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表 7
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「ねえ、お父様~良いでしょう?私、立派にこの家を継げますわ」
「クロリスは学年で2位の成績でした、旦那様」
2位とな!?お父様がまじまじとクロリスの顔を見ます。クロリスはリーエンお母様そっくりの美しい顔でにこりと笑うのです。
「私、この家の跡取りになって、素敵な旦那様をお迎えしたいんですぅ~ね!良いでしょう?お父様!」
「し、しかし……長女はベアトリス……」
「お父様!わたくしも今回はかなり良い成績をおさめましたわ!」
負けてはいけません、わたくしはこのタンバル家の長女なのですから!この家を護ってゆくのは私の役目なのです!
「ふふ、でも13位でしたわ。フローラお姉様だって5位でしたのに」
勝ち誇った顔でクロリスがわたくしを見下ろしました。悔しい、悔しいですがそれが現実なのです。たくさんたくさんカル兄様にお勉強を教わったのに、悔しくて涙がこぼれ落ちそう。
「そ、れ、にぃ。ベアトリスお姉様の所に、素敵なお婿さんなんて来てくれるのかしら……フフフ」
「っ!?」
そ、それは……確かにわたくしはハロルド様に婚約を解消された身。でも、破棄ではなく解消です。傷物令嬢と言われるほどでは……。
クロリスはきれいな金髪をさらりとかきあげました。わたくしでもうっとりみてしまうほど、綺麗な髪……。フローラもリーエンお母様も本当にお綺麗……それに比べて少しはまともになったとは言え、茶色い地味な私の髪の色……。
「やっぱり、可愛い方が良い旦那様が来てくれるって思いません?お父様」
「う、うむ……」
そこにリーエンお母様まで言い出すのです。
「まだ正式ではございませんが、セリ公爵家の3男かドイル公爵家の次男当たりにお手紙を書いてみようかと思っております」
「どちらも我が家より格上ではないか!」
「さようでございますね」
嫣然と微笑むリーエンお母様、ぜひそうしなさいと乗り気のお父様……ああ、私は一体どうしたら……!そしてお母様と同じように美しく笑うクロリス。勝てない、わたくしには勝てる所が一つもない……。
「失礼……します……」
静かに話し合いをしていたお父様の執務室を出ました。死んでしまったソフィーティアお母様、わたくしは、わたくしは一体どうしたらいいのでしょう……。がっくりと項垂れ、悲しく一歩踏み出した所に、アンナが息を切らして私を呼びに来てくれました。
「お嬢様!ベアトリスお嬢様、ヴィンター侯爵令息がお見えです」
「カル兄様が?!」
「ええ!南のサロンにお通ししております。さ、涙をお拭きになってくださいませ」
アンナがハンカチを差し出してくれる。嬉しいわ……そっと涙を拭って、私は顔を上げます。まだクロリスが後継に決まったわけではないのですから。
「テスト勉強でカル兄様には沢山お世話になったわ。きちんとお礼を述べなくてはね」
「そうでございますわ」
アンナは笑って私の背中を押してくれます。本当にアンナだけでも残ってくれて良かった……とても心強いわ。
「クロリスは学年で2位の成績でした、旦那様」
2位とな!?お父様がまじまじとクロリスの顔を見ます。クロリスはリーエンお母様そっくりの美しい顔でにこりと笑うのです。
「私、この家の跡取りになって、素敵な旦那様をお迎えしたいんですぅ~ね!良いでしょう?お父様!」
「し、しかし……長女はベアトリス……」
「お父様!わたくしも今回はかなり良い成績をおさめましたわ!」
負けてはいけません、わたくしはこのタンバル家の長女なのですから!この家を護ってゆくのは私の役目なのです!
「ふふ、でも13位でしたわ。フローラお姉様だって5位でしたのに」
勝ち誇った顔でクロリスがわたくしを見下ろしました。悔しい、悔しいですがそれが現実なのです。たくさんたくさんカル兄様にお勉強を教わったのに、悔しくて涙がこぼれ落ちそう。
「そ、れ、にぃ。ベアトリスお姉様の所に、素敵なお婿さんなんて来てくれるのかしら……フフフ」
「っ!?」
そ、それは……確かにわたくしはハロルド様に婚約を解消された身。でも、破棄ではなく解消です。傷物令嬢と言われるほどでは……。
クロリスはきれいな金髪をさらりとかきあげました。わたくしでもうっとりみてしまうほど、綺麗な髪……。フローラもリーエンお母様も本当にお綺麗……それに比べて少しはまともになったとは言え、茶色い地味な私の髪の色……。
「やっぱり、可愛い方が良い旦那様が来てくれるって思いません?お父様」
「う、うむ……」
そこにリーエンお母様まで言い出すのです。
「まだ正式ではございませんが、セリ公爵家の3男かドイル公爵家の次男当たりにお手紙を書いてみようかと思っております」
「どちらも我が家より格上ではないか!」
「さようでございますね」
嫣然と微笑むリーエンお母様、ぜひそうしなさいと乗り気のお父様……ああ、私は一体どうしたら……!そしてお母様と同じように美しく笑うクロリス。勝てない、わたくしには勝てる所が一つもない……。
「失礼……します……」
静かに話し合いをしていたお父様の執務室を出ました。死んでしまったソフィーティアお母様、わたくしは、わたくしは一体どうしたらいいのでしょう……。がっくりと項垂れ、悲しく一歩踏み出した所に、アンナが息を切らして私を呼びに来てくれました。
「お嬢様!ベアトリスお嬢様、ヴィンター侯爵令息がお見えです」
「カル兄様が?!」
「ええ!南のサロンにお通ししております。さ、涙をお拭きになってくださいませ」
アンナがハンカチを差し出してくれる。嬉しいわ……そっと涙を拭って、私は顔を上げます。まだクロリスが後継に決まったわけではないのですから。
「テスト勉強でカル兄様には沢山お世話になったわ。きちんとお礼を述べなくてはね」
「そうでございますわ」
アンナは笑って私の背中を押してくれます。本当にアンナだけでも残ってくれて良かった……とても心強いわ。
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