私は見守りたいだけですわ

鏑木 うりこ

文字の大きさ
38 / 89
そして入学へ

38 キラッキラのヅッカヅカ

しおりを挟む
 マリエルよ。ゲームの大半を占める学園が始まって、忙しいわ! 私達高位貴族と言われる人達は寮生活じゃなくて、タウンハウスから馬車で通うのも認められているんだけれども、朝からヴィンセントお兄様と馬車という密室で二人で長くない距離を過ごすなんて完全に頭パーン! で鼻血で憤死案件なので泣く泣く寮生活にしたの。メイドや護衛も連れて行っていいって事で、割と快適生活を送らせてもらってるわ。

「お兄様とお姉様だけずるい! 私も早く学園に行きたいです!」

 と、小天使の可憐さが荒ぶって、出血多量で死ぬかと思ったけれど、クラブジャックのレナードは超可愛かったわ。毎週土日には帰る事を絶対約束したのよ! あーーー可愛い!

「推しの制服……良き……」

 お兄様たちが今2年生で私達が1年生。3年教育になっているから推し達の制服姿を拝観できるのもあと2年。短いわ。一瞬たりとも見逃せないわね!……まあ去年はドローン的な物というか、使い魔的な物というか……を、学園に放っていろんな角度から盗撮させてもら……いえいえ、安全を配慮した……えーと、むにゃむにゃ……なんてことは特にないわよ、うん、はい……どうもすみません、もうしません。

「何処かにヒール用被検者は落ちてないかしら?」

 きょろきょろと放課後学園の中をうろつき回っていると、なんとベタな校舎裏にほっぺたを叩かれた女生徒が上級生に囲まれていたのよ、最高ね。スイーッと割って入って、私のヒール修業の手伝いをしてもらいさ~っと帰ろうとしたらなんと最近目をつけていたシドクス商会の娘さんだって言うじゃない! さ、最高よ!!

「新しい舞台衣装が欲しかったのよね……!」

 そう、舞台よ、舞台。私の2.5次元「トランプる!」をこの世界で鑑賞するぞ! 計画は実は遁走してるの……。

「きゃーーー! アルバート様がこちらに向かって手を振って下さったわー!」
「わたくしはミカエラさまですわー!」

 リエリスお母様とチェレネお母様よ。ええ、あのクラブ家学芸会(仮)は成長を続けたわ。舞台俳優を育てるつもりだったのに……ちょっと私が匙加減を誤ったのよ……そしたら完全にヅッカーン歌劇団になってしまったの……。
 
「その名も三つ葉塚歌劇団よ……まんまじゃない……三つ葉塚ってどこよ」

 劇場? 立てたわ……養成所? 立てたわ……勿論、男子禁制の園よ、園。実際男性の出入りがない方が良いの。何せ歌劇団の基本出資者は貴族の奥方達。歌劇団の団員も職員もほぼ女性でしめればそれぞれの旦那様に浮気を疑われる必要がない訳。

「あなた、歌劇団の公演に行ってきますわね」
「あ、ああ……」

 みたいな感じで。連れてくる護衛も女性を推奨してるくらい徹底してるの。男女の出会いなんてないのよ? ついでに言うと貴族の奥方なんてヒマしてるのよ。ヒマだから苛めとか浮気とか悪事に手を染めちゃったりしちゃうのよ。人間暇だとロクなことしない、が定番でしょ?
 そんな暇な奥様方を集めて夢中にさせちゃったんで、今社交界のゴシップって激減してるのよね。話題は三つ葉歌劇団のナントカ様がどうとかだとかカントカ様がどうとかだとか。で、そんな目の肥えて来たお姉様方を夢中にさせ続けるには素敵な衣装も必要なわけで、映える衣装が欲しかったんだけれども中々金糸とか売ってるお店がなくて困ってたわけ。

「うっふっふー! これで次の演目もキラッキラのヅッカヅカで稼ぎまくりよ! んふふふ!」

 金策、という点では大成功なのだし!

「あーでもまだ色々欲しい物があるから開発費がなあ……」

 最近、サイリウムが欲しくてね……舞台と言ったらアレを振らずにはいられないわよね……。

ライト系の魔法を閉じ込めるか……いえ、どちらかというと灯りグロウかしら……使い捨てにしたいし、色も色々いるし……人口精霊みたいなのが良いのかしら……うーーんっ」

 充実した推しライフは中々困難が多い物ね。

しおりを挟む
感想 122

あなたにおすすめの小説

未来の記憶を手に入れて~婚約破棄された瞬間に未来を知った私は、受け入れて逃げ出したのだが~

キョウキョウ
恋愛
リムピンゼル公爵家の令嬢であるコルネリアはある日突然、ヘルベルト王子から婚約を破棄すると告げられた。 その瞬間にコルネリアは、処刑されてしまった数々の未来を見る。 絶対に死にたくないと思った彼女は、婚約破棄を快く受け入れた。 今後は彼らに目をつけられないよう、田舎に引きこもって地味に暮らすことを決意する。 それなのに、王子の周りに居た人達が次々と私に求婚してきた!? ※カクヨムにも掲載中の作品です。

公爵令嬢は、どう考えても悪役の器じゃないようです。

三歩ミチ
恋愛
*本編は完結しました*  公爵令嬢のキャサリンは、婚約者であるベイル王子から、婚約破棄を言い渡された。その瞬間、「この世界はゲームだ」という認識が流れ込んでくる。そして私は「悪役」らしい。ところがどう考えても悪役らしいことはしていないし、そんなことができる器じゃない。  どうやら破滅は回避したし、ゲームのストーリーも終わっちゃったようだから、あとはまわりのみんなを幸せにしたい!……そこへ攻略対象達や、不遇なヒロインも絡んでくる始末。博愛主義の「悪役令嬢」が奮闘します。 ※小説家になろう様で連載しています。バックアップを兼ねて、こちらでも投稿しています。 ※以前打ち切ったものを、初めから改稿し、完結させました。73以降、展開が大きく変わっています。

❲完結❳乙女ゲームの世界に憑依しました! ~死ぬ運命の悪女はゲーム開始前から逆ハールートに突入しました~

四つ葉菫
恋愛
橘花蓮は、乙女ゲーム『煌めきのレイマリート学園物語』の悪役令嬢カレン・ドロノアに憑依してしまった。カレン・ドロノアは他のライバル令嬢を操って、ヒロインを貶める悪役中の悪役!    「婚約者のイリアスから殺されないように頑張ってるだけなのに、なんでみんな、次々と告白してくるのよ!?」   これはそんな頭を抱えるカレンの学園物語。   おまけに他のライバル令嬢から命を狙われる始末ときた。 ヒロインはどこいった!?  私、無事、学園を卒業できるの?!    恋愛と命の危険にハラハラドキドキするカレンをお楽しみください。   乙女ゲームの世界がもとなので、恋愛が軸になってます。ストーリー性より恋愛重視です! バトル一部あります。ついでに魔法も最後にちょっと出てきます。 裏の副題は「当て馬(♂)にも愛を!!」です。 2023年2月11日バレンタイン特別企画番外編アップしました。   2024年3月21日番外編アップしました。              *************** この小説はハーレム系です。 ゲームの世界に入り込んだように楽しく読んでもらえたら幸いです。 お好きな攻略対象者を見つけてください(^^)        *****************

【完結】ヒロインに転生しましたが、モブのイケオジが好きなので、悪役令嬢の婚約破棄を回避させたつもりが、やっぱり婚約破棄されている。

樹結理(きゆり)
恋愛
「アイリーン、貴女との婚約は破棄させてもらう」 大勢が集まるパーティの場で、この国の第一王子セルディ殿下がそう宣言した。 はぁぁあ!? なんでどうしてそうなった!! 私の必死の努力を返してー!! 乙女ゲーム『ラベルシアの乙女』の世界に転生してしまった日本人のアラサー女子。 気付けば物語が始まる学園への入学式の日。 私ってヒロインなの!?攻略対象のイケメンたちに囲まれる日々。でも!私が好きなのは攻略対象たちじゃないのよー!! 私が好きなのは攻略対象でもなんでもない、物語にたった二回しか出てこないイケオジ! 所謂モブと言っても過言ではないほど、関わることが少ないイケオジ。 でもでも!せっかくこの世界に転生出来たのなら何度も見たイケメンたちよりも、レアなイケオジを!! 攻略対象たちや悪役令嬢と友好的な関係を築きつつ、悪役令嬢の婚約破棄を回避しつつ、イケオジを狙う十六歳、侯爵令嬢! 必死に悪役令嬢の婚約破棄イベントを回避してきたつもりが、なんでどうしてそうなった!! やっぱり婚約破棄されてるじゃないのー!! 必死に努力したのは無駄足だったのか!?ヒロインは一体誰と結ばれるのか……。 ※この物語は作者の世界観から成り立っております。正式な貴族社会をお望みの方はご遠慮ください。 ※この作品は小説家になろう、カクヨムで完結済み。

悪役令嬢がヒロインからのハラスメントにビンタをぶちかますまで。

倉桐ぱきぽ
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢に転生した私は、ざまぁ回避のため、まじめに生きていた。 でも、ヒロイン(転生者)がひどい!   彼女の嘘を信じた推しから嫌われるし。無実の罪を着せられるし。そのうえ「ちゃんと悪役やりなさい」⁉ シナリオ通りに進めたいヒロインからのハラスメントは、もう、うんざり! 私は私の望むままに生きます!! 本編+番外編3作で、40000文字くらいです。 ⚠途中、視点が変わります。サブタイトルをご覧下さい。

悪役令嬢に転生しましたが、行いを変えるつもりはありません

れぐまき
恋愛
公爵令嬢セシリアは皇太子との婚約発表舞踏会で、とある男爵令嬢を見かけたことをきっかけに、自分が『宝石の絆』という乙女ゲームのライバルキャラであることを知る。 「…私、間違ってませんわね」 曲がったことが大嫌いなオーバースペック公爵令嬢が自分の信念を貫き通す話 …だったはずが最近はどこか天然の主人公と勘違い王子のすれ違い(勘違い)恋愛話になってきている… 5/13 ちょっとお話が長くなってきたので一旦全話非公開にして纏めたり加筆したりと大幅に修正していきます 5/22 修正完了しました。明日から通常更新に戻ります 9/21 完結しました また気が向いたら番外編として二人のその後をアップしていきたいと思います

転生した世界のイケメンが怖い

祐月
恋愛
わたしの通う学院では、近頃毎日のように喜劇が繰り広げられている。 第二皇子殿下を含む学院で人気の美形子息達がこぞって一人の子爵令嬢に愛を囁き、殿下の婚約者の公爵令嬢が諌めては返り討ちにあうという、わたしにはどこかで見覚えのある光景だ。 わたし以外の皆が口を揃えて言う。彼らはものすごい美形だと。 でもわたしは彼らが怖い。 わたしの目には彼らは同じ人間には見えない。 彼らはどこからどう見ても、女児向けアニメキャラクターショーの着ぐるみだった。 2024/10/06 IF追加 小説を読もう!にも掲載しています。

小説主人公の悪役令嬢の姉に転生しました〜モブのはずが第一王子に一途に愛されています〜

みかん桜
恋愛
第一王子と妹が並んでいる姿を見て前世を思い出したリリーナ。 ここは、乙女ゲームが舞台の小説の世界だった。 悪役令嬢が主役で、破滅を回避して幸せを掴む——そんな物語。 私はその主人公の姉。しかもゲームの妹が、悪役令嬢になった原因の1つが姉である私だったはず。 とはいえ私はただのモブ。 この世界のルールから逸脱せず、無難に生きていこうと決意したのに……なぜか第一王子に執着されている。 ……そういえば、元々『姉の婚約者を奪った』って設定だったような……? ※2025年5月に副題を追加しました。

処理中です...