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第112話 外伝㉘ 赤川リコ来る
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白虎組に赤川リコがやってきた。
昔ような華やかな若々しさは見る影もなく、貧相なお婆さんのようだ。
「赤川リコさんですね。初めまして、組の四代目を勤めています。大志と申します。何の用でしょうか?本来ならばあなたもお父上の罪と同様に償っていただくところですが、事情があるものですからねぇ」
「朔斗を出して!朔斗は私の息子よ!」
「朔斗がこの組で生活して25年以上になります。今更なんです?今更母親面されても困るんですよね」
すでに若頭だし?俺の妹と結婚して子供も3人いるし?そこに母さんが現れた。
「随分久しぶりじゃないかい?ちょっと見ない間にあんたは随分老け込んだんじゃないかい?」
「まぁ、いろいろあったんだよ」
死んだと思っていた実の親父に現金を持ち逃げされ、その父親が大きな罪を犯した上に叔父までさらに大きな罪だもんなぁ、苦労もした事だろう。カタギじゃないから病院にも碌に罹れなかっただろうしねぇ。
「でもまぁ、あんたの苦労と朔斗君との面会は別物だ。なんで今更朔斗君が必要になった?まさかの赤川組の再興?」
「ふっ、そのまさかだよ。散り散りになっていた組員たちも集まってきた。あとはそれを束ねるトップだけさ。それが朔斗だよ」
なるほどねぇ。
「散々虐げておいて必要になったからといって、今更ここに顔を出すとはねぇ?朔斗君が自分のところに来ると思っているのかい?」
「息子なんだ。当然だろう?」
自分の子供だから当然?私の両親みたいなこと言ってるなぁ。理不尽な…。
「その息子をサンドバックにされてても見ないふりをしていたんだろ?都合のいい時だけ母親面して、それは自己満足ってやつじゃないのかい?若しくは過去の罪の清算?」
「うるさいねぇ。私は朔斗さえ手に入ればいいんだよ!」
「朔斗君をここにお呼び」
私は若い衆に指示を出した。朔斗君は正直会いたくないと思う。むしろ存在を忘れてる?
「姐さん、なんでしょうか?」
「この女が朔斗君を必要としているよ?どうする?」
「ああ、朔斗!随分立派になったのね」
「誰?」
朔斗君、記憶から抹消したの?されても仕方ないような事をしてたのがこの女だけど。
「一応朔斗君の母親だよ」
「ああ、朔斗。私の事を忘れるほどの生活を送っていたんだね」
大輝とラブラブ生活を送ってたよ。赤川リコの存在なんか頭の中から消えてるだろうね。脳みその中に‘赤川リコ’ってスペースあったのって感じだよ。
「ああ、そういえば俺にも母親がいたのか。俺を産んでくれたことは感謝してるがそれだけだな。他に何の感情もないが?」
「朔斗君に赤川組を再興して欲しいんだと。この場合、大輝は連れて行かせないからね。大輝はうちの大切なブレーンだから」
「大輝と離れるなんて絶対にやだね。俺はココを離れないよ」
「ヒロキって誰よ?赤川組の組長よ?その座よりもその女(?)の方がいいの?」
「ああ、そうだよ。たかだか組長の椅子くらいで俺は動かされないね」
大輝で動かすことが出来そうだけど?
「だそうだよ。来るのが遅かったね。あと25年とちょっと前に来ていればなんとかなったかもしれないけど、もう手遅れだよ」
「覚えてなさいよ!」
そんな安っぽい捨て台詞を吐いて赤川リコは去って行った。
「「「イヤ、忘れる」」」
その考えが甘かった。
昔ような華やかな若々しさは見る影もなく、貧相なお婆さんのようだ。
「赤川リコさんですね。初めまして、組の四代目を勤めています。大志と申します。何の用でしょうか?本来ならばあなたもお父上の罪と同様に償っていただくところですが、事情があるものですからねぇ」
「朔斗を出して!朔斗は私の息子よ!」
「朔斗がこの組で生活して25年以上になります。今更なんです?今更母親面されても困るんですよね」
すでに若頭だし?俺の妹と結婚して子供も3人いるし?そこに母さんが現れた。
「随分久しぶりじゃないかい?ちょっと見ない間にあんたは随分老け込んだんじゃないかい?」
「まぁ、いろいろあったんだよ」
死んだと思っていた実の親父に現金を持ち逃げされ、その父親が大きな罪を犯した上に叔父までさらに大きな罪だもんなぁ、苦労もした事だろう。カタギじゃないから病院にも碌に罹れなかっただろうしねぇ。
「でもまぁ、あんたの苦労と朔斗君との面会は別物だ。なんで今更朔斗君が必要になった?まさかの赤川組の再興?」
「ふっ、そのまさかだよ。散り散りになっていた組員たちも集まってきた。あとはそれを束ねるトップだけさ。それが朔斗だよ」
なるほどねぇ。
「散々虐げておいて必要になったからといって、今更ここに顔を出すとはねぇ?朔斗君が自分のところに来ると思っているのかい?」
「息子なんだ。当然だろう?」
自分の子供だから当然?私の両親みたいなこと言ってるなぁ。理不尽な…。
「その息子をサンドバックにされてても見ないふりをしていたんだろ?都合のいい時だけ母親面して、それは自己満足ってやつじゃないのかい?若しくは過去の罪の清算?」
「うるさいねぇ。私は朔斗さえ手に入ればいいんだよ!」
「朔斗君をここにお呼び」
私は若い衆に指示を出した。朔斗君は正直会いたくないと思う。むしろ存在を忘れてる?
「姐さん、なんでしょうか?」
「この女が朔斗君を必要としているよ?どうする?」
「ああ、朔斗!随分立派になったのね」
「誰?」
朔斗君、記憶から抹消したの?されても仕方ないような事をしてたのがこの女だけど。
「一応朔斗君の母親だよ」
「ああ、朔斗。私の事を忘れるほどの生活を送っていたんだね」
大輝とラブラブ生活を送ってたよ。赤川リコの存在なんか頭の中から消えてるだろうね。脳みその中に‘赤川リコ’ってスペースあったのって感じだよ。
「ああ、そういえば俺にも母親がいたのか。俺を産んでくれたことは感謝してるがそれだけだな。他に何の感情もないが?」
「朔斗君に赤川組を再興して欲しいんだと。この場合、大輝は連れて行かせないからね。大輝はうちの大切なブレーンだから」
「大輝と離れるなんて絶対にやだね。俺はココを離れないよ」
「ヒロキって誰よ?赤川組の組長よ?その座よりもその女(?)の方がいいの?」
「ああ、そうだよ。たかだか組長の椅子くらいで俺は動かされないね」
大輝で動かすことが出来そうだけど?
「だそうだよ。来るのが遅かったね。あと25年とちょっと前に来ていればなんとかなったかもしれないけど、もう手遅れだよ」
「覚えてなさいよ!」
そんな安っぽい捨て台詞を吐いて赤川リコは去って行った。
「「「イヤ、忘れる」」」
その考えが甘かった。
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