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第128話 「魔方陣の正体と、消えない疑念」
しおりを挟むあの暴走魔方陣が消えてから、広場はざわつきっぱなしだった。
園児たちが周囲を固め、代表たちも精霊たちも口々に何かを話している。
ボクは、地面に残ったわずかな焦げ跡をしゃがんで見つめた。
「……やっぱり」
指でなぞると、そこに刻まれていたのは、この世界ではもう使われていない古代文字。
それも、封印術じゃなく——召喚術。
「ルカ、何かわかったのか」
ユリウスが覗き込む。
「これは……何かを呼び出そうとしてた。暴走したのは、制御の刻印が欠けてたからだよ」
その瞬間、背後で低い声が響いた。
「欠けていたのではない。誰かが、最初から欠けさせていた」
振り向くと、ヴェイルさんが鋭い視線を焦げ跡に向けていた。
「……つまり、失敗を装った意図的な召喚」
花卿リオネルが表情を引き締める。
「じゃあ、誰が何を呼ぼうと?」
「それは——」とカイが口を開きかけた瞬間、王城の鐘が高く鳴り響いた。
知らせを持って駆け込んできた侍従の言葉に、全員が息を呑む。
「西の国境で、同じ紋様の魔方陣が発見されました」
……同じ? 二つ?
背筋がぞくりとした。もしこれが同時に発動していたら、今の何倍もの規模になっていたはず。
「犯人の狙いは、ボク?」
口にした途端、場の空気が重くなる。
全員の視線が、妙に真剣で——そして、妙に恋愛感情を含んでいる。
「ルカ様を狙うなら、なおさら私の国に!」
「いや、精霊界だ!」
「園に——」
「はいはいストップ! 今はそれどころじゃない!」
……やっぱり、この人たちを本気で協力させるのが一番難しい。
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