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前編
しおりを挟む「父上、母上。我が領が王国と隣国との間の緩衝材として存在していたわけですが、もはや緩衝材どころではなくなってしまいました」
確かになぁ。俺がここに来て、知恵を絞っていた時は緩衝材として生きて行けたんだろうけど、子供達の世代になったら財政が辺境≫ラルラ王国となったしまったのだろう。
「父上、母上。ここは腹をくくって国を立ち上げるべきではと思います」
と言うのは、娘のマーガレット=ルミス。さっきまで内政の話をしていたのは息子のブラッドリー=ルミス。二人は双子だというのに、息子の方が内政とか外交に強く、娘が物理的に強い女騎士となった。
領の中にいる民たちも力の行き場に体をうずうずとさせているようだし…。娘の言うように国を立ち上げるべきかなぁ?
「父上、国を興す際には国際法に則り、いろんなことをしなくてはなりませんよ?領土と民の数はまあ足りていますね。その他に現在のラルラ国王の処遇をどうするのか?とかすることは多岐に及びますよ?」
そうなんだよなぁ。だから、今までも国を興さないであくまでもラルラ国の辺境伯領で~す。という立場でいたんだけど、限界が近いみたいだ。
息子のブラッドリーは他国とも対等に言語を交わし、外交を行い貿易をしてきたので辺境伯領は潤いまくっている。
それに比べ、ラルラ王国は他国との外交でも言語は自国の物。傲慢が過ぎる。そんなだから結構他国からもそっぽを向かれがちで、国庫が減ってきているという話だ。
減る原因がわからないが、辺境伯からも納税しているし、どういう事だろう?
わからないのが癪なので、私設の騎士団の一部にどういう事かを調査してくるように命じた。
数か月後、原因を探っていた騎士団が戻ってきてその理由を告げた。
「旦那様を嵌めた王太子様奥様がそのまま王妃様となったわけですが、勘違いをしているようですね。お金が湧いてくると思っているのでしょうか?ハッキリと申し上げますと、彼女が浪費をしています。元・王太子様の国王も彼女の後ろ盾なくして自分は国王になれなかったという負い目があるのでしょうか?彼女の浪費を諫めることもできないようでしたね」
なんだそれ?
つまりは、『ポンコツ国王夫妻』ということになる。
「もうクーデター起こしちゃっていいかなぁ?」
ボソッと呟いたはずなのに、娘のマーガレットは耳ざとく聞き逃さなかった。
「父上!聞き逃しませんでしたわよ!では、私の方で挙兵する準備をしますね♪」
と、楽しそうに騎士団のある方に行ってしまった。こうなっては誰にも止められない。
「ブラッドリー、すまない。あとの事務処理なんかを頼む」
俺はそう言い残し引退した(気分的に)。けど、まさかのフローラに首根っこを掴まれてブラッドリーと合流することとなった。
マーガレットはチェスでも無敗の戦術的にも長けている。
ラルラ王国の方に「挙兵したよ」って伝令を送ったというのに、王国の方は辺境の騎士を舐めていたんだろうか?どうせ田舎者だとか?
辺境を守るという事がどんなに大変なことかも知らないで、口だけでそういう事を言うから痛い目に遭うんだ。
マーガレット率いる辺境の騎士団は武器・防具共に隣国からの最新のものを取り揃えている。ラルラ王国の騎士は何年前の物ですか?というようなものを使っている。本当に辺境の騎士を舐めている。
アッサリと王国の騎士達を突破し、マーガレットたちは王城に乗り込んだ。
「降伏するなら命までは取らない」
と、マーガレットは言ったのに降伏しないから、王城の騎士達はバッサバサと切られていった。
と言ってもマーガレットも鬼ではないので、後に復職できる程度の切り付けだけを行った。左腕を切り落とすとか。
国王と対面することとなった。
王妃は国王を盾にしているよう。普通と逆だ。通常「国王として最後まで生き残ってください」とかなんとか言って王妃の方が盾になるはずなのに、この王妃は国王を盾にしている。
物欲もスゴイが命根性も汚い。
「どうする?降伏して平民として生きるなら命を奪ったりはしないが?」
この提案も、王妃には到底耐えられるものではなかったようで、国王を差し出して
「国王の命を差し上げますから、私だけでも助けて下さいまし」
と、少し胸元をはだけさせてみたりした。敵将が男性だった場合は多少の効果があったかもしれないが、辺境の大将はマーガレットという100%女性。しかもラルラ王国が傾いている原因を作っているのが王妃だということがわかっているので、国王夫妻は生きたまま辺境へ連行することとなった。
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