【完結済】25億で極道に売られた女。姐になります!

satomi

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第50話 組員にとってええ話

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「起きてる奴いるか~?」
「三代目!自分起きてるっす!なんだったら他の奴らも起こして…」
「ああいい、いい寝かせといてやれよ」
「うっす」
「明日、組員に言い聞かせてやってほしいんだけど、今日来た姐の両親だが」
「姐さんのご両親ですね?今後は丁重にもてなし…」
「だと思ったよ。姐の両親だが、その昔姐をこき使っていたんだ。姐はほぼ一日中バイトとかしてたな。その賃金は全部あの両親が吸い上げてたんだよ。姐の睡眠時間は一日二時間くらい?」
 組員は漢泣おとこなきしながら誓った。
「なんて姐さんは健気なんだ。わかりました。そのことを明日組員に知らせます。あの両親はここに出入りすべき人物ではない。と」
「まぁ、その地獄から救ったのが俺なんだけどな」
「流石三代目っす。惚れ直しました!」
「男に惚れられてもなぁ」
 大雄さんは顔をポリポリと掻きながら話をした。

「あの両親、何を企んでるのか……。俺も調べるけど。アレには大志・大海・大輝・大和・大斗も遭遇させないように気を付けろ!」
「うっす」
「調べるのは、俺と新橋…それから川野でするから、お前達は俺らの子や孫のガードを頼む。大志は四代目だけど、あの両親にとっては孫だからな…」
「明日から仕事は休むかぁ。そして調査だな」
「頼んだぞ」
「うっす」



「頼んできたぞ~」
「私を金で買ったとか言ったんですか?」
「イヤ、そうは言ってない。地獄から救った的な?」
「脚色がスゴイですね」
「組員に惚れ直された。男に惚れ直されてもなぁ?」

 翌日もあの両親は来たが、三代目の言いつけを守って組員たちは二人にお引き取り願った。これは多分想定外だったろう。
 予定では組員に丁重に扱われて、座敷に上がらせてもらえるとでも思っていたのだろう。

「噂だと、四代目がいるって」
「四代目ってことは、俺達の孫か?」
「明日は孫に会う権利があるって言ってみましょう?」
「それで行こう」


 翌日もあの二人がやって来た。
「四代目は私達の孫なんでしょう?それなら私達は孫に会う権利があるはずよね?」
「そうだ!孫に会わせてくれよ」

「権利とか言ってるけど、その前に義務を果たしたのか?お前ら二人は自分達の娘を養う義務を放棄していただろう?そのくせ権利だけは一丁前に主張するのか?」
 流石は大雄さんです。
「本当に権利大好き人間だな。義務は果たさないのにな。権利だけを主張する。自分たちの事がわかったなら帰んな」
「そうそう、ここに来てからユキが随分働いたみたいじゃない?その働きによってはって言ってたじゃない?」
「その働きによっては何なんだ?その続きは?」
「増額するんじゃないのかい?」
「俺はそんなこと一言も言っていないが?」
 大雄さんの言葉を遮ってお金に手をつけたのよね。浅ましい。

「お父さんその人たち誰?」
「大海!チッ、あいつらが目を離したすきにこっちに来ちまったじゃねーか」

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