17 / 26
17 それからどうしたっけ?
しおりを挟む
「おっかしいなぁ」
ゲーム通りにならなくなって来た。親友のカリンは私をサポートしてくれるはずなのに、いくらたっても王子様に会わせてくれない。
あの作ったゲームでどうしたっけ? ああ、そうだ! 朝の登園時間にエイミアが私にぶつかって、私が転んで怪我をするんだ。そうしてカリンがやって来るのよ。
「ご、ごめんなさい……お姉様は、その、怖い方だから……」
なんてビクビクしてさ。ハンカチとかくれるの。そして、救護室まで連れて行ってくれそうになるんだけど
「フン、身分の低いモノ同士お似合いね」
って髪の毛をバサァってしたいけすかないエイミアに見下されるの。謝るカリンとそれを見ていた王子様が私に手を差し伸べてくれるんだわ。
「大丈夫かい? 可愛いお嬢さん。まったくエイミア嬢は……なんて優しさのかけらもない」
って憎々しげに見つめる、ってなるの!そうよ、そうよ! 良かったぁ、思い出せて。明日から朝の時間に校門近くに居ようっと。
そしたらエイミアがぶつかってくるから、また話がちゃんと進むわ。あーでもちょっと怪我しちゃうのか……やだけど、しょうがないよね。我慢しよう!
「よーし! オッケーよ!」
私は寮の部屋で一人叫んだ。ここは二人部屋だったのに、いつの間にか私一人になってた。同室だったリディはいつの間にか別の部屋に行ってしまい、今では
「は、話しかけないで! あなたと関わりがあると思われたくないの!!」
「え? どう言うこと??」
「ひいっ!」
声をかけたら悲鳴を上げて逃げるようになっちゃった。なによ、私は化け物じゃないっての。
「ま、良いけど」
一人の方が気楽に部屋を使えるし助かるけど。
「それにしても、お父様の手紙多いわぁ」
何通も何通も来ている手紙はどれも封を切っていない。だって間違いなく小言しか書いてないんだもん。
「学園を辞めろとか、まだ王子様にも会ってないつーの! に、してもお母様は楽しそう」
お母様からも何通か届いていてこちらは開けてみた。
私が王子様のハートを射止めた時用にドレスを仕立てたって書いてある。さっすがお母様! 指輪やネックレスも揃えたんだってーうわー楽しみ!
「に、しても私のドレスは良いけど、お母様の分も作らなくても良くない? しかもこの手紙もこの手紙もドレスを買ったって話ばっかり! どんだけ買ってんのよ」
なんか高級プレタポルテに出かけて夜会用のドレスを買ったとか、一週間後に別の店でまた買ったとか。
私の記憶ではお母様はまともなドレスは一、二着しかなくて夜会のたびに手直ししたり、小物を変えたり羽織物を変えたりして出かけていたわよね?
そういうのは子爵家ではほとんど当たり前で、子爵達がメインの夜会ではどういったアレンジをするかで婦人達の話が盛り上がったりしているのよね。
「あーあ。長年のストレスのせいで爆買いしてんだわ。こうなる前にお父様も少しくらい買ってやれば良かったのに」
ハヴェル家の財産は知らないけど、年に1着くらいドレスを新調してやるくらいはできるはずよ? 知らないけど。
「お父様はケチくさいからなー! よし!やっぱり私が王子様と結婚して玉の輿に乗ってやらなきゃだわね! あー早く紹介してくんないかしら? ほんとカリンったら使えないコよねぇ!」
私は明日から学園の門の前で立って待つことにしたのだった。
「待っててね! 王子様!」
ゲーム通りにならなくなって来た。親友のカリンは私をサポートしてくれるはずなのに、いくらたっても王子様に会わせてくれない。
あの作ったゲームでどうしたっけ? ああ、そうだ! 朝の登園時間にエイミアが私にぶつかって、私が転んで怪我をするんだ。そうしてカリンがやって来るのよ。
「ご、ごめんなさい……お姉様は、その、怖い方だから……」
なんてビクビクしてさ。ハンカチとかくれるの。そして、救護室まで連れて行ってくれそうになるんだけど
「フン、身分の低いモノ同士お似合いね」
って髪の毛をバサァってしたいけすかないエイミアに見下されるの。謝るカリンとそれを見ていた王子様が私に手を差し伸べてくれるんだわ。
「大丈夫かい? 可愛いお嬢さん。まったくエイミア嬢は……なんて優しさのかけらもない」
って憎々しげに見つめる、ってなるの!そうよ、そうよ! 良かったぁ、思い出せて。明日から朝の時間に校門近くに居ようっと。
そしたらエイミアがぶつかってくるから、また話がちゃんと進むわ。あーでもちょっと怪我しちゃうのか……やだけど、しょうがないよね。我慢しよう!
「よーし! オッケーよ!」
私は寮の部屋で一人叫んだ。ここは二人部屋だったのに、いつの間にか私一人になってた。同室だったリディはいつの間にか別の部屋に行ってしまい、今では
「は、話しかけないで! あなたと関わりがあると思われたくないの!!」
「え? どう言うこと??」
「ひいっ!」
声をかけたら悲鳴を上げて逃げるようになっちゃった。なによ、私は化け物じゃないっての。
「ま、良いけど」
一人の方が気楽に部屋を使えるし助かるけど。
「それにしても、お父様の手紙多いわぁ」
何通も何通も来ている手紙はどれも封を切っていない。だって間違いなく小言しか書いてないんだもん。
「学園を辞めろとか、まだ王子様にも会ってないつーの! に、してもお母様は楽しそう」
お母様からも何通か届いていてこちらは開けてみた。
私が王子様のハートを射止めた時用にドレスを仕立てたって書いてある。さっすがお母様! 指輪やネックレスも揃えたんだってーうわー楽しみ!
「に、しても私のドレスは良いけど、お母様の分も作らなくても良くない? しかもこの手紙もこの手紙もドレスを買ったって話ばっかり! どんだけ買ってんのよ」
なんか高級プレタポルテに出かけて夜会用のドレスを買ったとか、一週間後に別の店でまた買ったとか。
私の記憶ではお母様はまともなドレスは一、二着しかなくて夜会のたびに手直ししたり、小物を変えたり羽織物を変えたりして出かけていたわよね?
そういうのは子爵家ではほとんど当たり前で、子爵達がメインの夜会ではどういったアレンジをするかで婦人達の話が盛り上がったりしているのよね。
「あーあ。長年のストレスのせいで爆買いしてんだわ。こうなる前にお父様も少しくらい買ってやれば良かったのに」
ハヴェル家の財産は知らないけど、年に1着くらいドレスを新調してやるくらいはできるはずよ? 知らないけど。
「お父様はケチくさいからなー! よし!やっぱり私が王子様と結婚して玉の輿に乗ってやらなきゃだわね! あー早く紹介してくんないかしら? ほんとカリンったら使えないコよねぇ!」
私は明日から学園の門の前で立って待つことにしたのだった。
「待っててね! 王子様!」
387
あなたにおすすめの小説
えっ「可愛いだけの無能な妹」って私のことですか?~自業自得で追放されたお姉様が戻ってきました。この人ぜんぜん反省してないんですけど~
村咲
恋愛
ずっと、国のために尽くしてきた。聖女として、王太子の婚約者として、ただ一人でこの国にはびこる瘴気を浄化してきた。
だけど国の人々も婚約者も、私ではなく妹を選んだ。瘴気を浄化する力もない、可愛いだけの無能な妹を。
私がいなくなればこの国は瘴気に覆いつくされ、荒れ果てた不毛の地となるとも知らず。
……と思い込む、国外追放されたお姉様が戻ってきた。
しかも、なにを血迷ったか隣国の皇子なんてものまで引き連れて。
えっ、私が王太子殿下や国の人たちを誘惑した? 嘘でお姉様の悪評を立てた?
いやいや、悪評が立ったのも追放されたのも、全部あなたの自業自得ですからね?
【完結】優雅に踊ってくださいまし
きつね
恋愛
とある国のとある夜会で起きた事件。
この国の王子ジルベルトは、大切な夜会で長年の婚約者クリスティーナに婚約の破棄を叫んだ。傍らに愛らしい少女シエナを置いて…。
完璧令嬢として多くの子息と令嬢に慕われてきたクリスティーナ。周囲はクリスティーナが泣き崩れるのでは無いかと心配した。
が、そんな心配はどこ吹く風。クリスティーナは淑女の仮面を脱ぎ捨て、全力の反撃をする事にした。
-ーさぁ、わたくしを楽しませて下さいな。
#よくある婚約破棄のよくある話。ただし御令嬢はめっちゃ喋ります。言いたい放題です。1話目はほぼ説明回。
#鬱展開が無いため、過激さはありません。
#ひたすら主人公(と周囲)が楽しみながら仕返しするお話です。きっつーいのをお求めの方には合わないかも知れません。
婚約者を義妹に奪われましたが貧しい方々への奉仕活動を怠らなかったおかげで、世界一大きな国の王子様と結婚できました
青空あかな
恋愛
アトリス王国の有名貴族ガーデニー家長女の私、ロミリアは亡きお母様の教えを守り、回復魔法で貧しい人を治療する日々を送っている。
しかしある日突然、この国の王子で婚約者のルドウェン様に婚約破棄された。
「ロミリア、君との婚約を破棄することにした。本当に申し訳ないと思っている」
そう言う(元)婚約者が新しく選んだ相手は、私の<義妹>ダーリー。さらには失意のどん底にいた私に、実家からの追放という仕打ちが襲い掛かる。
実家に別れを告げ、国境目指してトボトボ歩いていた私は、崖から足を踏み外してしまう。
落ちそうな私を助けてくれたのは、以前ケガを治した旅人で、彼はなんと世界一の超大国ハイデルベルク王国の王子だった。そのままの勢いで求婚され、私は彼と結婚することに。
一方、私がいなくなったガーデニー家やルドウェン様の評判はガタ落ちになる。そして、召使いがいなくなったガーデニー家に怪しい影が……。
※『小説家になろう』様と『カクヨム』様でも掲載しております
【完結】愛され令嬢は、死に戻りに気付かない
かまり
恋愛
公爵令嬢エレナは、婚約者の王子と聖女に嵌められて処刑され、死に戻るが、
それを夢だと思い込んだエレナは考えなしに2度目を始めてしまう。
しかし、なぜかループ前とは違うことが起きるため、エレナはやはり夢だったと確信していたが、
結局2度目も王子と聖女に嵌められる最後を迎えてしまった。
3度目の死に戻りでエレナは聖女に勝てるのか?
聖女と婚約しようとした王子の目に、涙が見えた気がしたのはなぜなのか?
そもそも、なぜ死に戻ることになったのか?
そして、エレナを助けたいと思っているのは誰なのか…
色んな謎に包まれながらも、王子と幸せになるために諦めない、
そんなエレナの逆転勝利物語。
悪役令嬢ベアトリスの仁義なき恩返し~悪女の役目は終えましたのであとは好きにやらせていただきます~
糸烏 四季乃
恋愛
「ベアトリス・ガルブレイス公爵令嬢との婚約を破棄する!」
「殿下、その言葉、七年お待ちしておりました」
第二皇子の婚約者であるベアトリスは、皇子の本気の恋を邪魔する悪女として日々蔑ろにされている。しかし皇子の護衛であるナイジェルだけは、いつもベアトリスの味方をしてくれていた。
皇子との婚約が解消され自由を手に入れたベアトリスは、いつも救いの手を差し伸べてくれたナイジェルに恩返しを始める! ただ、長年悪女を演じてきたベアトリスの物事の判断基準は、一般の令嬢のそれとかなりズレている為になかなかナイジェルに恩返しを受け入れてもらえない。それでもどうしてもナイジェルに恩返しがしたい。このドッキンコドッキンコと高鳴る胸の鼓動を必死に抑え、ベアトリスは今日もナイジェルへの恩返しの為奮闘する!
規格外で少々常識外れの令嬢と、一途な騎士との溺愛ラブコメディ(!?)
悪役令嬢の私、計画通り追放されました ~無能な婚約者と傾国の未来を捨てて、隣国で大商人になります~
希羽
恋愛
「ええ、喜んで国を去りましょう。――全て、私の計算通りですわ」
才色兼備と謳われた公爵令嬢セラフィーナは、卒業パーティーの場で、婚約者である王子から婚約破棄を突きつけられる。聖女を虐げた「悪役令嬢」として、満座の中で断罪される彼女。
しかし、その顔に悲壮感はない。むしろ、彼女は内心でほくそ笑んでいた――『計画通り』と。
無能な婚約者と、沈みゆく国の未来をとうに見限っていた彼女にとって、自ら悪役の汚名を着て国を追われることこそが、完璧なシナリオだったのだ。
莫大な手切れ金を手に、自由都市で商人『セーラ』として第二の人生を歩み始めた彼女。その類まれなる才覚は、やがて大陸の経済を揺るがすほどの渦を巻き起こしていく。
一方、有能な彼女を失った祖国は坂道を転がるように没落。愚かな元婚約者たちが、彼女の真価に気づき後悔した時、物語は最高のカタルシスを迎える――。
姉にざまぁされた愚妹ですが何か?
リオール
恋愛
公爵令嬢エルシーには姉のイリアが居る。
地味な姉に対して美しい美貌をもつエルシーは考えた。
(お姉様は王太子と婚約してるけど……王太子に相応しいのは私じゃないかしら?)
そう考えたエルシーは、自らの勝利を確信しながら動き出す。それが破滅への道とも知らずに……
=====
性懲りもなくありがちな話。だって好きだから(•‿•)
10話完結。※書き終わってます
最初の方は結構ギャグテイストですがラストはシリアスに終わってます。
設定は緩いので何でも許せる方向けです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる