【完結】家庭菜園士の強野菜無双!俺の野菜は激強い、魔王も勇者もチート野菜で一捻り!

鏑木 うりこ

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26 藁、藁、藁、藁

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「我は魔王イーブルフェリムである!」
「来たな魔王。勇者コーディがお前を倒す!」
「勇者……プ、ププ……プププ!!あーーーはっはっは!!道化ではないか!!なんだその恰好!我らを馬鹿にしておるのか!」
「うるさい黙れ!」

 だが仕方がない。コーディ達4人の恰好は藁納豆に手足が生えているようなものなのだから。出ている手足にも草やら葉っぱやらを巻き付けてあるまさに「笑って下さい、お願いします」という恰好なのだ。

「うう……恥ずかしい、恥ずかしい……でも!」

 マリアンヌは泣いている。でもこの藁納豆を着ている。何故なら、少し前の訓練中にシシリーの魔法攻撃を喰らったことがあるのだ。大きな火炎の弾が飛んできて……藁納豆を着ていたコーディとダナンは無傷だったのに、絶対に嫌だと藁納豆を着なかったマリアンヌは背中に大きな火傷を負ったのだ。

「きゃああああっ!」
「マリアンヌ!?ごめんなさいっ!」

 訓練とはいえ、魔王と戦う勇者パーティの訓練は厳しい。酷い怪我にタトは大慌てで手当てをしてくれた。

「うわああっ!」

 走って行って庭と道路の境辺りに適当に生えてきたヨモーギの葉っぱを千切って持って来てマリアンヌの背中に張り付けた後、庭の隅の植木鉢の中でほとんど放置されていたがまだ生きていたアッロエの葉っぱを千切ってきて、中の透明な葉肉をぺたぺたと張り付ける。

「や、火傷にはアッロエ!」

 とか言う割に乱雑な扱いだったが、マリアンヌの背中はスーッと痛みが引いてすぐに良くなった。

「あぁ……もう痛くないわ……ありがとうタト……」
「良かったぁ~」

 確かにすぐに治ったし、ありがたい事に火傷の跡も残らなかったが、痛いし熱かった事は忘れられない。

「ワラナットー……着ますぅ……」
「絶対後世に伝わらないようにしような……?」

 勇者一行の心は一つになったし、姿は皆で珍妙なクリーチャーになっていたのだ。

「藁納豆を笑うものは藁納豆に泣く!覚悟しろ、魔王!」
「そんな恰好でこの私に勝てるものか!勇者などと笑わせてくれるわ!」


 激しい戦闘が始まった。


「うおおおおお!」
「ギャアアッ!」

 元々大剣は鈍器のような使い方が出来る。その鉄の塊を振り下ろし敵を粉砕する。だから硬くなった食えないキューカンパに取っ手を無理やり付けたそのヘンテコな武器(?)も同じようにダナンは振り回している。

「は、はは!脆い、脆いぞ!」

 敵が面白いように潰れてゆく。

「ひ、ひい!」

 魔物の血で真っ赤に染まったキューカンパを手にダナンは不敵な笑みを浮かべた。

「死にたい奴から……かかってこい!」

 その姿は……どっからどう見ても藁納豆だった。だって藁納豆なんだもん。

 だが、魔王軍の精鋭はその珍妙な姿に恐怖を覚え始めていた。

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