【完結済】25億で極道に売られた女。姐になります!

satomi

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第49話 懐かしのしたくもない再会

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 久しぶりに屋敷の玄関の方が騒がしい。
 玄関へと続く廊下の途中で若い衆に聞く。
「どうしたんだい?」
「どうも、自分達は姐さんの両親だと名乗る人たちが来やして」
 懐かしいあの人達?とっくに縁を切ったと思ってたのに今更何を?またお金をせびりに来たの?あの人達にしては根性のある行動だね。とりあえず、玄関に私一人で行くのをやめて大雄さんを…あ、仕事に行ったんだった。とにかく大雄さんに連絡を入れよう。
「今更何の用ですか?」
「久しぶりだね~ユキ~。すっかり姐さんになってまぁ」
「ユキが驚いているだろう?久しぶりだね、ユキも元気にしていたかい?」
 ってことはこの人たちは元気にしてたのか…。
「私の両親であるという証拠はあるんですか?困るんですよね?なりすまし」
 二人は顔を見合わせた。
 そんなものがなくても、私なら二人を許すだろうと思っていたの?そんなわけないじゃない?睡眠時間まで削って働かされていたのよ?許さないわよ?
「これでいいかしら?」
 見せられたものは戸籍謄本。二人の籍から私が抜けている。当然だ。私は戸籍上でも‘白川ユキ’なのだから。

「それで何が目的ですか?再会が目的でしたら果たされましたので、お帰り下さい」
 大志も大海も仕事中よね?大輝も在宅で仕事してるっていうし。

 その日は帰っていった。

 その日の夜大雄さんに報告をした。
「随分と懐かしい人たちがここに来たんだなぁ。俺も屋敷にいればよかったよ」
「仕事に行ってたでしょ?」
「そうなんだよなぁ。こないだ大海が会議で社内に保育所があればって提案をしたらしい」
「いいじゃない」
「だよなぁ。大海曰く「大輝が書類仕事を在宅でするようになって、私の仕事が増えた」ってのがモチベーションになってる。大輝に早く仕事復帰してくれと」
「大輝の書類処理能力も物凄いですもんね。そう考えての提案らしい。でも他の部署でも同じようなことが起きてるみたいでなぁ」
「優秀な人材が抜けて在宅仕事になったために社内の仕事が増えたってことですか?」
「そう。その提案に否と言ったのが笑える。営業課の部長だ。職員が暑い中外回りをしている時に自分はクーラーの効いた社内でデータ待ち。大海はそんな使えないやつは退職金も減額して自主退職してもらうって意気込んでるぜ」
「今どきいるんですね。そんな人。何が利になるのかよくわかってないみたいね。私の方ですけれども、懐かしい人たちと対峙しなきゃなんなかったから大雄さんも一緒が心強かったんだけど、既に出社後だった…。また来る可能性が高い。周りの組員にも私の両親って印象付けたから、組員たちが丁重に扱っちゃうかも」
「よし、まだ起きてるやつらに暴露するぞ!」
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