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第12話
しおりを挟むゲーヘンの愛情を一身に受けた男爵令嬢にも打算があった。
王子の寵愛を受ける自分に手荒な真似ができないだろうというもの。
そして、ゲーヘンの前で彼の取り巻きたちに抱かれるということは、彼らの弱みを握ることにもなる。
それは父親である男爵にとっても交渉の切り札となる。
夢見る乙女ゲーヘンの『真実の愛』は男爵令嬢の打算と自己犠牲によって成り立っていた。
だからこそ、ほかの令嬢たちと違い『期間限定の修道院』にて収容されたのです。
隣接には乳児院や孤児院があります。
……その理由はお分かりいただけるでしょう?
ただ、男爵は家のために身を挺した娘と娘が乳児院から連れて帰る子を大切にするようです。
『王子の命令に従うしかなかった気の毒な男爵令嬢』という話が、男爵領を手に入れたデリストア国で実しやかに流れたのですから。
我が家と本人たちの家爵を貶めた令嬢たちは厳しい戒律の修道院で一生を終えるだろう。
学生気分で公爵家を侮辱した自分たちの幼さを呪いながら。
だって、誰かを生け贄にして成り立つ優越感。
自分が私の立場にならないだなんて、どうして思えるのか。
……厳しい戒律がある修道院とは上下関係が厳しいとも言い換えられる。
世界中の修道院にひとりずつ入れられて、同郷の人は誰もいない。
その代わり、自分たちが犯した冤罪事件やゲーヘンたちの婦女暴行事件など、マクベス王国に対する低い評価は彼女たちへの扱いに現れている。
修道院に奴隷制度は存在しない。
その代わりに下女とよばれる下働きが存在する。
神に祈ることも仕えることも許されない彼女たちは、罪と向き合い、罪を悔やみ、反省して謝罪する。
それができぬまま。
赦しを与えられず……その身が朽ちるまで今生に縛られて生きる。
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