【完結済】25億で極道に売られた女。姐になります!

satomi

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第11話 妊娠

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 赤川の小娘はここのところ見なくなった。
 精神衛生上、すごくいい。

 だというのに…何この気怠さ?食欲もあんまりないし。
 ん?このところ忙しくて気にも留めてなかったけど、前の生理からどのくらい経ってるの?
 半年?
 冗談でしょ?毎晩のように大雄さんに求められるがままに応じてたからなぁ。
 
 私はドラッグストアで数種類妊娠検査薬を買って、屋敷で検査をした。

 全て陽性。

 これは……。病院でキチンと検査した方がいいんだろうけど、私は堅気じゃないし、診てくれるところがあるものかわからない。
 まずは大雄さんに相談した方が良さそうな案件ね。

「姐さん、気怠い感じが色っぽくていいよな」
「色っぽいというか艶っぽい?」
「あんまり言うと、三代目に半殺しにされるぞ!」
「「お、おう」」
 私はそれどころじゃなく辛いんだけどな。

「悪いね、何だか調子が悪いから先に休むよ」
 と私は休ませてもらった。夕飯の支度も済んだし、問題はないだろう。若い衆なら気をきかせて食器の片付けをしてくれるかもしれないと淡い期待までしてしまう。
 眠気にまで襲われて、私は眠りについた。


「「「「おかえりなさいやしっ、三代目ぇ」」」」
「お、おう」
 という元気な声で目が覚めた。22時にこんな声でご近所に迷惑にならないかとも頭をよぎったけれど、この屋敷の庭は広いからご近所まで声を届かせる方が難しいだろう。私も出迎えなきゃ。
「おかえり、あんた。ちょっと調子が悪くて横になってたんだよ」
「そうだな、顔色もあんまりよくない。横になっていてくれ。しばらくしたらまた行く」
 夕飯を食べたらという事だろう。



「大雄さんに報告が……妊娠検査薬で検査したら、全部陽性だったの。全部私が妊娠してるって、それでキチンと診てくれるところがあるのか、大雄さんに聞こうと思ってたんだ。……大雄さん?大雄さん?」
「あ、悪い。衝撃で固まってしまって。自分に子供……。すごく嬉しい。えーと、ユキの診察をしてくれるところ……。あ、ダメだ。頭が混乱して働かない!明日にでも新橋に調べさす!妊娠初期は大事だって言うからな。ユキは安静に!夕飯は食べたのか?」
「少しは体に入れないとなと思って。少しは食べた」
「柑橘系は食べることができるのか?」
「人それぞれよ?混乱し過ぎよ?」
 狼狽している大雄さんがなんだか可愛くて見守ってしまう。
「全ては明日よ。えーと、私が妊娠中。浮気しないでね!」
「それは安心しろ。俺にはユキだけだ」

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