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61. 《アス視点》 『“あの人”の手袋を届けてから、僕の世界が変わった』
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その日から──僕の時間は、静かに動き出した。
王都の片隅で暮らす僕にとって、毎日はただの繰り返しだった。
母さんは体が弱くて働けないし、僕が代わりに小間使いをして家計を支えていた。
でも……“あの手袋”を拾った日から、すべてが変わったんだ。
◇
ミントグリーンの、ふかふかした手袋。
小さな手の形に、丁寧な刺繍。
指先には、星と兎の模様が縫い込まれていた。
落とし物掲示に出したら、信じられない速度で貴族たちが騒ぎ出して──
いつの間にか、僕は“ルカ様の手袋を届けた少年”として、名前を呼ばれるようになっていた。
だけど僕は、ただ……会いたかっただけだ。
あの手袋から感じた、あたたかさ。
この世界のどこかに、あんなに優しい魔法を宿す人がいるんだって、
そう思ったら、胸がいっぱいになった。
──そして、あの日。
「これ、きみが届けてくれたの?」
……目の前にいたのは、
人形みたいに可愛くて、小動物みたいにちっちゃくて、
なのに不思議なくらい、目が離せない存在だった。
僕は言葉が出なかった。
ただ、手袋を差し出すのが精一杯で──
でも、彼は笑った。
「ありがとう。すごく大切なものだったの」
その笑顔が、胸の奥に響いた。
ああ、そうか。
僕、いま──“誰かの役に立てた”んだ。
◇
それから数日後。
王宮の使者が僕の家を訪ねてきた。
「ルカ様より──“魔法プロジェクト”への招待です」
プロジェクト? 貴族の仕事? 王都で働く?
全部が僕には想像もできなかった。
でも、そのとき思った。
──もう一度、ルカ様に会えるのなら。
どんなことでも、やってみたい。
◇
今は、王都の学び舎で、魔法や知識の勉強をしている。
生活も、衣食住もすべて整っていて、母さんも一緒に暮らせるようになった。
何より、僕が“名前で呼ばれる”ことが増えた。
誰も僕を哀れんだ目で見たり、無視したりしない。
僕を“アス”として見てくれる。
でも、それはきっと──
あのとき、手袋を届けたあの日、
僕の人生に魔法がかかったから。
◇
【魔法カレンダー:今日の言葉】
『きみに届いた“ありがとう”は、
そのまま、きみの“光”になる』
──僕の世界を変えたのは、
ふかふかの手袋と、ちいさな奇跡。
そして、たったひとつのやさしい笑顔だった。
王都の片隅で暮らす僕にとって、毎日はただの繰り返しだった。
母さんは体が弱くて働けないし、僕が代わりに小間使いをして家計を支えていた。
でも……“あの手袋”を拾った日から、すべてが変わったんだ。
◇
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指先には、星と兎の模様が縫い込まれていた。
落とし物掲示に出したら、信じられない速度で貴族たちが騒ぎ出して──
いつの間にか、僕は“ルカ様の手袋を届けた少年”として、名前を呼ばれるようになっていた。
だけど僕は、ただ……会いたかっただけだ。
あの手袋から感じた、あたたかさ。
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そう思ったら、胸がいっぱいになった。
──そして、あの日。
「これ、きみが届けてくれたの?」
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人形みたいに可愛くて、小動物みたいにちっちゃくて、
なのに不思議なくらい、目が離せない存在だった。
僕は言葉が出なかった。
ただ、手袋を差し出すのが精一杯で──
でも、彼は笑った。
「ありがとう。すごく大切なものだったの」
その笑顔が、胸の奥に響いた。
ああ、そうか。
僕、いま──“誰かの役に立てた”んだ。
◇
それから数日後。
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でも、そのとき思った。
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そして、たったひとつのやさしい笑顔だった。
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