【完結済】25億で極道に売られた女。姐になります!

satomi

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第10話 入籍

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「大雄さん、今夜が初夜というやつでしょうか?」
「うーん、世間的にはそうなんだろうな。でもなぁ、俺とユキの関係はそんなんじゃないし」
 言ってしまえば、内縁の関係というんだろうか?
 組的には大雄さんが‘こいつが姐’って言った瞬間に婚姻が成立するようなもので、なんだか違う。
「しかしなぁ、正式にユキが俺の姐なわけで、組の跡目を産んでほしいのも正直なところだな」
「それは、いくらでも!」
「いくらでもってことはないだろう?まぁ、一人は男の子が欲しいなぁ。ユキみたいに賢くて凛とした女の子もいいなぁ」
 そんな話をしながら、大雄さんは私の着物を脱がしていった。
「あの…大雄さん寒いです」
「いいんだよ。俺が温めるから♪」
 そんな初夜でした。


 翌日の朝、魔法のように調理場が治っているわけもなく、
「おはよう、今日中に治るかい?」
「あ、姐さん!おはようございます!」
「今日中に治させます。昨日のようにカセットコンロで調理するのは限界があるので」
 だよね…大雄さんの独占欲も酷かったし、独占欲と言えば……昨夜、大雄さんに所有印を付けまくられたため、着物をキッチリと着ないと組員に丸見えで恥ずかしい!

 持っていることを忘れかけていた私のスマホに大雄さんから無事に役所に書類を提出したと報告があった。スマホは白虎組の姐になった時に渡されたものです。使い方がわからなくなったら、組の若い衆に聞くようにしてる。
 晴れて私は‘白川ユキ’となりました。


 厚顔無恥というのだろう。
 また赤川リコが白虎組へとやってきた。
「何しに来たんだい?」
「あなた、大雄さんと正式に籍を入れてないんでしょ?それなら私が姐になるチャンスがあるかと思って」
「はぁ、残念だけど今朝正式に役所に籍を入れたよ。今の私の本名は白川ユキ。あなたに姐になる機会は全くないよ。さあ帰んな」
「あの小娘何しに来たんで?」
「あたしへのいやがらせ?牽制?だろうね。暇だねぇ、もっと時間は有効に使わないと。まぁまず料理の特訓かい?」
「そうですね、調理場がアレじゃあ皆に迷惑ですよね。姐以前の問題ですよね」
 そう思うんだけどなぁ。赤川は何を考えてるんだ?


 それからも度々赤川リコは白虎組にやって来たが、することがないとわかると帰っていく。赤川の意図がわからない。
 ふと、リコが通りすがりに躓いたところ(そこで躓くか?ってところを含む)を調べてみた。出るわ出るわ盗聴器に盗撮器。これが目的なのかぁ。
 この事も帰宅した大雄さんと二人っきりになった時に話した。大雄さんの部屋の付近にはあの小娘が近づけなかったから。つまり、盗聴も盗撮もされないから。

「何の用なのか最近あの小娘が組に来るようになっていたので、小娘が不審に躓いたところを調べたんです。そしたら、盗聴器や盗撮器なんかが出てきました」
「赤川としてはそれで決定的なことをつかんで俺を脅迫するつもりだったのか?まだ白虎組のトップを狙ってたのか?」
「トップって大変なんじゃないですか?権力は持てるだろうけど、カリスマ性も持ち合わせていないといけないし…。それを考えると盗聴器とか盗撮器でコソコソとしているようじゃ器が小さくて、カリスマ性もどうかと思います」
「ユキにそう言ってもらえるとなんだか嬉しいなぁ。盗聴器ねぇ…。一つ拝借して、俺らのラブラブっぷりを聞かせてやろうか?」
「それは作戦としてはいいけど、恥ずかしいと言えば恥ずかしい。
「恥じらうユキも可愛いなぁ。よし、盗聴させよう!」

 こうして、私と大雄さんのラブラブっぷりを盗聴させた(ワザと)。聞いてる方はたまったもんじゃないだろう。
 声と音だけAVみたいな?何時間も拷問だろう。

*******

「白虎組の組長は気付いてるみたいだな、盗聴器。盗撮器もきっと……。リコ!わからないように設置したんだろうな?」
「躓いたひょうしに設置したわよ」
 赤川組長は頭を抱えてしまった。
「そんなに一日で何度も躓く人間がいるか!」
「え~?何日もかけて設置したのに?」
「白川の姐はなかなか食えないようだな、お前が何度も躓いたり、用もないのに組に出入りする目的について考えたんだろう」

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