この世界は僕に甘すぎる 〜ちんまい僕(もふもふぬいぐるみ付き)が溺愛される物語〜

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25. 《レオン視点》 『その手のぬくもりに、俺は何度も救われたのに』

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──ガキの頃から、負けず嫌いだった。

園でも、家でも、兄弟の中でも。
「レオンはなんでもできる」って言われてきた。

だから、誰かに頼ったり、弱さを見せるのは──
“負け”だと思ってた。

 

でも、ある日。
ちんまりと座って、ミミルを抱いたあの子が──

 

「……レオンくん、きょうもがんばったんだね」

 

そう言って、ぼくの手をぎゅっと握った。

 

(なに、それ……ずるいだろ)

 

 



 

アイツは、いつもやさしい。
誰にでも笑うし、誰にでもふれる。

だから最初は、「気安い奴だ」って、どこかで思ってた。

 

けど──

 

俺が園でやらかして、泣きそうになってた日。

誰もいない裏庭で、
「だいじょうぶ」って、背中を撫でてくれたのは……あいつだった。

 

 

(そんな顔、俺にしか見せんなよ)

(そんな声、俺だけにくれりゃいいのに)

 

 



 

最近、ユリウスやディノがやたら近い。

お菓子作りイベントのときも、ずっとルカの周りを囲んで、
「どれが好き?」「こっちのが甘さ控えめだよ」とか言って。

 

……あいつら、ズルいよな。
俺なんかより、全然うまくやれてんじゃん。

 

(……でも)

(ルカが、笑ってた。……俺以外の奴に)

 

 



 

夜、ベッドに潜り込んで。

俺は、園でもらったルカのメモを読み返す。

 

『レオンくんのクッキー、おいしかったよ!
 サクッてしてて、レオンくんみたいに元気な味だった!』

 

──そんなの、うれしいに決まってるだろ。

 

でも。
その笑顔が、誰のものでもなく“みんなのもの”だって思い出すと……

 

「……あー、もう。腹立つ。かわいすぎんだよ……!」

 

まくらに顔を埋めて、叫びたい衝動をこらえる。

 

(いつか、ルカをさらっちまおうか)

(ぜってー誰にも渡したくない)

 

でも──ルカが、誰のものにもならないのを知ってるから。

 

(……だったらせめて、“一番最初に”欲しい)

(名前呼ばれるのも、手をにぎられるのも、ぜんぶ)

 

 



 

その夜の魔法カレンダーには、こう書かれていた。

 

『いちばんほしいものほど、
 いちばん遠くに見えるときがある。
 でも、届かないからって、ほしくないなんて、うそだよね』

 

 

──たぶん、俺は、もうずっと。
ずっと前から、あいつのことが──

 

“好き”なんだろうな。

 
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