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第2話 姐さん、爆誕!
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あれからもう数か月どころか数年経った。5年くらい?
「ユキもすっかり姐になったよな」
私は自分で着物を着ることが出来るようになった。…大雄さんの前ではちょっと着崩してるけど…。
「よしとくれよ、恥ずかしい。あたしは自分にできることをしてるだけだよ。それより、今夜は早く帰って来れるのかい?」
私は大雄さんにしなだれかかる。
「すっかり姐さんだな。そうだな、今調べてることがわかったら早く帰れそうだ」
「それって先代の暗殺?」
「そうだ」
「前から思ってたんだけど、ボディーガードがたくさんついてる人間の心臓を一発でって凄腕のスナイパーか……」
「裏切りだ」
私も姐になって知った。極道は仁義とか任侠の世界。裏切りみたいな卑怯な真似は極道のルール違反。
「あたしも調べてみるよ。先代の時から組にいる人物で先代が亡くなった時に傍にいたメンバーを洗うよ」
「そっちはあらかたやったんだが……。なんとなぁ、白虎商事で秘書の原田以外は死んでんだよ」
「それじゃあ黒幕は原田?」
「そういうことになるんだが、動機がわからなくて」
「あたしはその動機を調べてみるよ」
「俺は素知らぬ顔で通常業務をしてくる」
「あ~あ、お帰りは22時かい?」
「なるべく早く帰るようにするよ」
原田は組に入る前は何をしてたんだろう?大学生?奨学金で大学に通ってたのか。立派じゃないか。そろそろ奨学金の返済も終わるだろう。
それにしても…奨学金を使わなければいけない原因……。原田の両親は?初代の側近をしていた親父さんとおふくろさんか。堅気の職業じゃないから色々と辛い目に遭っているんだね。
そして、親父さんが亡くなった原因が初代を庇って被弾したことによる出血多量。暴力団関係者は受け付けませーん。って病院多いからねぇ。処置が早ければ助かったかもしれないけど、亡くなってしまったんだね…。そして、親父さんを失った悲しみでおふくろさんは廃人に……。
これは原田の逆恨みだね。
組に所属している以上覚悟しておくべきことだし、でも両親が堅気じゃなくて辛い目に遭ったってのは子供心に傷が出来たかもね。
だからと言って原田が先代の命を奪っていいことにはならないし、それに口止め目的かと思われるけど、先代暗殺現場にいた組員の命まで奪う必要はなかっただろう。
復讐だけなら、先代の暗殺のみで済むはず。その現場にいた組員の命を奪ったことはただの保身目的だろう。許されることではない。復讐とは全く関係のない命を奪ったのだから。
夜遅くに大雄さんは帰ってきたので、調べ上げたことを報告した。
「はぁ、あいつの過去がなぁ。ユキの言うように先代だけならば復讐という大義名分が通る。しかしやはり、周りの組員の命まで奪ってしまったことは許しがたいことだな」
「どうするんだい?」
「秘書としてあいつは有能なんだよな。だけど、許しがたいことは許しがたい。したがって、組員として潔くその命で償ってもらうほかあるまい」
大雄さんの口角が怪しくも上がったのを見て、ちょっと身震いをしてしまった。
「どうした?寒いのか?仕方ないなぁ。俺がちょっと温めてやるか」
大雄さんはそう言い、私を抱いた。
なんだか、嫌なことを忘れようとしているように感じた。
信頼していた部下が親の仇。信じたくない事実。受け入れなければいけない事実。
「ユキもすっかり姐になったよな」
私は自分で着物を着ることが出来るようになった。…大雄さんの前ではちょっと着崩してるけど…。
「よしとくれよ、恥ずかしい。あたしは自分にできることをしてるだけだよ。それより、今夜は早く帰って来れるのかい?」
私は大雄さんにしなだれかかる。
「すっかり姐さんだな。そうだな、今調べてることがわかったら早く帰れそうだ」
「それって先代の暗殺?」
「そうだ」
「前から思ってたんだけど、ボディーガードがたくさんついてる人間の心臓を一発でって凄腕のスナイパーか……」
「裏切りだ」
私も姐になって知った。極道は仁義とか任侠の世界。裏切りみたいな卑怯な真似は極道のルール違反。
「あたしも調べてみるよ。先代の時から組にいる人物で先代が亡くなった時に傍にいたメンバーを洗うよ」
「そっちはあらかたやったんだが……。なんとなぁ、白虎商事で秘書の原田以外は死んでんだよ」
「それじゃあ黒幕は原田?」
「そういうことになるんだが、動機がわからなくて」
「あたしはその動機を調べてみるよ」
「俺は素知らぬ顔で通常業務をしてくる」
「あ~あ、お帰りは22時かい?」
「なるべく早く帰るようにするよ」
原田は組に入る前は何をしてたんだろう?大学生?奨学金で大学に通ってたのか。立派じゃないか。そろそろ奨学金の返済も終わるだろう。
それにしても…奨学金を使わなければいけない原因……。原田の両親は?初代の側近をしていた親父さんとおふくろさんか。堅気の職業じゃないから色々と辛い目に遭っているんだね。
そして、親父さんが亡くなった原因が初代を庇って被弾したことによる出血多量。暴力団関係者は受け付けませーん。って病院多いからねぇ。処置が早ければ助かったかもしれないけど、亡くなってしまったんだね…。そして、親父さんを失った悲しみでおふくろさんは廃人に……。
これは原田の逆恨みだね。
組に所属している以上覚悟しておくべきことだし、でも両親が堅気じゃなくて辛い目に遭ったってのは子供心に傷が出来たかもね。
だからと言って原田が先代の命を奪っていいことにはならないし、それに口止め目的かと思われるけど、先代暗殺現場にいた組員の命まで奪う必要はなかっただろう。
復讐だけなら、先代の暗殺のみで済むはず。その現場にいた組員の命を奪ったことはただの保身目的だろう。許されることではない。復讐とは全く関係のない命を奪ったのだから。
夜遅くに大雄さんは帰ってきたので、調べ上げたことを報告した。
「はぁ、あいつの過去がなぁ。ユキの言うように先代だけならば復讐という大義名分が通る。しかしやはり、周りの組員の命まで奪ってしまったことは許しがたいことだな」
「どうするんだい?」
「秘書としてあいつは有能なんだよな。だけど、許しがたいことは許しがたい。したがって、組員として潔くその命で償ってもらうほかあるまい」
大雄さんの口角が怪しくも上がったのを見て、ちょっと身震いをしてしまった。
「どうした?寒いのか?仕方ないなぁ。俺がちょっと温めてやるか」
大雄さんはそう言い、私を抱いた。
なんだか、嫌なことを忘れようとしているように感じた。
信頼していた部下が親の仇。信じたくない事実。受け入れなければいけない事実。
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