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私はリリアス家と王宮を行ったり来たりしながら帝国の勉強に励んでいます。
「流石です、レディ・ユーティア。飲み込みもお早いですね。何の問題もございません」
「ありがとうございます、リンデール侯爵夫人」
家庭教師としてついていただいたリンデール侯爵夫人はとても賢い方で、教え方も上手でした。何でも褒めてくださるので、ほめ過ぎではないかと謙遜してしまいますが
「私も理解力があり、洞察力がある生徒への指導はとても楽しいものです……バカ令嬢はこちらも疲れますので」
後半は聞かなかったことにしました。バカ令嬢……どうもリンデール侯爵夫人の言葉の端々に現れる令嬢達。権力を笠に着て勉学には励まず、着飾ることを淑女の嗜みと思っている方が多くみられるそうなのです。
「筆頭公爵であるリリアス家に逆らう者は少ないと思いますが、それにすら気が回らない子供もおります。大切な御身、常に警護はあるとは思いますが、嫌な気分にならないに越したことはないかと」
「……それは私が「グラフの末の娘」だからですか?」
「グラフの末の娘」そう呼ばれることを嫌っていたお母様。なんとなく分かります、お母様は常に「グラフの末の娘」と呼ばれ続けていたそうです。誰もお母様を見ない、見ているのはその与えられた力だけ。小さな少女であった頃は無邪気に受け入れたそれも、分別がつくようになってから全て枷でしかなかったのです。
誰もお母様の事をユリアデットと見てくれなかった……お父様以外は。お父様とお母様の関係も今となってはとても歪に感じますが、お母様はそんな歪でも「ユリアデット」と呼ぶお父様にすがっていらしたのですね。
もう少し私が気が付いて上げられたら、少しは関係は変わっていたでしょうか……。
予想に反してリンデール侯爵夫人は小さく笑いました。
「それもありますが、それだけではありませんよ。レディ・ユーティア。だって「グラフの指輪」に国を治める力はありませんもの。国を治めるのは人です、人あってこその力ですわよ」
「あ……」
お母様にはこのように言ってくださる先生は悲しい事におられなかったのでしょう。知識と慈愛の先生の瞳は私の不安を全てご存じのようでした。私は本当に良い先生に巡り合えたのだと感謝してもしたりません。
私は順調にこの帝国に馴染んで行きました。気を使ってかシューも良く遊びに来て
「贈り物をしたいんだ。カッコつけさせくれるよな?」
色々な物を持ってきてくれますし、中々のヤンチャ話を聞いたりして順調に仲良くなっていきました。
「おにいいちゃんもまぜてえええええええ!」
「グラフィル様はまだ書類が終わっておりませんので」
ラング家を辞めてこちらへ戻ってきたメイド達に引きずられて部屋へ監禁されたりしているようです。
「母上を陛下に取られてから、フィル様は陛下の頼みを徹底的に無視したからなぁ。この国の魔法部隊はほぼリリアス家所縁の者で固められているから、陛下もずっと生きた心地がしなかったみたいだ。しかもこの帝国の基礎はグラフ・リリアスが作り上げた魔道カラクリ街でね。フィル様が本気を出したら王宮なんて粉々だよ」
「えっ!?そんなにグラフィル兄様にはお力があるのですか?」
「その上を行く力を持っているのがユーティアなんだけど?今度街へ行ってみる?面白い事が起きるよ」
これが噂のやんちゃな笑顔なのですね。シューは庭師の時のようににやりと笑ってとても楽しそうでした。
「流石です、レディ・ユーティア。飲み込みもお早いですね。何の問題もございません」
「ありがとうございます、リンデール侯爵夫人」
家庭教師としてついていただいたリンデール侯爵夫人はとても賢い方で、教え方も上手でした。何でも褒めてくださるので、ほめ過ぎではないかと謙遜してしまいますが
「私も理解力があり、洞察力がある生徒への指導はとても楽しいものです……バカ令嬢はこちらも疲れますので」
後半は聞かなかったことにしました。バカ令嬢……どうもリンデール侯爵夫人の言葉の端々に現れる令嬢達。権力を笠に着て勉学には励まず、着飾ることを淑女の嗜みと思っている方が多くみられるそうなのです。
「筆頭公爵であるリリアス家に逆らう者は少ないと思いますが、それにすら気が回らない子供もおります。大切な御身、常に警護はあるとは思いますが、嫌な気分にならないに越したことはないかと」
「……それは私が「グラフの末の娘」だからですか?」
「グラフの末の娘」そう呼ばれることを嫌っていたお母様。なんとなく分かります、お母様は常に「グラフの末の娘」と呼ばれ続けていたそうです。誰もお母様を見ない、見ているのはその与えられた力だけ。小さな少女であった頃は無邪気に受け入れたそれも、分別がつくようになってから全て枷でしかなかったのです。
誰もお母様の事をユリアデットと見てくれなかった……お父様以外は。お父様とお母様の関係も今となってはとても歪に感じますが、お母様はそんな歪でも「ユリアデット」と呼ぶお父様にすがっていらしたのですね。
もう少し私が気が付いて上げられたら、少しは関係は変わっていたでしょうか……。
予想に反してリンデール侯爵夫人は小さく笑いました。
「それもありますが、それだけではありませんよ。レディ・ユーティア。だって「グラフの指輪」に国を治める力はありませんもの。国を治めるのは人です、人あってこその力ですわよ」
「あ……」
お母様にはこのように言ってくださる先生は悲しい事におられなかったのでしょう。知識と慈愛の先生の瞳は私の不安を全てご存じのようでした。私は本当に良い先生に巡り合えたのだと感謝してもしたりません。
私は順調にこの帝国に馴染んで行きました。気を使ってかシューも良く遊びに来て
「贈り物をしたいんだ。カッコつけさせくれるよな?」
色々な物を持ってきてくれますし、中々のヤンチャ話を聞いたりして順調に仲良くなっていきました。
「おにいいちゃんもまぜてえええええええ!」
「グラフィル様はまだ書類が終わっておりませんので」
ラング家を辞めてこちらへ戻ってきたメイド達に引きずられて部屋へ監禁されたりしているようです。
「母上を陛下に取られてから、フィル様は陛下の頼みを徹底的に無視したからなぁ。この国の魔法部隊はほぼリリアス家所縁の者で固められているから、陛下もずっと生きた心地がしなかったみたいだ。しかもこの帝国の基礎はグラフ・リリアスが作り上げた魔道カラクリ街でね。フィル様が本気を出したら王宮なんて粉々だよ」
「えっ!?そんなにグラフィル兄様にはお力があるのですか?」
「その上を行く力を持っているのがユーティアなんだけど?今度街へ行ってみる?面白い事が起きるよ」
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