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中編
しおりを挟む疲れた…………私はそんなに悪いことをしたの?
公爵家へ行儀見習いに出されたけど。
私はそんなところで召使いなんてしていたくない。
そう思っていたけど、次期公爵……祖父がまだ生きているから次期らしい。
その次期公爵がいい男だった。
小娘を脅して母親と領地にでも追い出せれば、私が公爵も追い出して次期公爵を公爵家当主に押し上げて、感謝した公爵は私の有能さを認めて正妻にしてくれるのよ。
それなのに失敗した。
下働きの娘メアリ。
こいつ、いつから公爵家の娘だった?
ああ、ちがう。
公爵家の娘に小間使いの服を着せて、周囲からは気付かれないようにしてきて、いつから私は勘違いしてきたんだろう。
呼んだのに返事をしなかったから。
だから捕まえてぶっ飛ばした。
そこから私の罪が暴かれた。
多少の差はあるけど、メアリの言ったことに大きな違いはない。
王城に連行されて、公爵家の乗っ取りを王様の前で訴えられた。
父は必死に言い訳をしていたけど、私にすべて押し付けようとしたけど。
それは成功しなかった。
それもまたメアリの言葉が私を救った。
「娘一人が考えたとは思えぬ」
「侯爵家を公爵家だと誤魔化した」
「公爵家の娘を侯爵家の娘が殺しても許される、とはどういうことだ? 娘にそんな権限はないだろう。そう言えるのは当主がそういったからじゃないのか?」
私にいっさいの発言権はなかった。
私の罪がだんだん父に転嫁されていく。
私は更生のため神殿で最低でも10年は神に仕えることとなった。
うん、人が相手だとまた楽をしようとするからその方がいい。
父には最後まで罵られた。
ああ、そうだ。
私が次期公爵を好きになったのは、娘を愛していたからだ。
優しく抱きしめて……私が諦めた世界がそこにあった。
私、羨ましかったんだ。
メアリみたいに抱きしめてくれる父親がほしかったんだ。
だからメアリの代わりに私を愛してほしかったんだ。
ちゃんと働いていたら、私も優しい言葉をかけてもらえたのかな……
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