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3.視点変化ボブ→レイチェル
しおりを挟むゴシップ誌の情報でアップルビー王国がエルフィンストーン帝国の属国となることが報じられた。
「あの女の価値なんてそんなもんなのさ、属国がお似合いだ。アッハッハッハ」
「あらあら、ボブったらそんなに笑っていいことでもあったの?」
「君と暮らせるようになったことがいいことだが?まぁ、この記事を見て」
アップルビー王国がエルフィンストーン帝国の属国となる事が報じられていた。
「笑ってる場合じゃないわよ。エルフィンストーン帝国っていったら、この辺で一番力のある国じゃない?」
「そうなのか?」
うむ、俺はちょっと井の中の蛙チックなところがあるなぁ。
「エルフィンストーン帝国がアップルビー王国に資金提供とかするのかしら?そしたら私達の公国、どうなるの?」
「俺達は無敵だよ!」
「根拠がないじゃない!」
「ベラが不安になるほどじゃないんじゃないかなぁ?ま、この公国の敵じゃないさっ」
所詮はレイチェル。どうせ何もできやしない。身売りのようにエルフィンストーン帝国に援助してくれと申し出たんだろう?愉快愉快♪俺だってあんな貧乏王国の王配よりも独立して公国のトップとして暮らす方がいい!
*****
「あの、セドリック様?」
「アップルビー王国が属国と言うようにこの記事には書かれているのですが?」
「ああ、いきなり合併って書くより、ダメージがあるかなぁ?と思って」
確かに合併すれば国土も大きくなるし、何もかも最強になりますもんね。
「最初に小出しで『属国』とすれば、あの男の事だ「所詮は~」とか言う話をするだろう。こちらの思うつぼだよ。本当に王配に向いてないな。近隣諸国の力関係も把握していないのか。何であいつが王配だったんだ?」
「……酔った国王が国内の公爵にくじで決めさせたんです。あぁ、恥ずかしい!」
墓まで持っていうはずだったのにぃ~。
属国としてなら金銭的援助など、各種援助を行ってもらうことになるなぁ。本来ならばするはずのないアップルビー王国から鉱山資源をエルフィンストーン帝国へと輸出(?)することになるけど。
真実は合併だから、そんなこともないのよね。
各種援助は当然。アップルビー王国という土地で採れた鉱山資源はごく自然にエルフィンストーン帝国のものだし。別に輸出とかそういう関係じゃないのよね。
ああ、後妻は浪費するからエルフィンストーン帝国にある邸に幽閉しています。エルフィンストーン帝国に行ってほしいと言ったら、二つ返事でエルフィンストーン帝国に行きました。―――幽閉されるとも知らずに。おそらく、アップルビー王国にいるよりもお金目的でエルフィンストーン帝国に出掛けたんじゃないかな?そんなうまい話はないのに。お父様も一緒です。一蓮托生で、切り抜けて下さい。抜けられないでしょうけど。
朝のセドリック様は気だるげに紅茶を片手に 各社新聞記事を全部読んでいるようです。
ストイックですね。―――私にはできない。やりたくもない。
「アップルビーからの鉱山資源だけど採りすぎないようにね。一定を保つようにしてくれると助かる」
セドリック様が言うんだから、間違いないんだろう。
「エルフィンストーン帝国の中でもアップルビーは南の方にあるんだよね。なんか特産の果物とかできないかなぁ?」
ほう。そんなことまで考えていたんだ。
「今度アップルビーに行ったら、農家さんに提案してみますね」
合併っていうことを知ってるのは、アップルビーの上層部だけなんだよね。国民とか下級貴族とかは、あの記事の属国って信じてるんだろうな。
信じてアップルビーについてきてくれた下級貴族に黙っているのはちょっと心が痛い。
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