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第9話
しおりを挟む義姉様が迷惑をおかけして婚約破棄をしたカップルは数組。義姉様が邪魔をしなければ学園を卒業後に結婚することが決まっていたのに。
「ところで、私の事は『トピア』とお呼びください。あの…私は『セイン様』とお呼びしても構いませんか?」
「どうぞ!俺はこう…なんていうか女性をエスコートするのが下手くそなんだが、それでも付き合ってくれるとありがたい」
「私は、私みたいなのでも付き合って頂けるだけでありがたいです!」
「トピアは自分をそんなに卑下する必要がないくらい立派な淑女だ!」
「あ、そうそう。卒業後なんですが」
「俺は是非結婚をしたい!」
「それは私もなんですけど……」
きゃー、恥ずかしいよぉ!
「結婚後にピノナノ様の侍女をしても構いませんか?」
「うーん、それはいきなり新婚なのに別居という事か?」
「え?そうなるんですか?」
「俺は、騎士として勤め続ける。目指すところは近衛騎士だ!俺達の新婚の住居については殿下に応相談だな。伯爵令息っていっても嫡男じゃないから、家を継ぐわけじゃないし俺は騎士として生きていくつもりだ!」
ルーベルン様と相談をしたのか、私たち二人の新居は王宮の中の部屋を賜った。私は侍女として働きやすいので助かります。セイン様はまだ新米騎士からのスタートですが、近くに立派な先輩騎士様がいることがかなり向上心をあげるようで、なんだか毎日元気です。
まだ、婚約の段階なのですが王宮で暮らすこととなったわけですが、それには理由が。
義姉様が残りの時間を使って私の部屋から盗れるだけ盗ろうという気概を感じるという事が私(の部屋)を護衛している方からピノナノ様に伝わり、それならば…となったわけです。
さすがの義姉様も、王宮内の私の部屋からものを盗むことはできないでしょう?
寮母さんには私が寮からいなくなることで、義姉様が他の人の部屋から物を盗む可能性がある。という事を伝えておいた。
元々が市井で暮らしていたようですし、貴族の持ち物は売れば高値になるのでしょう。盗んだものを売ってしばらく生計を立てるという事も考えられます。
ところで、義姉様はどのような願い事で悪魔と契約をしたのでしょう?悪魔との契約なんて恐ろしい真似を…!
「ちょっと!悪魔!近くにいるんでしょ?どうしてくれるのよ?学園での私のウワサは最悪じゃない!」
「自業自得というやつじゃないのか?それにしたってこっちだって術の対価が支払われないのはただの無駄働きになる」
「術の対価?」
「はぁ?聞いてなかったのか?確かに言ったぞ。『お前の望みが叶えられた時に俺はお前の命をいただく』とな」
「なんですって~‼それじゃあ高位貴族の殿方と玉の輿でもその瞬間に死んでしまうんじゃ、苦労損じゃないの?」
「最後まで聞かなかったお前が悪い。追加としてのこり3か月以内に願いが成就しない場合もその命をいただく(この娘に関わっても全くいいことはない…)」
「なんなのよ。残り1年弱だったはずなのに……。しかも死ぬの?あり得ないじゃない!」
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