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幕間2
新章への序曲 その3
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ううむ。と唸って、ルールス先生は、俯いてしまった。
「つまり、グランダ魔道院のウィルニア学院長は、『あの』ウェルニアだというのか。
間違いないのか?」
「たぶん、おとぎ話の中の大賢者を想定してるのだとしたら、何倍もヤバいことになってますよ。
なにしろ、初対面の相手をまず、バラバラに引き裂いてそれでも命があるやつとしか話をしない、という流儀を千年続けてたやつてすから。」
「お主もあっているのか? ウィルニアと。」
「ぼくの場合はそのあと、アンデッドをけしかけられましたねえ。」
「どのクラスだ?
屍人? スケルトン? まさか死霊騎士ではあるまい?」
「さあ?
彼女、黒い骸骨の姿をしていましたけど。
名前はシャーリー。」
「名前をもったユニーク個体か!
よくぞ生き延びたな。」
「元はミトラの聖女だったそうですよ。
亡国帝の時代の。」
名前に心当たりがあったのか、ルールス先生は、書架から分厚い本を手に取ると、物凄い勢いで、読み進めた。
「あった!」
叫んだ声がわなわなと震える。
「亡国帝に無実の罪をきせられて、生きたまま、アンデッドにさせられた聖女の名前がシャーリー。
当時の聖帝国王宮の地下迷路で飼われているた彼女は、その百年のちに姿を消したと伝承にあるが。
そうかウィルニアが。しかし、お主どうやって」
「血をすわれたので」
ぼくは肩をすくめた。
「それを媒介に従属関係におきました。
ネイア先生と同じパターンですね。」
ルールス先生は、ぐったりと椅子に沈みこむと、ネイア先生に飲み物を頼んだ。
練乳と蜂蜜をアリアリで。
とか、言っていたが、かわいそうによっぽど疲れてるんだろうな。
「対抗戦!?
よくぞまあ。」
ぼくのほうも驚いた。
伝説の大賢者を名乗る人物の正体を探りたいお気持ちはお察ししないでもない。
それが原因で、将来有望な学生が流出してしまっているとしたら、なおさらだろう。
しかし、対抗「戦」。
負ければこちらのイメージダウンは計り知れない。
もともと、ボルテック卿の手腕のおかげもあって、こと魔法研究においては、グランダは必ずしも西域に劣るものではない、と評判を受けている。
ただ、魔道列車の交通網から外れていて、正直行き来が難しいのと、何しろ電気による照明すら普及していないど田舎なので、みなが躊躇していただけなのだ。
もし。
伝説の賢者が本当に学長を務めているのなら。
「そこは、ジャンガのやつが知恵を働かせた。」
ルールス先生が苦々しそうに言った。
「対抗戦に参加するのは、あくまで『ルールス分校』だ。
敗北すれば敗北したのは『ルールス分校』。勝てば『ランゴバルド冒険者学校』の勝利だそうだ。」
「そうそう、世間の評判がジャンガくんの思い通りになりますかねえ。」
「いずれにしてももう、勝手に申し込みはされてしまった。
グランダ魔道院からの受諾の返信も受け取っているそうだ。」
ルールス先生は、一枚の紙切れを放ってよこした。
「・・・・これって、明日にもここを出ないと、試合の期日に間に合いませんよ?」
「細い嫌がらせには、頭が回る男だ。
2枚目以降に試合の内容が書いてある。」
「なるほど、当日の人数は不明なれど、教職員を含み7名以上はご用意されたし・・・・」
手紙は3枚目もあり、グランダ冒険者学校がすでにこの対抗戦のために用意したメンバーが数名記されている。
こんなことをしても不利になるだけだろうに。
それとも試合にかける意気込みの表れなのだろうか。
一人目は
ジウル=ボルテック
飲んでたお茶が喉につまり、ぼくは盛大にむせた。
「大丈夫か?」
いや大丈夫です。
ちょっとむせただけ。というジェスチャーをしてもう一度座り直した
「かのボルテック卿のひひひ孫だと、続きに書いてある。拳法家で流派は『永冥武神流』だそうだ。」
じじいっ!
いい加減に自分の拳法の流派の名前くらい決めろっ!
「その態度だと、知っているようだな。」
「はい、なんというか・・・・偉く迷惑な・・・おひとです。」
二人目にはヨウィスの名前があったが、これは予想の範囲内だった。『不死鳥の冠』の冒険者ヨウィスは魔道院に通う学生でもある。
三人目・・・・リ、リヨン!
体に描かれた紋章によってざまざまな力を振るう、冒険者。
ぼくはこいつに殺されかけたことがある!
「こいつ、もともとランゴバルドの冒険者ですよ! 蝕乱天使の。」
「銀級冒険者のリヨンならば、わたしも聞いている。ここまではそれなりにビッグネームのようだな。
次は知らん。
何者かわかるか?」
ラスティ・・・・
聞き覚えのある名前だった。
ラスティ・・・・・ラスティ・・・魔王宮・・・・
そうだ、確か、第七層でリウの元に案内してくれた・・・
水着みたいな服を着た・・・
「魔王宮の古竜です。」
「・・・魔道院はこっちを皆殺しにするつもりか。」
ルールスはつぶやいた。いや、そうじゃなくって、単に娯楽に飢えててイベントに参加したいだけの集まりになってるんでしょう?これ。
最後の一人は。
「つまり、グランダ魔道院のウィルニア学院長は、『あの』ウェルニアだというのか。
間違いないのか?」
「たぶん、おとぎ話の中の大賢者を想定してるのだとしたら、何倍もヤバいことになってますよ。
なにしろ、初対面の相手をまず、バラバラに引き裂いてそれでも命があるやつとしか話をしない、という流儀を千年続けてたやつてすから。」
「お主もあっているのか? ウィルニアと。」
「ぼくの場合はそのあと、アンデッドをけしかけられましたねえ。」
「どのクラスだ?
屍人? スケルトン? まさか死霊騎士ではあるまい?」
「さあ?
彼女、黒い骸骨の姿をしていましたけど。
名前はシャーリー。」
「名前をもったユニーク個体か!
よくぞ生き延びたな。」
「元はミトラの聖女だったそうですよ。
亡国帝の時代の。」
名前に心当たりがあったのか、ルールス先生は、書架から分厚い本を手に取ると、物凄い勢いで、読み進めた。
「あった!」
叫んだ声がわなわなと震える。
「亡国帝に無実の罪をきせられて、生きたまま、アンデッドにさせられた聖女の名前がシャーリー。
当時の聖帝国王宮の地下迷路で飼われているた彼女は、その百年のちに姿を消したと伝承にあるが。
そうかウィルニアが。しかし、お主どうやって」
「血をすわれたので」
ぼくは肩をすくめた。
「それを媒介に従属関係におきました。
ネイア先生と同じパターンですね。」
ルールス先生は、ぐったりと椅子に沈みこむと、ネイア先生に飲み物を頼んだ。
練乳と蜂蜜をアリアリで。
とか、言っていたが、かわいそうによっぽど疲れてるんだろうな。
「対抗戦!?
よくぞまあ。」
ぼくのほうも驚いた。
伝説の大賢者を名乗る人物の正体を探りたいお気持ちはお察ししないでもない。
それが原因で、将来有望な学生が流出してしまっているとしたら、なおさらだろう。
しかし、対抗「戦」。
負ければこちらのイメージダウンは計り知れない。
もともと、ボルテック卿の手腕のおかげもあって、こと魔法研究においては、グランダは必ずしも西域に劣るものではない、と評判を受けている。
ただ、魔道列車の交通網から外れていて、正直行き来が難しいのと、何しろ電気による照明すら普及していないど田舎なので、みなが躊躇していただけなのだ。
もし。
伝説の賢者が本当に学長を務めているのなら。
「そこは、ジャンガのやつが知恵を働かせた。」
ルールス先生が苦々しそうに言った。
「対抗戦に参加するのは、あくまで『ルールス分校』だ。
敗北すれば敗北したのは『ルールス分校』。勝てば『ランゴバルド冒険者学校』の勝利だそうだ。」
「そうそう、世間の評判がジャンガくんの思い通りになりますかねえ。」
「いずれにしてももう、勝手に申し込みはされてしまった。
グランダ魔道院からの受諾の返信も受け取っているそうだ。」
ルールス先生は、一枚の紙切れを放ってよこした。
「・・・・これって、明日にもここを出ないと、試合の期日に間に合いませんよ?」
「細い嫌がらせには、頭が回る男だ。
2枚目以降に試合の内容が書いてある。」
「なるほど、当日の人数は不明なれど、教職員を含み7名以上はご用意されたし・・・・」
手紙は3枚目もあり、グランダ冒険者学校がすでにこの対抗戦のために用意したメンバーが数名記されている。
こんなことをしても不利になるだけだろうに。
それとも試合にかける意気込みの表れなのだろうか。
一人目は
ジウル=ボルテック
飲んでたお茶が喉につまり、ぼくは盛大にむせた。
「大丈夫か?」
いや大丈夫です。
ちょっとむせただけ。というジェスチャーをしてもう一度座り直した
「かのボルテック卿のひひひ孫だと、続きに書いてある。拳法家で流派は『永冥武神流』だそうだ。」
じじいっ!
いい加減に自分の拳法の流派の名前くらい決めろっ!
「その態度だと、知っているようだな。」
「はい、なんというか・・・・偉く迷惑な・・・おひとです。」
二人目にはヨウィスの名前があったが、これは予想の範囲内だった。『不死鳥の冠』の冒険者ヨウィスは魔道院に通う学生でもある。
三人目・・・・リ、リヨン!
体に描かれた紋章によってざまざまな力を振るう、冒険者。
ぼくはこいつに殺されかけたことがある!
「こいつ、もともとランゴバルドの冒険者ですよ! 蝕乱天使の。」
「銀級冒険者のリヨンならば、わたしも聞いている。ここまではそれなりにビッグネームのようだな。
次は知らん。
何者かわかるか?」
ラスティ・・・・
聞き覚えのある名前だった。
ラスティ・・・・・ラスティ・・・魔王宮・・・・
そうだ、確か、第七層でリウの元に案内してくれた・・・
水着みたいな服を着た・・・
「魔王宮の古竜です。」
「・・・魔道院はこっちを皆殺しにするつもりか。」
ルールスはつぶやいた。いや、そうじゃなくって、単に娯楽に飢えててイベントに参加したいだけの集まりになってるんでしょう?これ。
最後の一人は。
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