獣人の彼はつがいの彼女を逃がさない

たま

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ブルージョアナの過去

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久しぶりに遠い過去が蘇る。

わしは物心着く頃には山奥に祖父母と3人で暮らしておった。隠れるかの様に隠されるかの様に

たまに祖父が幾日か居なくなる日があった。多分人里に降りて山で採れた物を売って必要な物を買って帰ってくる。わしの世界は山奥の小さな家と祖父母の小さなもんだった。祖父は寡黙な上に山で狩りをしたり、人里での売買であまり居らず話相手は祖母だけだった。

だから今考えても千年生きて大切だと言える人はその2人だけ。見送ったのも奴のつがいになる前だから竜人族のつがいとしては恵まれていたのかもな。わしは人里に降りる方法も 分からず1人で生きて行くしかなかった。他の生き方を知らんから。

ある日突然祖母が亡くなり話相手がいなくなった。そして祖父が狩りから戻らず1人になった。耐えられなくなった時、自分も含めて全て壊してしまいたくなった。祖母に絶対に触れてはいけないと厳しく言われていた木札を壊した。わしはただ祖母の所に行きたかったんだが、それは阻害魔法具だったらしい。阻害魔法が消えた瞬間奴が竜化したハミットがまさに飛んで来て腰を抜かしたがな。

もしかしたらわしはハミットから隠されていたのかもしれんな…

…いや、なんでもない。おそらく成人前だったわしに奴は先生として色んな事を教えてくれた。薬師という仕事を教えてくれたのも奴だ。だから、わしは人族側としては殆ど何も知らんのだ。すまない。

だがなリューネお前さんとわし似ている部分も多い。お前さんもこの世界の事をあまり知らん、この世界との関わりも2年と希薄じゃ白狼とつがって寿命がどれだけ伸びようがわしの様に気が狂う事もおそらくなかろう。

「さっきの獣人達の話の中にはあまり出てきてなかったようですが、獣人族は長寿な種族なのですか?それとも狼獣人だからですか?」

狼獣人もそうだが、獣人族は人族より身体は頑丈だがそれ程寿命は変わらん。だが例外もある。竜人族もそうだが白狼族も神獣じゃから竜人族程ではないが長寿な種族になるな。お前さんのつがいも狼獣人でなく白狼になる。正確には分からんが…多分200歳位はいってると思うぞ。
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