5 / 5
5 あら?私ってば得をしたのかしら?
しおりを挟む
衛兵に背中を押されて、サルトルと、リーリエさんは夜会を後にしました。
我が家の馬車に乗ろうとして、一揉めしたみたいですが、もう我が家と関係ないサルトルは仕方がなくリーリエさんと一緒の馬車に乗ったようです。
勿論我が家に着いたところで玄関前にサルトルの私物が出されておりまして、我が公爵家にははいれませんし
「サルトル! お前なんて事を! なんて事をおおおー!」
我が家の好意で王都に家を借りていたサルトルの実父、マイナ子爵も家を追い出されています。
流石にあんな沢山の人の前で婚約破棄など、外聞が悪すぎます。わたくしだって怒っているのですし、お父様など冷静に見えてお腹の底からグラグラ煮えたぎっているのです。
「ははっ! マリア嬢よ、良い余興であった。それで良いかな?」
陛下は手を叩いてそう言ってくださいました。わたくしの失態を余興で済ませてくださるなんて、我が家ライナス家に取ってはありがたいことです。
「陛下の寛大な御心に感謝致します」
「うむ。出来れば我が息子のこと、少し考えてやってはくれぬかな?」
わたくしは深々と礼をするしかありませんでした。自分で決めて押し通したらこのざまぁでしたものね。
あら? 少し違ったかしら??
その後、少しのあいだサルトルもリーリエさんも学園に来ていたようですが、すぐに来なくなりました。今、何をしているのかわたくしの耳に入ってこなくなってしまいました。
「よろしくね、マリア嬢」
「こちらこそよろしくお願いします」
結局、婚約者はブレア第二王子になり、アザレア様は隣国の王太子に嫁いで行ってしまいました。
「ほほほ! マリアのお陰で王妃様になれたわ!」
と、ものすごく感謝されてしまいました。
「アザレアはいい子だったんだけど、なかなか野心家な上に元気過ぎてね。少し疲れてしまうんだ。それに比べてマリアは落ち着いてて……ふふ、嬉しいよ」
そんな風に言われたら、すぐ好きになってしまいそうです。
「私は王位は要らない。でも遠くに行くと兄上と父上が心配するから、近くのライナス公爵家だと何かとありがたい……あっ! もちろんマリアの事も気に入ってるんだ」
「まあ、ブレア様ったら」
わたくし達もいい関係を築いて行けそうですわ。これでわたくしの婚約破棄騒動は終息しました。
あら? 得したのはわたくしの方でしたかしらね?
【終】
我が家の馬車に乗ろうとして、一揉めしたみたいですが、もう我が家と関係ないサルトルは仕方がなくリーリエさんと一緒の馬車に乗ったようです。
勿論我が家に着いたところで玄関前にサルトルの私物が出されておりまして、我が公爵家にははいれませんし
「サルトル! お前なんて事を! なんて事をおおおー!」
我が家の好意で王都に家を借りていたサルトルの実父、マイナ子爵も家を追い出されています。
流石にあんな沢山の人の前で婚約破棄など、外聞が悪すぎます。わたくしだって怒っているのですし、お父様など冷静に見えてお腹の底からグラグラ煮えたぎっているのです。
「ははっ! マリア嬢よ、良い余興であった。それで良いかな?」
陛下は手を叩いてそう言ってくださいました。わたくしの失態を余興で済ませてくださるなんて、我が家ライナス家に取ってはありがたいことです。
「陛下の寛大な御心に感謝致します」
「うむ。出来れば我が息子のこと、少し考えてやってはくれぬかな?」
わたくしは深々と礼をするしかありませんでした。自分で決めて押し通したらこのざまぁでしたものね。
あら? 少し違ったかしら??
その後、少しのあいだサルトルもリーリエさんも学園に来ていたようですが、すぐに来なくなりました。今、何をしているのかわたくしの耳に入ってこなくなってしまいました。
「よろしくね、マリア嬢」
「こちらこそよろしくお願いします」
結局、婚約者はブレア第二王子になり、アザレア様は隣国の王太子に嫁いで行ってしまいました。
「ほほほ! マリアのお陰で王妃様になれたわ!」
と、ものすごく感謝されてしまいました。
「アザレアはいい子だったんだけど、なかなか野心家な上に元気過ぎてね。少し疲れてしまうんだ。それに比べてマリアは落ち着いてて……ふふ、嬉しいよ」
そんな風に言われたら、すぐ好きになってしまいそうです。
「私は王位は要らない。でも遠くに行くと兄上と父上が心配するから、近くのライナス公爵家だと何かとありがたい……あっ! もちろんマリアの事も気に入ってるんだ」
「まあ、ブレア様ったら」
わたくし達もいい関係を築いて行けそうですわ。これでわたくしの婚約破棄騒動は終息しました。
あら? 得したのはわたくしの方でしたかしらね?
【終】
1,353
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(6件)
あなたにおすすめの小説
何かと「ひどいわ」とうるさい伯爵令嬢は
だましだまし
ファンタジー
何でもかんでも「ひどいわ」とうるさい伯爵令嬢にその取り巻きの侯爵令息。
私、男爵令嬢ライラの従妹で親友の子爵令嬢ルフィナはそんな二人にしょうちゅう絡まれ楽しい学園生活は段々とつまらなくなっていった。
そのまま卒業と思いきや…?
「ひどいわ」ばっかり言ってるからよ(笑)
全10話+エピローグとなります。
「婚約破棄、ですね?」
だましだまし
恋愛
「君とは婚約破棄をする!」
「殿下、もう一度仰ってください」
「何度聞いても同じだ!婚約を破棄する!」
「婚約破棄、ですね?」
近頃流行りの物語にある婚約破棄騒動。
まさか私が受けるとは…。
でもしっかり聞きましたからね?
そんな事も分からないから婚約破棄になるんです。仕方無いですよね?
ノ木瀬 優
恋愛
事あるごとに人前で私を追及するリチャード殿下。
「私は何もしておりません! 信じてください!」
婚約者を信じられなかった者の末路は……
全部、支払っていただきますわ
あくの
恋愛
第三王子エルネストに婚約破棄を宣言された伯爵令嬢リタ。王家から衆人環視の中での婚約破棄宣言や一方的な断罪に対して相応の慰謝料が払われた。
一息ついたリタは第三王子と共に自分を断罪した男爵令嬢ロミーにも慰謝料を請求する…
※設定ゆるふわです。雰囲気です。
婚約破棄をされるのですね、そのお相手は誰ですの?
綴
恋愛
フリュー王国で公爵の地位を授かるノースン家の次女であるハルメノア・ノースン公爵令嬢が開いていた茶会に乗り込み突如婚約破棄を申し出たフリュー王国第二王子エザーノ・フリューに戸惑うハルメノア公爵令嬢
この婚約破棄はどうなる?
ザッ思いつき作品
恋愛要素は薄めです、ごめんなさい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
お芋ちゃんじゃぁ、仕方ない。
ほとんどでんぷんだからなぁ。
でんぷんは良い物なんですけどね~(*‘ω‘ *)
お読みいただきありがとうございました!
そっかーじゃがいもだったか。美味しいもんね。
こんにちわ!
返信が遅れて申し訳ありません!おじゃがでした~!最後まで美味しいジャガイモ君でいてくれればよかったのに、ですね。
面白かったです(*^^*)
ワードのお芋が笑えた( 〃▽〃)
こんにちわ
フフ('ω')お芋ちゃん!悪さしなければカワイイお芋でいられたのに……残念!