【完結済】25億で極道に売られた女。姐になります!

satomi

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第120話 外伝㉟ 白虎組に来てまだ洋服だった頃

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 私は大雄さんに連れられてこの組に来たけれど、役に立ってるのかなぁ?
「おはようございます。姐さんの作った朝食は毎朝最高です!三代目が朝食前に仕事に行っちゃうのがもったいないと思うくらいです!」
 大雄さん、朝食よりも早い時間にもう出社なのよね。私も無念だわ。
「私って役に立ってるのかな?」
「何を言うんですか?姐さんの作る朝食は絶品だし、先日は帳簿を読んで、傘下の組の膿を出すことに成功したじゃないですか!すごい功績ですよ!」
「そうですよ。まだ、ここに来て少ししか経ってないのに、この功績は偉大です!」

 私、ユキは3日前にココに来た。あの家から脱出することができた。一人だったら無理だったと思うけど、大雄さんに25億で買われた感じ。
 買われたからには尽くすのが筋ってものだよね…。
「大雄さんは何時にお帰りになるのかわかる方はいらっしゃいますか?」
「「三代目は22時にお帰りになります」」
 仕事が忙しいんだ…。その後に私が尽くすの?
 私は体が火照っていくのを感じました。
 大雄さんはあの地獄のような家から私を連れ出してくれた恩人だけど、だけど……

 いろいろ考えていたら結局夕飯を作るのも忘れて寝てしまいました。
 大雄さんはそれでも文句も言わずに寄り添っていてくれました。

 毎日朝食を作ります。基本的に組員さんの食事は私が作ります。
 大雄さんは朝食はヌキなんでしょうか?昼食は会社の社食でいただいているそうです。私が大雄さんにお料理を振舞う事が出来るのは夕食のみ!
 組員さん達には一気に大勢が食べることが出来るような簡単なものになってしまいがちです。それでも喜んでくれるのが、なんとも嬉しいです。実家ではちょっとでも失敗すると怒られるから。
 大雄さんの分は以前に魚派だと言っていたので、煮魚を作ろうかなと思っています。帰りが遅いのですがその分味が染みこむかな?なんてズルい考え方でしょうか?きちんと小骨を取ったりとした処理をして後はひたすら煮込む!
 焼き魚派だったらどうしましょ?それはそれとして、煮魚も食べていただけるかな?

 大雄さんがお帰りになられて、大雄さんの前に「夕食です」(夜食かな?)と煮魚定食的なお食事をお出ししました。
「前に俺が魚派って言ったのを覚えていたのか?」と言われたので、喜んで頷きました。大雄さんに喜んでもらうのが私の楽しみです。
 大雄さんが味を噛みしめるように食べてくれました。お食事の仕方も美しいですね。箸の使い方とかかな?
「時間に余裕があるなら自分で漬物を漬けるってのはどうだ?力仕事ならここの連中喜んで姐さんの力になるぜ?」
 うん、それも良さそうだなぁ。季節になったら大量に大根とか白菜を買い込んで、お漬物にしてしまうのもいいかもしれないなぁ。


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