続・冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi

文字の大きさ
1 / 2

前編

しおりを挟む

「父上、母上。我が領が王国と隣国との間の緩衝材として存在していたわけですが、もはや緩衝材どころではなくなってしまいました」
 確かになぁ。俺がここに来て、知恵を絞っていた時は緩衝材として生きて行けたんだろうけど、子供達の世代になったら財政が辺境≫ラルラ王国となったしまったのだろう。
「父上、母上。ここは腹をくくって国を立ち上げるべきではと思います」
 と言うのは、娘のマーガレット=ルミス。さっきまで内政の話をしていたのは息子のブラッドリー=ルミス。二人は双子だというのに、息子の方が内政とか外交に強く、娘が物理的に強い女騎士となった。

 領の中にいる民たちも力の行き場に体をうずうずとさせているようだし…。娘の言うように国を立ち上げるべきかなぁ?
「父上、国を興す際には国際法に則り、いろんなことをしなくてはなりませんよ?領土と民の数はまあ足りていますね。その他に現在のラルラ国王の処遇をどうするのか?とかすることは多岐に及びますよ?」

 そうなんだよなぁ。だから、今までも国を興さないであくまでもラルラ国の辺境伯領で~す。という立場でいたんだけど、限界が近いみたいだ。

 息子のブラッドリーは他国とも対等に言語を交わし、外交を行い貿易をしてきたので辺境伯領は潤いまくっている。
 それに比べ、ラルラ王国は他国との外交でも言語は自国の物。傲慢が過ぎる。そんなだから結構他国からもそっぽを向かれがちで、国庫が減ってきているという話だ。
 減る原因がわからないが、辺境伯からも納税しているし、どういう事だろう?

 わからないのが癪なので、私設の騎士団の一部にどういう事かを調査してくるように命じた。


 数か月後、原因を探っていた騎士団が戻ってきてその理由を告げた。
「旦那様を嵌めた王太子様奥様がそのまま王妃様となったわけですが、勘違いをしているようですね。お金が湧いてくると思っているのでしょうか?ハッキリと申し上げますと、彼女が浪費をしています。元・王太子様の国王も彼女の後ろ盾なくして自分は国王になれなかったという負い目があるのでしょうか?彼女の浪費を諫めることもできないようでしたね」
 なんだそれ?
 つまりは、『ポンコツ国王夫妻』ということになる。

「もうクーデター起こしちゃっていいかなぁ?」
 ボソッと呟いたはずなのに、娘のマーガレットは耳ざとく聞き逃さなかった。
「父上!聞き逃しませんでしたわよ!では、私の方で挙兵する準備をしますね♪」
 と、楽しそうに騎士団のある方に行ってしまった。こうなっては誰にも止められない。
「ブラッドリー、すまない。あとの事務処理なんかを頼む」
 俺はそう言い残し引退した(気分的に)。けど、まさかのフローラに首根っこを掴まれてブラッドリーと合流することとなった。


 マーガレットはチェスでも無敗の戦術的にも長けている。
 ラルラ王国の方に「挙兵したよ」って伝令を送ったというのに、王国の方は辺境の騎士を舐めていたんだろうか?どうせ田舎者だとか?
 辺境を守るという事がどんなに大変なことかも知らないで、口だけでそういう事を言うから痛い目に遭うんだ。
 マーガレット率いる辺境の騎士団は武器・防具共に隣国からの最新のものを取り揃えている。ラルラ王国の騎士は何年前の物ですか?というようなものを使っている。本当に辺境の騎士を舐めている。
 
 アッサリと王国の騎士達を突破し、マーガレットたちは王城に乗り込んだ。
「降伏するなら命までは取らない」
 と、マーガレットは言ったのに降伏しないから、王城の騎士達はバッサバサと切られていった。
と言ってもマーガレットも鬼ではないので、後に復職できる程度の切り付けだけを行った。左腕を切り落とすとか。

 国王と対面することとなった。
 王妃は国王を盾にしているよう。普通と逆だ。通常「国王として最後まで生き残ってください」とかなんとか言って王妃の方が盾になるはずなのに、この王妃は国王を盾にしている。
 物欲もスゴイが命根性も汚い。
「どうする?降伏して平民として生きるなら命を奪ったりはしないが?」
 この提案も、王妃には到底耐えられるものではなかったようで、国王を差し出して
「国王の命を差し上げますから、私だけでも助けて下さいまし」
 と、少し胸元をはだけさせてみたりした。敵将が男性だった場合は多少の効果があったかもしれないが、辺境の大将はマーガレットという100%女性。しかもラルラ王国が傾いている原因を作っているのが王妃だということがわかっているので、国王夫妻は生きたまま辺境へ連行することとなった。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
恋愛
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

後日譚追加【完結】冤罪で追放された俺、真実の魔法で無実を証明したら手のひら返しの嵐!! でももう遅い、王都ごと見捨てて自由に生きます

なみゆき
ファンタジー
魔王を討ったはずの俺は、冤罪で追放された。 功績は奪われ、婚約は破棄され、裏切り者の烙印を押された。 信じてくれる者は、誰一人いない——そう思っていた。 だが、辺境で出会った古代魔導と、ただ一人俺を信じてくれた彼女が、すべてを変えた。 婚礼と処刑が重なるその日、真実をつきつけ、俺は、王都に“ざまぁ”を叩きつける。 ……でも、もう復讐には興味がない。 俺が欲しかったのは、名誉でも地位でもなく、信じてくれる人だった。 これは、ざまぁの果てに静かな勝利を選んだ、元英雄の物語。

魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな

七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」 「そうそう」  茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。  無理だと思うけど。

国外追放だ!と言われたので従ってみた

れぷ
ファンタジー
 良いの?君達死ぬよ?

過程をすっ飛ばすことにしました

こうやさい
ファンタジー
 ある日、前世の乙女ゲームの中に悪役令嬢として転生したことに気づいたけど、ここどう考えても生活しづらい。  どうせざまぁされて追放されるわけだし、過程すっ飛ばしてもよくね?  そのいろいろが重要なんだろうと思いつつそれもすっ飛ばしました(爆)。  深く考えないでください。

魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。

カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。 だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、 ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。 国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。 そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。

英雄一家は国を去る【一話完結】

青緑 ネトロア
ファンタジー
婚約者との舞踏会中、火急の知らせにより領地へ帰り、3年かけて魔物大発生を収めたテレジア。3年振りに王都へ戻ったが、国の一大事から護った一家へ言い渡されたのは、テレジアの婚約破棄だった。 - - - - - - - - - - - - - ただいま後日談の加筆を計画中です。 2025/06/22

処理中です...