18 / 26
ブルージョアナの過去
しおりを挟む
久しぶりに遠い過去が蘇る。
わしは物心着く頃には山奥に祖父母と3人で暮らしておった。隠れるかの様に隠されるかの様に
たまに祖父が幾日か居なくなる日があった。多分人里に降りて山で採れた物を売って必要な物を買って帰ってくる。わしの世界は山奥の小さな家と祖父母の小さなもんだった。祖父は寡黙な上に山で狩りをしたり、人里での売買であまり居らず話相手は祖母だけだった。
だから今考えても千年生きて大切だと言える人はその2人だけ。見送ったのも奴のつがいになる前だから竜人族のつがいとしては恵まれていたのかもな。わしは人里に降りる方法も 分からず1人で生きて行くしかなかった。他の生き方を知らんから。
ある日突然祖母が亡くなり話相手がいなくなった。そして祖父が狩りから戻らず1人になった。耐えられなくなった時、自分も含めて全て壊してしまいたくなった。祖母に絶対に触れてはいけないと厳しく言われていた木札を壊した。わしはただ祖母の所に行きたかったんだが、それは阻害魔法具だったらしい。阻害魔法が消えた瞬間奴が竜化したハミットがまさに飛んで来て腰を抜かしたがな。
もしかしたらわしはハミットから隠されていたのかもしれんな…
…いや、なんでもない。おそらく成人前だったわしに奴は先生として色んな事を教えてくれた。薬師という仕事を教えてくれたのも奴だ。だから、わしは人族側としては殆ど何も知らんのだ。すまない。
だがなリューネお前さんとわし似ている部分も多い。お前さんもこの世界の事をあまり知らん、この世界との関わりも2年と希薄じゃ白狼とつがって寿命がどれだけ伸びようがわしの様に気が狂う事もおそらくなかろう。
「さっきの獣人達の話の中にはあまり出てきてなかったようですが、獣人族は長寿な種族なのですか?それとも狼獣人だからですか?」
狼獣人もそうだが、獣人族は人族より身体は頑丈だがそれ程寿命は変わらん。だが例外もある。竜人族もそうだが白狼族も神獣じゃから竜人族程ではないが長寿な種族になるな。お前さんのつがいも狼獣人でなく白狼になる。正確には分からんが…多分200歳位はいってると思うぞ。
わしは物心着く頃には山奥に祖父母と3人で暮らしておった。隠れるかの様に隠されるかの様に
たまに祖父が幾日か居なくなる日があった。多分人里に降りて山で採れた物を売って必要な物を買って帰ってくる。わしの世界は山奥の小さな家と祖父母の小さなもんだった。祖父は寡黙な上に山で狩りをしたり、人里での売買であまり居らず話相手は祖母だけだった。
だから今考えても千年生きて大切だと言える人はその2人だけ。見送ったのも奴のつがいになる前だから竜人族のつがいとしては恵まれていたのかもな。わしは人里に降りる方法も 分からず1人で生きて行くしかなかった。他の生き方を知らんから。
ある日突然祖母が亡くなり話相手がいなくなった。そして祖父が狩りから戻らず1人になった。耐えられなくなった時、自分も含めて全て壊してしまいたくなった。祖母に絶対に触れてはいけないと厳しく言われていた木札を壊した。わしはただ祖母の所に行きたかったんだが、それは阻害魔法具だったらしい。阻害魔法が消えた瞬間奴が竜化したハミットがまさに飛んで来て腰を抜かしたがな。
もしかしたらわしはハミットから隠されていたのかもしれんな…
…いや、なんでもない。おそらく成人前だったわしに奴は先生として色んな事を教えてくれた。薬師という仕事を教えてくれたのも奴だ。だから、わしは人族側としては殆ど何も知らんのだ。すまない。
だがなリューネお前さんとわし似ている部分も多い。お前さんもこの世界の事をあまり知らん、この世界との関わりも2年と希薄じゃ白狼とつがって寿命がどれだけ伸びようがわしの様に気が狂う事もおそらくなかろう。
「さっきの獣人達の話の中にはあまり出てきてなかったようですが、獣人族は長寿な種族なのですか?それとも狼獣人だからですか?」
狼獣人もそうだが、獣人族は人族より身体は頑丈だがそれ程寿命は変わらん。だが例外もある。竜人族もそうだが白狼族も神獣じゃから竜人族程ではないが長寿な種族になるな。お前さんのつがいも狼獣人でなく白狼になる。正確には分からんが…多分200歳位はいってると思うぞ。
191
あなたにおすすめの小説
英雄の番が名乗るまで
長野 雪
恋愛
突然発生した魔物の大侵攻。西の果てから始まったそれは、いくつもの集落どころか国すら飲みこみ、世界中の国々が人種・宗教を越えて協力し、とうとう終息を迎えた。魔物の駆逐・殲滅に目覚ましい活躍を見せた5人は吟遊詩人によって「五英傑」と謳われ、これから彼らの活躍は英雄譚として広く知られていくのであろう。
大侵攻の終息を祝う宴の最中、己の番《つがい》の気配を感じた五英傑の一人、竜人フィルは見つけ出した途端、気を失ってしまった彼女に対し、番の誓約を行おうとするが失敗に終わる。番と己の寿命を等しくするため、何より番を手元に置き続けるためにフィルにとっては重要な誓約がどうして失敗したのか分からないものの、とにかく庇護したいフィルと、ぐいぐい溺愛モードに入ろうとする彼に一歩距離を置いてしまう番の女性との一進一退のおはなし。
※小説家になろうにも投稿
【完結】地味な私と公爵様
ベル
恋愛
ラエル公爵。この学園でこの名を知らない人はいないでしょう。
端正な顔立ちに甘く低い声、時折見せる少年のような笑顔。誰もがその美しさに魅了され、女性なら誰もがラエル様との結婚を夢見てしまう。
そんな方が、平凡...いや、かなり地味で目立たない伯爵令嬢である私の婚約者だなんて一体誰が信じるでしょうか。
...正直私も信じていません。
ラエル様が、私を溺愛しているなんて。
きっと、きっと、夢に違いありません。
お読みいただきありがとうございます。短編のつもりで書き始めましたが、意外と話が増えて長編に変更し、無事完結しました(*´-`)
【完結】恋につける薬は、なし
ちよのまつこ
恋愛
異世界の田舎の村に転移して五年、十八歳のエマは王都へ行くことに。
着いた王都は春の大祭前、庶民も参加できる城の催しでの出来事がきっかけで出会った青年貴族にエマはいきなり嫌悪を向けられ…
【完結】運命の番じゃないけれど
凛蓮月
恋愛
人間の伯爵令嬢ヴィオラと、竜人の侯爵令息ジャサントは幼い頃に怪我を負わせた為に結ばれた婚約者同士。
竜人には運命の番と呼ばれる唯一無二の存在がいる。
二人は運命の番ではないけれど――。
※作者の脳内異世界の、全五話、一万字越の短いお話です。
※シリアス成分は無いです。
※魔女のいる世界観です。
姉に代わって立派に息子を育てます! 前日譚
mio
恋愛
ウェルカ・ティー・バーセリクは侯爵家の二女であるが、母亡き後に侯爵家に嫁いできた義母、転がり込んできた義妹に姉と共に邪魔者扱いされていた。
王家へと嫁ぐ姉について王都に移住したウェルカは侯爵家から離れて、実母の実家へと身を寄せることになった。姉が嫁ぐ中、学園に通いながらウェルカは自分の才能を伸ばしていく。
数年後、多少の問題を抱えつつ姉は懐妊。しかし、出産と同時にその命は尽きてしまう。そして残された息子をウェルカは姉に代わって育てる決意をした。そのためにはなんとしても王宮での地位を確立しなければ!
自分でも考えていたよりだいぶ話数が伸びてしまったため、こちらを姉が子を産むまでの前日譚として本編は別に作っていきたいと思います。申し訳ございません。
【完結】番である私の旦那様
桜もふ
恋愛
異世界であるミーストの世界最強なのが黒竜族!
黒竜族の第一皇子、オパール・ブラック・オニキス(愛称:オール)の番をミースト神が異世界転移させた、それが『私』だ。
バールナ公爵の元へ養女として出向く事になるのだが、1人娘であった義妹が最後まで『自分』が黒竜族の番だと思い込み、魅了の力を使って男性を味方に付け、なにかと嫌味や嫌がらせをして来る。
オールは政務が忙しい身ではあるが、溺愛している私の送り迎えだけは必須事項みたい。
気が抜けるほど甘々なのに、義妹に邪魔されっぱなし。
でも神様からは特別なチートを貰い、世界最強の黒竜族の番に相応しい子になろうと頑張るのだが、なぜかディロ-ルの侯爵子息に学園主催の舞踏会で「お前との婚約を破棄する!」なんて訳の分からない事を言われるし、義妹は最後の最後まで頭お花畑状態で、オールを手に入れようと男の元を転々としながら、絡んで来ます!(鬱陶しいくらい来ます!)
大好きな乙女ゲームや異世界の漫画に出てくる「私がヒロインよ!」な頭の変な……じゃなかった、変わった義妹もいるし、何と言っても、この世界の料理はマズイ、不味すぎるのです!
神様から貰った、特別なスキルを使って異世界の皆と地球へ行き来したり、地球での家族と異世界へ行き来しながら、日本で得た知識や得意な家事(食事)などを、この世界でオールと一緒に自由にのんびりと生きて行こうと思います。
前半は転移する前の私生活から始まります。
義弟の婚約者が私の婚約者の番でした
五珠 izumi
ファンタジー
「ー…姉さん…ごめん…」
金の髪に碧瞳の美しい私の義弟が、一筋の涙を流しながら言った。
自分も辛いだろうに、この優しい義弟は、こんな時にも私を気遣ってくれているのだ。
視界の先には
私の婚約者と義弟の婚約者が見つめ合っている姿があった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる