【完結済】25億で極道に売られた女。姐になります!

satomi

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第18話  二人×2

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「どうだった?」
「「断られるのが怖いだけだろう?」って言ったら、図星だったみたいで黙って俯いて考え込んでたよ。でもさぁ、断られるのが怖くて告白もできないって相当本気なんだね。蘭さんの方だけどね、新橋とこのまま一緒に生きていきたいって言ってるのよ」
「それは、ヤクザもんとしては朗報だよな。新橋には是非とも彼女を射止めてほしい」
「そうだよねー。私さぁ、本当は蘭さんに乳母をしてほしかったんだ。でも、子どもを作るような関係でもないみたい」
「何ぃ!!まだ何もしてないのか?」
「大雄さん、声大きい。まぁ、そう。だって、断られるのが怖いような男だもん、本気で大切に想ってる人だから、簡単に手を出せないんでしょ?」
「レンアイって難しいもんなんだなぁ」
 自分は何なのよ。


 その数日後、二人はうまくまとまったようで、『屋敷の部屋で余ってる部屋を二人で使いたい』と言い出した。うーん、ラブホとか使ったのかな?野暮だからそこらへんは聞かないでおこう。



 数か月後に私は男女の双子を出産した。
 名前は大志たいし大海ひろみ。二人の命名の書を大雄さんが書いた。
 筆ペンじゃないよね?書道よね?めっちゃうまいんですけど?組を背負うものの必須科目なの書道……。墨汁使ってません。墨は摺るところから?ってレベルなんですけど…。

 二人の育て方については、原田の例があるから、‘親がヤクザもん’っていうのは周りにわからせないように接する努力をしようと大雄さんと話を付けた。
 親の職業って子供にかなり影響あるんだなぁ。

 赤川リコが男の子を産んだらしいけど関係ない。
 うちの大海には白虎商事を継いでもらう予定だし、赤川は赤川で頑張ればいい。
 大志は言わずもがな、四代目。


 新橋から蘭さんと籍を入れたと報告があった。
 蘭さんのご両親に挨拶に行ったら、新橋は殴られたらしい。蘭さんは勘当を言い渡せれたらしいけど。
 それでも一緒にいたいんだからそれはそれでいいと思う。新橋は大雄さんの秘書って言う定職についているし、蘭さんだってこれからは白虎組の専属医師となる。


 そんな二人だけど、蘭さんから「妊娠したっぽいんだよね」と聞いた。
 この場合、どうすればいいのだろう?私は出来る限りのことするよ?でも限界がある。新橋も助けてくれるだろうけど……。
「世の中には一人で出産する人もいるから大丈夫。無理したりしないから」

 大雄さんが組員に「竹内先生が妊娠なさってるから、無理させないように」と言い聞かせた。これで、組員からのサポートも得られる。


「蘭さーん!籍入れてから、妊娠まで早くない?」
 とちょっと意地悪な質問をしてみた。この手の話に強くなったようで、
「ふふふっ、婚前交渉っていうのかしら?してたからかしら?」
 と返された。私としては赤面した蘭さんがお目見えすると思ってたのに、意外。
「性別とか、自分で検査してたしわかっちゃうんでしょ?」
「うーん、私は知ってるんだけどね。龍二さんは楽しみはとっておく派みたい。準備が進まなくて産んでから結構慌てそうだけど、大丈夫かなぁ?」
 蘭さんは不安で心配そうだけど、それは多分組員総出で買い出しに行くことになるんだろうな。強面の男が紙おむつを真剣にどれにすべきか悩んでる姿を想像すると、笑ってしまう。
「多分、下っ端の組員に買いに行かせるんだと思うよ。人海戦術的な」
「大志君と大海ちゃんは?」
「今は組員たちが見てる…と思うけど。戻ったら大雄さんが見てるかも。そして怒られるかな?『二人から目を離すなんて!』って」
「親バカが爆誕したのね」
「蘭さんが産んだら新橋だってそうなるわよ。『1時間おきに写メを送れ』とか」
 そうして二人で笑いあった。
 

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