【完結済】25億で極道に売られた女。姐になります!

satomi

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第5話 小娘の所業

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 22時に帰って来た大雄さんに今日来た赤川組のリコという小娘の話をした。
「あー、赤川かぁ。あそこは昔からきな臭いんだよな。第一、俺とその小娘は年が離れすぎだろう?」
「あたしと大雄さんも結構年齢離れてると思うけど?」
「それどころじゃねーって。あの小娘、今19才?俺はアラサーなんだが?」
「それだけ昔から好き好きなんだろう?」
 私はそっぽを向いた。そんなことはないって思ってたけど、やっぱり嫉妬しちゃってたのかなぁ?
「俺の姐は昔からお前だけって決まってるだろ?」
 大雄さんの手が着物の合わせから入ってくるので、許してしまう。
「もうっ、仕方ないなぁ。赤川についてもっと調べてみるよ」
「俺もそうしたいけど、今は通常業務かな?新橋も新人秘書やってるし」
 そんな会話をしながらも二人の夜は更けていった。



 朝、目が覚めると大惨事の声が……。
「調理場の消火を!」
「いや、まずお嬢さんの避難だろ?」

 私は乱れた衣服を整えて現場へ行った。
「何があったんだい?」
「今朝早くに赤川のお嬢さんがいらして、朝食を作る!と言い出したんで組員が待っていたのですが、しばらくすると調理場から煙が……」
 料理慣れしてない人が無理に料理して失敗した感じか?組員が待っていた理由は普段私が朝食を作る時に待っているからだろう。本当ならば、お嬢さんの側に1・2人いるべきなんだけど。
「なんだい?この消し炭の山?朝からBBQかい?炭なら余ってるよ?」
「それは……おそらく赤川のお嬢さんが目玉焼きを作ろうとして失敗した焼かすかと……」
 目玉焼きを失敗……私は小学生の時点で目玉焼きを作れたけど?

「何よ、馬鹿にしにきたの?」
「何勘違いしてるんだい?調理場の後かたづけと朝食の支度だね」
「酷い女!自分の分だけ作ろうとしてるのね?」
「もちろん組員の分も作るよ?毎朝してることだし、が卵を無駄にしたから卵料理はできなくなったけど、それでも作れるからねぇ。お嬢さんも食べて行くかい?もちろん食べたらおかえり願うが。大雄さんならもう出かけたんじゃないか?朝食は社の方で食べてるみたいだし」

 卵がないのはかなり朝食として痛いけど、朝だし軽く中華粥を作った。……卵はないけど。

「流石、姐さんです!今朝の料理も最高です!」
「卵がないのが無念です」
「言うなよ、まだ赤川のお嬢さんがいらっしゃるんだから」
「自分、昨日飲み過ぎたんで、胃に優しいっす!」

「ほら、お嬢さんもお食べ」
「いいわよ、もう帰るわ」
 その日、元凶はしっぽを巻いて帰っていった。何をしに来たのやら?調理場壊しに?

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