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21 面倒で聞きたくない小言の内容
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「ユ、ユーティアが、グラフの指輪を、持って、国外へ……?!」
「つ、連れ戻せ!!早く!1秒でも!早く!!」
「残念でしたぁー!昨日のうちに出てますぅー!」
べぇ、と舌を出す勢いのミーアの追撃にジョセフもコリンズも倒れる寸前だ。
「せ、せめて王家にバレる前に……」
「もうさっき第二王子って人が来て帰って行ったけど?」
「ひっ!」
とうとう短い悲鳴を発して、二人は倒れてしまった。使用人達が慌てて二人を客間に運んでいく。
「ユーティアはそこまで大切な娘だったか……?ただの地味なユリアデットの娘だろう……?」
過去に葬った「面倒で聞きたくない小言」が少しづつゆっくりと浮かび上がってくる。
「え?ユリアデット嬢の事を愛せない?チャールズ、私達は貴族なのよ。政略結婚は大切だと教えたわよね?それにもましてユリアデットは「グラフの末の娘」なの!やっと我が家にチャンスが来たのよ!」
「ユリアデットの持つあの汚い指輪がこの国と我々ラングの血族に多大なる富を招き寄せるのだ。気に入らないなんて言っている場合ではないぞ?あのユリアデットがいるお陰で王家から我が家に支払われている金もあるのだからな!」
「良いか?必ず、ユリアデットに娘を産ませろ、そうすれば我がラング家の血を引く者が「グラフの末の娘」だ!そして王家に嫁がせるのだ!それだけで我が家は安泰じゃないか!」
そうだ、そうだった。確かにユリアデットがラング家に嫁いでから、家は栄えた。何のやり方も変えていないのに領地では豊作が続き、領民から不平もない。投資をすれば外れた事はなく、騙されて買った鉱山でさえ予想外に金鉱を掘り当て、大儲けした。
「わ、忘れて……いた」
最初のうちは感謝していた筈だった。しかしその幸運が長く続くとそれが当たり前になっていったのだ。そして勘違いした。それがユリアデットとグラフの指輪によって齎された幸運であったのに、自分の実力だと。
「私が当主だからこんなに上手く回っているのだ!」
そしてユリアデットは待望の女児を出産する。その娘はユーティアと名付けられ、生まれたその日から第一王子の婚約者であった。
「これで、これで良い!」
チャールズの両親が暴飲暴食の末に病気で早くに亡くなったのも悪かった。チャールズを諌める者がいなくなったのだ。
ユリアデットは静かに黙したままで容認したし、口煩かった老執事は辞めさせた。それでも領地は好調だし、金はいくらでも入ってきた。
王家からも少なくない金額がユーティアを逃さぬ為に贈られていた。
「あ、あああ……」
頭を抱えてガックリと膝をつく。逃した魚は大きすぎた。
「い、一体どうしたら……良いんだ……」
チャールズ・ラング侯爵は途方に暮れるしかなかった。
「つ、連れ戻せ!!早く!1秒でも!早く!!」
「残念でしたぁー!昨日のうちに出てますぅー!」
べぇ、と舌を出す勢いのミーアの追撃にジョセフもコリンズも倒れる寸前だ。
「せ、せめて王家にバレる前に……」
「もうさっき第二王子って人が来て帰って行ったけど?」
「ひっ!」
とうとう短い悲鳴を発して、二人は倒れてしまった。使用人達が慌てて二人を客間に運んでいく。
「ユーティアはそこまで大切な娘だったか……?ただの地味なユリアデットの娘だろう……?」
過去に葬った「面倒で聞きたくない小言」が少しづつゆっくりと浮かび上がってくる。
「え?ユリアデット嬢の事を愛せない?チャールズ、私達は貴族なのよ。政略結婚は大切だと教えたわよね?それにもましてユリアデットは「グラフの末の娘」なの!やっと我が家にチャンスが来たのよ!」
「ユリアデットの持つあの汚い指輪がこの国と我々ラングの血族に多大なる富を招き寄せるのだ。気に入らないなんて言っている場合ではないぞ?あのユリアデットがいるお陰で王家から我が家に支払われている金もあるのだからな!」
「良いか?必ず、ユリアデットに娘を産ませろ、そうすれば我がラング家の血を引く者が「グラフの末の娘」だ!そして王家に嫁がせるのだ!それだけで我が家は安泰じゃないか!」
そうだ、そうだった。確かにユリアデットがラング家に嫁いでから、家は栄えた。何のやり方も変えていないのに領地では豊作が続き、領民から不平もない。投資をすれば外れた事はなく、騙されて買った鉱山でさえ予想外に金鉱を掘り当て、大儲けした。
「わ、忘れて……いた」
最初のうちは感謝していた筈だった。しかしその幸運が長く続くとそれが当たり前になっていったのだ。そして勘違いした。それがユリアデットとグラフの指輪によって齎された幸運であったのに、自分の実力だと。
「私が当主だからこんなに上手く回っているのだ!」
そしてユリアデットは待望の女児を出産する。その娘はユーティアと名付けられ、生まれたその日から第一王子の婚約者であった。
「これで、これで良い!」
チャールズの両親が暴飲暴食の末に病気で早くに亡くなったのも悪かった。チャールズを諌める者がいなくなったのだ。
ユリアデットは静かに黙したままで容認したし、口煩かった老執事は辞めさせた。それでも領地は好調だし、金はいくらでも入ってきた。
王家からも少なくない金額がユーティアを逃さぬ為に贈られていた。
「あ、あああ……」
頭を抱えてガックリと膝をつく。逃した魚は大きすぎた。
「い、一体どうしたら……良いんだ……」
チャールズ・ラング侯爵は途方に暮れるしかなかった。
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