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第76話 大海のロマンスはどこへ?
しおりを挟む「私は四代目の妻の茜。『若姐』よ。ユキさんみたいな完璧な『姐』になるのが目標!」
「俺は川野朔斗。大輝の夫だ。役職は『若頭代理』だな」
「『若頭』は?」
「俺だ。茜の父の新橋龍二。妻の蘭はココの専属の医者をしてる」
「えーと、大体わかりました!日本の極道というやつなんですか。弱きを助け、強きを挫く!任侠!仁義!マフィアよりも怖くないです。ユビツメ、イレズミ!」
なんか憧れがあるみたい。変な人。
そこらへんに転がってるちびっこも一応紹介した。
「男の子が、大和と大斗で女の子が大佳と大己。人物の関係図は追々覚えるでしょ?」
「んー、もうほぼ覚えたんだけどね」
「ちびっこはまだあんまり区別つかないし。特に女の子は双子みたいにそっくりなんだよねー。大和と大佳が兄妹四代目の子。大斗と大己が兄妹は若頭代理の子。OK?」
「オッケー!人物相関図は頭の中にできたから大丈夫。複雑だねぇ」
「組員でもなかなか覚えられないのよね。特にちびっこたちはまだ顔がはっきりしてなくてみんな同じに見えるらしいよ。まだ男女差もよくわからないって。男の子は2才で女の子は0才」
「わかる気はするなぁ。4人、顔似てるよ。東洋人を見慣れてないだけかな?」
そのときこの庭の鹿威しがいい音を立てた。
「素晴らしい庭ですね!あの音は…コケオドシですか?」
「……シシオドシね。一応あるのよ。ちびっこたちの遊び場になってるわよ」
「元気な子ですね」
「そうなのよね」
2才でそこら辺をウロウロするからなかなか目が離せなくて、組員に任せているというか……。
「あぁ、五代目!危ないです‼」という声がよく聞かれる。庭の池にでも落ちそうになったんだろうか?
「私の家の事を言わないのはフェアじゃないですね。我が家は新興のマフィアをしています。極道と違って、容赦ないんですよね。簡単に構成員でも打っちゃうんですよね。それと、クスリを扱っています。極道でクスリを扱うというのはあんまり良いことではないと聞いています」
「そうだ。この組でもクスリはご法度だ。クスリで稼いだ金はいいもんじゃない」
「ですよね~。僕自体は長男ではないので家を継ぐ気は全くありません。ただ、家が経営している企業の経営をしているだけです。どうですか?海外の企業となりますが、白虎商事とSmith・Anderson international company と業務提携をしませんか?」
家の状態もソックリ。この件については三代目が決めることかな?会長だし。大海の一存ではどうなんだろ?
「白虎商事について、俺は大海に一任してるから提携するもしないも大海次第だな」
まさかの大海に丸投げ。というか引退?するんだなぁ。
「私としては大きなチャンスだと思ってる。願ってもないチャンスよ。是非お願いしたいわ。ただ、業務提携よ?白虎商事を吸収合併とかしないでよ?」
「それはもちろん。白虎商事の独立は保証しましょう」
「それではまた後日にキチンとした書面での業務提携をしましょうか」
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