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第6部 聖帝国ギウリークの終わりの始まり
第294話 駆け出し冒険者はマリッジブルー
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単純に喜んだのは、魔王宮組の面々だった。
リウは、ほうっと目を丸くしていたが、納得したように頷いて、おまえがそう決めたのなら、それが正しい、と言った。
アモンは、竜らしく、結婚を子を作り育てるためのつがいの契約を取り交わす(もちろんそのあとは普通に別々の人生を歩む)物だと解釈し、このタイミングでなくてもいいのになあ、と思ったが、これはパートナー(性別も自由に変える古竜にはこれ以外に適切な言葉はなかった!)どうしの個人的な事情もあるはずなので、そこまでは踏み込まず、おめでとう、とだけ言った。
ロウ=リンドは、どっちがドレスを着るんだ、と真面目に尋ねた。
ルトが答えに窮していると、お前らならどっちも似合うぞ、どうだお色直しのときに服をチャンじしてみたら、と揶揄った。
ギムリウスは、人間の結婚自体に興味があるらしく、目を輝かせていた。これは比喩的な表現ではなく、実際にギムリウスの瞳は七つに分かれて、例の怪光線を発するときのように怪しい光を蓄え始めていた。
「やはり、最小限、身内には参加させるべきだろう。」
リウは、腕組みをして考えた。
「オレとアモンは、ギムリウスと一度、ランゴバルドに戻る。魔王宮の階層主たちにも声をかけるぞ。かまわんな?
あと、ウイルニアには当日の朝まで内緒にしていい。」
リウは相変わらず、野生味のある美女の姿のままだったが、口調は男性のそれになっている。
「クローディア公とアウデリアはミトラにいるからちょうどいいとして・・・お主の父親はどうする? まあ、それを呼ぶと自動的に我が母もついてきてしまうのだが。」
我が母、はいうまでもなく、王太后メアこと闇森のザザリのことであった。
「ルールス先生は、どうする? 呼ばないと後あと僻みそうだ。そうするとネイア先生もついてくるな、いやあ、内輪で済まそうとしてもそれなりの人数にはなるぞ。
フィオリナは、ミュラも呼びたがるかな?
ミュラ自身は来たがるだろが、そうするとウエディングを着て、フィオリナの隣りに立つのが誰かでまた、ひと悶着あるな。」
いろいろと起こりそうなトラブルこみでリウは楽しそうだった。
そこまで話して、リウはさすがに、愛するルトの顔色が冴えないのに気がついた。
「どうした?
花婿がもうマリッジブルーか?」
「まだ、フィオリナにOKを貰ってないんだ。」
ルトは、泣きだきしそうな顔で、下を向いていた。
「結婚しようって、言ったら正気を疑われた。ぼくが本気だとわかると、血相をかえて飛び出していってしまった。
そのあと、アキルから散々罵られて。」
邪神ヴァルゴールから、直接罵られるという人類史上初の体験をした少年は、魂まで削られたようにしょげきっていた。
まあ、本当に神の叱責というものは、魂を削るのだか。
「アキルが言うには、ぼくとフィオリナの子供が産まれたら、どんな存在になるか見当もつかないって言うんだ。
そんな危険はしでかすべきではないから、もう何年か、アキルの」
と言いかけて
「いやヴァルゴールの運命の解析がすすむまで待てないのかって。
どうしても子作りがしてみたいのなら、自分とすればいいと言い出して」
「シュールな漫才でも見てる感じだな。」
ロウは楽しそうに口をはさんだ。
まあ、口調は楽しそうなのだが、婚約者に結婚式を挙げようと、言っただけで。正気を疑われた少年に若干同情はしている。
「まあ、さすがは邪神どのだ。この世界に存亡にそこまで気を使っていただけているとは。もう『邪神』も返上でいいんじゃないのか?」
「状況をあらためて説明するとこうだな。」
リウが真面目くさって、言った。
「結婚式はするがまだ花嫁が決まっていないと。」
うんうん、と勝手に納得しながら、リウは身体の曲線を見せつけるように、つま先立ちして、くるりと身体を回転させた。
「それなら、オレが花嫁として参列してもいいぞ。」
「なんでそうなる!?」
ルトは、叫んだが、ロウがにやにや笑いながら参加した。
「いや、わたしも別にルトの花嫁なら立候補したいな。人間と吸血鬼ならかなり種が離れているから、望まなければ子供がは出来んだろうし。」
あっ、そうだ、とロウはわざとらしく手をうった。
「アキルだって、花嫁の席に座りたいだろう。いやあ、羨ましい。邪神と魔王、真祖吸血鬼の花嫁候補か。
誰を選ぶ?」
「いや、だってフィオリナが」
「あれは、『壊すモノ』だよ、ルト。」
ロウはウインクしてみせた。
「ひとりスタンピード、クローディア大公国姫フィオリナ。考えようによっては、一番タチが悪いのだ。わからないで婚約者をやっていたとは言わないよね?」
リウは、ほうっと目を丸くしていたが、納得したように頷いて、おまえがそう決めたのなら、それが正しい、と言った。
アモンは、竜らしく、結婚を子を作り育てるためのつがいの契約を取り交わす(もちろんそのあとは普通に別々の人生を歩む)物だと解釈し、このタイミングでなくてもいいのになあ、と思ったが、これはパートナー(性別も自由に変える古竜にはこれ以外に適切な言葉はなかった!)どうしの個人的な事情もあるはずなので、そこまでは踏み込まず、おめでとう、とだけ言った。
ロウ=リンドは、どっちがドレスを着るんだ、と真面目に尋ねた。
ルトが答えに窮していると、お前らならどっちも似合うぞ、どうだお色直しのときに服をチャンじしてみたら、と揶揄った。
ギムリウスは、人間の結婚自体に興味があるらしく、目を輝かせていた。これは比喩的な表現ではなく、実際にギムリウスの瞳は七つに分かれて、例の怪光線を発するときのように怪しい光を蓄え始めていた。
「やはり、最小限、身内には参加させるべきだろう。」
リウは、腕組みをして考えた。
「オレとアモンは、ギムリウスと一度、ランゴバルドに戻る。魔王宮の階層主たちにも声をかけるぞ。かまわんな?
あと、ウイルニアには当日の朝まで内緒にしていい。」
リウは相変わらず、野生味のある美女の姿のままだったが、口調は男性のそれになっている。
「クローディア公とアウデリアはミトラにいるからちょうどいいとして・・・お主の父親はどうする? まあ、それを呼ぶと自動的に我が母もついてきてしまうのだが。」
我が母、はいうまでもなく、王太后メアこと闇森のザザリのことであった。
「ルールス先生は、どうする? 呼ばないと後あと僻みそうだ。そうするとネイア先生もついてくるな、いやあ、内輪で済まそうとしてもそれなりの人数にはなるぞ。
フィオリナは、ミュラも呼びたがるかな?
ミュラ自身は来たがるだろが、そうするとウエディングを着て、フィオリナの隣りに立つのが誰かでまた、ひと悶着あるな。」
いろいろと起こりそうなトラブルこみでリウは楽しそうだった。
そこまで話して、リウはさすがに、愛するルトの顔色が冴えないのに気がついた。
「どうした?
花婿がもうマリッジブルーか?」
「まだ、フィオリナにOKを貰ってないんだ。」
ルトは、泣きだきしそうな顔で、下を向いていた。
「結婚しようって、言ったら正気を疑われた。ぼくが本気だとわかると、血相をかえて飛び出していってしまった。
そのあと、アキルから散々罵られて。」
邪神ヴァルゴールから、直接罵られるという人類史上初の体験をした少年は、魂まで削られたようにしょげきっていた。
まあ、本当に神の叱責というものは、魂を削るのだか。
「アキルが言うには、ぼくとフィオリナの子供が産まれたら、どんな存在になるか見当もつかないって言うんだ。
そんな危険はしでかすべきではないから、もう何年か、アキルの」
と言いかけて
「いやヴァルゴールの運命の解析がすすむまで待てないのかって。
どうしても子作りがしてみたいのなら、自分とすればいいと言い出して」
「シュールな漫才でも見てる感じだな。」
ロウは楽しそうに口をはさんだ。
まあ、口調は楽しそうなのだが、婚約者に結婚式を挙げようと、言っただけで。正気を疑われた少年に若干同情はしている。
「まあ、さすがは邪神どのだ。この世界に存亡にそこまで気を使っていただけているとは。もう『邪神』も返上でいいんじゃないのか?」
「状況をあらためて説明するとこうだな。」
リウが真面目くさって、言った。
「結婚式はするがまだ花嫁が決まっていないと。」
うんうん、と勝手に納得しながら、リウは身体の曲線を見せつけるように、つま先立ちして、くるりと身体を回転させた。
「それなら、オレが花嫁として参列してもいいぞ。」
「なんでそうなる!?」
ルトは、叫んだが、ロウがにやにや笑いながら参加した。
「いや、わたしも別にルトの花嫁なら立候補したいな。人間と吸血鬼ならかなり種が離れているから、望まなければ子供がは出来んだろうし。」
あっ、そうだ、とロウはわざとらしく手をうった。
「アキルだって、花嫁の席に座りたいだろう。いやあ、羨ましい。邪神と魔王、真祖吸血鬼の花嫁候補か。
誰を選ぶ?」
「いや、だってフィオリナが」
「あれは、『壊すモノ』だよ、ルト。」
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