【完結済】25億で極道に売られた女。姐になります!

satomi

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第68話 平和は続かない

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 ちょっと平和だったのに、若い衆から不穏な話を聞いた。
「姐さん、聞いてもらえますか?俺みたいな下っ端が三代目とお話をするなんて……」
 私ならいいの?
「で、なんだい?」
「白虎のシマで暴れてるちょっとしたチンピラがいるんですが、そいつらヤクをちらつかせてるんすよ。しかも自分たちは白虎の人間だと言いながら!」
「酷くないですか?白虎の人間がヤクを扱うわけないじゃないですか!」
 また~?赤川が片付いたと思ったのに。街のチンピラ風情が白虎を名乗ってヤクを売ってる?大雄さんが激怒する案件だけど?


 私は早速大雄さんにこの話をした。
「またヤクがらみかよ。面倒だなぁ」
 言いながら、着物の合わせに手を入れてくるから結構余裕あると思う。
「そうだ!組長として四代目の大志にこの案件を任せよう!」
 つまりは大志に丸投げってことか…。
「大志が危ない感じになったら手を貸すけど、それ以外俺はノータッチだ」
 私の胸には触りまくりだけど。


 結局大志と朔斗君でこの件について調査をすることになった。
「ご丁寧に「自分たちは白虎だ」って名乗ってヤクを売ってるんだもんなぁ。これは密売か?」
「いやぁ、密売ってもっとコソコソとするもんでしょ?」
「だよなぁ。サツがここに踏み込んでこないといいけど、向こうさんだってわざわざ名乗るのはオカシイって思うよな?」
「普通はそうですよね」

 街のチンピラだし、組に属してないから一応はカタギなのか?微妙なところだけど、目的がよくわからん。チンピラのうち一人をとっつかまえて、事情を聞くかぁ。
 フラフラと「ヤクを売ってくれないかなぁ」的な空気を出しながら(多分人生に疲れた感じの空気)、うろついた四代目と俺。
「お前ら、俺は白虎のものなんだけど、これ使わね?ここだけの話、これ使うとイイ感じにトリップできるぜ?これまでのヤクなんか比じゃないね。しかも結構安全でさぁ。使ってることが周りにバレねーの!超うけるぜ?」
 赤川弟が売ってたやつ、サツが横流ししてたやつか…。
「兄ちゃんたち、できてるんだろう?わかるぜ?世間様には認められないもんな。今までよりもスゲー快楽を得られるぜ?」
 そんな男を組に連行した。

「悪いな。俺たち二人とも妻帯者だ。二人とも妻は今妊娠中」
 蘭さんにこの男が持っていたヤクの分析を頼んだ。…速い。
「このヤク。ヤバいわよ。今までの方法じゃ簡単に検出ができないけど、依存性が強いわね。ごく少量ならいいかもだけど、体内に蓄積された量が増えるとドーンと依存しちゃうわ。赤川弟が持ってたヤクと100%成分が一致」
「アカガワオトウトって誰だよ?」
「世の中には知らない方がいいことの方が多いんだよ。とりあえず、お前も地下牢に入っとけ」

 翌日男を尋問した。
「なんでまた白虎だと名乗った?」
「元締めが名乗れって言うからさぁ」
「元締めって誰だ?」
「よくわかんねー。直接会ったことはない。駅のロッカーにヤクを入れとくからとかそんなのをメールでやり取りだ」
「金の受け取りとかは?」
「キャッシュじゃなくて、ネットで使えるポイントで支払われた。いい稼ぎになったんだけどなぁ」
「大輝に駅のロッカーのあたりの監視カメラの解析を頼む。…川野?」
「体に影響がないか心配で…」
「PCを使うくらい大丈夫だろう」


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