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第7部 駆け出し冒険者と姫君
第353話 愛の代償
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ルトは、皆が昼食をとるというので、いったん席を離れることにした。
食欲はない。というか、人が食べるを見ているだけでもどうかすると、吐き気が込み上げてきた。
困ったなあ、とルトは嘆息した。人間が持つべき、いくつかの欲求に対して、拒否反応が出ている。食べる、という本来楽しい行為に対してもそうだし、もっと悪いのは、生殖行為についてだった。これは想像するだけで、吐き気をもたらした。
特にひどいのは、フィオリナがらみだ。
顔や言動はともかく、彼女の肢体を思い浮かべるだけで、ルトは、胃の辺りがでんぐり返りそうになった。
同様な理由で、フィオリナに近しいもの。特にそういう行為をおこなっていたミュラとはできるだけ、距離を置こうとしていたが、ミュラは、ルトがフィオリナが別のお相手を見つけた、ただそれだけで、随分と態度を軟化させてた。むしろ、体調の悪いルトを気遣うようにあれこれと世話を焼いてくれるので、ルトは、できるだけ、彼女の方を見ないように、直接触れたり触れられたりしないように気をつけていた。
そういえば、ミュラだってきついだろう。
とルトは思った。
フィオリナが、リウの代用品としてミュラを求めたのだと。
ルト自身は、リウからそう聞いていたし、これまでは、そこまで、大胆ではなかったフィオリナとミュラの関係が、彼の不在の数ヶ月の間にそこまですすんでしまったことに、「それ」が全くなかったとは思えないのだ。
いまのミュラがそこまで、思い至っているかはわからない。
だが気がつくだろう。ミュラはそれはそれは有能なのだ。
彼の為に特別に作られた食事は、ラウレスくん特製のおじや。
何種類もの滋養と効用の高い薬草のスープに、消化のいい穀物と柔らかな肉片が浮かんでいる。
少なくともこの、時点では吐き気は無い。目眩もない。
おそるおそる匂いをかいで、それでも吐き気がないことに安心して、少年は席についた。やせ細った手は少し震えている。
匙に半分ほど、スープをすくって持ち上げた。
ところで、切断された。
柄の部分で切られた匙と、少年の指がぼとぼとと、椀の中に落ちた。
吹き出した鮮血は、小さな食卓を濡らした。
「お前が、本気ではなかった、と、そうフィオリナは言っていた。」
面貌もまた牙をむいた狼を模している。ルトの指を落とした黒い剣は、そのまま、ルトの首にくい込んでいた。
「なにか、出来るならば早めにやっておけ。これから、わたしはおまえの身体を少しずつ削ぎ落とす。
おまえが・・・あの呪いを解呪するまで、それは続く。」
声も出せずに、少年は魔王を見上げた。古の魔王はこの装束で、人類の連合軍を蹴散らしたのだという。
いまの魔王は、当時の美丈夫ではない。可愛らしいとさえいえる若い女性の姿だ。鎧もその肢体にあわせて、所々が優美な曲線で構成されている。
すっ
と剣が跳ね上がった。ぼたり、とスープに浮かんだのは、少年の鼻だった。顔を鮮血で染めながら、少年は身動きひとつもできない。
リウの魔王の覇気。それが少年の身体を締め上げていた。
「次は目をえぐる。」
そう言いながら、剣が切り落としたのは、右の耳だった。
予告したところ、以外のところを切る。
なんとも人の気をくじく事に精通していた。
「リウっ!」
女性化した魔王よりは、頭半分高い。スラリとした体を、簡素な皮鎧で覆った恐ろしいほどに、美しい青年が、それを止めに入った。
「殺してしまったら呪詛は解除できなくなる。まず、呪いを解かせて!」
フィオリナだった。
血の吹き出る傷口に、手を当てて治癒魔法をかけていく。
血はとまったが、欠損した指や鼻、耳は再生しない。
「ルトっ!
わたしはこんなことをしたいんじゃないの!
お願いだから、あなたのかけた呪いを解いて。」
なんともグロテスクな外見になった少年は、ノロノロと手をあげた。
その手に、炎の矢が出現する。
無詠唱で発したその矢を、少年と魔王の間に割り込んだフィオリナが強引に掴み取った。
「言っただろう? フィオリナがいる限り、わたしには指1本触れられない。」
少年は顔をあげたかわいらしかった顔は血にまみれて、目鼻立ちもくべつがつかない。
そのまま、のろのろと言った。
小さな声で、発音すら明瞭でなかったため、ふたりの魔人には、「ごめん」「間違えた」「フィオリナが」という部分部分の単語しか聞き取れなかった。
リウとフィオリナは、目を合わせた。
あるいは、少年が正気を失っているのではないかと、恐怖したのだ。
ある種の呪詛は、術者が狂おうとも解けない。あるいは術者が死んでも解けない。
そうなったら。
それは、美しき魔人たちにも恐ろしいことであった。
「ちがうじゃないか」
そう聞き取れたので、ふたりは耳をそばだてた。
「リウとずいぶん扱いが違う。違いすぎる。
ぼくが攻撃すればフィオリナは、リウを守るのに、ぼくが傷つけられても、侮辱されてもフィオリナはと目に入らない。終わってからやってきて文句を言うだけだ。」
ぶつぶつと呟く。誰かに聞かせるためではないようだった。
「フィオリナが愛したものを庇護したがる気高い心を持っている?
なら、なんでぼくを助けようとはしない。ぼくに向かった剣は、ぼくに刺さる。リウに向かう攻撃はフィオリナが防ぐ。
ぼくに向けるのはせいぜいが同情で、リウには愛情を注ぐ。」
これは。
ボヤキ、だ。
まるで呪文を唱えるようにノロノロと少年は、呟き続ける。
「ルト! ルト! しっかりしてよっ。」
フィオリナの治癒魔法が白い光のシャワーとなって、少年を包む。
だが、それは、少年の体を滑りおち、全く彼の体に到達しようとしない。
リウが、剣を振り上げた。
振り下ろした剣が、肩口から少年の腕を切断した。ほとばしる血潮。フィオリナの魔法が止血をする。
「リウ・・・何してるの。やめてよ! ルトが死んじゃう。死んじゃうよ。」
「ならば、このままで良いのか、愛しき我が伴侶よ。永久に愛しあえぬまま、共に夜を過ごすのか。おまえを2度と受け入れることができないまま、虚しく時を過ごせと。」
フィオリナは、頭をブンブンとふった。
「ダメダメだめ。そんなのはだめ。ダメだけど、ルトがいなくなるのもだめなの。
リウを愛せなくなるのも、ルトが一緒にいないのもだめなの。」
リウは、フィオリナを抱きしめた。
「わかっている。わたしが。」
リウは、跪いたフィオリナの頭を抱え込みながら、剣を高く振り上げた。
その剣はルトを一刀両断するためのもの。
「わたしが、忘れさせてやる。こいつがいなくてもおまえが嘆かぬよう、こいつのことを全て忘れさせてやる。だからわたしだけを見ろ。これから永遠の歳月、わたしだけを見るんだ!」
あ、は、は、は。
笑い声は妙に明るく。
まるで場に合わないものだった。
リウとフィオリナも。
あまりにも意外なその笑いに、何が起こったのかわからず、抱き合ったまま硬直した。
笑い声の主は。
ルトだった。
「あハハッははっ! 魔王、いや淫魔クン、フィオリナ、いや残念公子クン。
笑わせてくれるな!
まったく!
そろって、ただの色ボケか!」
「き、きさまっは!」
振り下ろそうとした剣が。黒い蛇に変化した。蛇は鎌首をもたげて、リウの首筋に牙を立てた。
食欲はない。というか、人が食べるを見ているだけでもどうかすると、吐き気が込み上げてきた。
困ったなあ、とルトは嘆息した。人間が持つべき、いくつかの欲求に対して、拒否反応が出ている。食べる、という本来楽しい行為に対してもそうだし、もっと悪いのは、生殖行為についてだった。これは想像するだけで、吐き気をもたらした。
特にひどいのは、フィオリナがらみだ。
顔や言動はともかく、彼女の肢体を思い浮かべるだけで、ルトは、胃の辺りがでんぐり返りそうになった。
同様な理由で、フィオリナに近しいもの。特にそういう行為をおこなっていたミュラとはできるだけ、距離を置こうとしていたが、ミュラは、ルトがフィオリナが別のお相手を見つけた、ただそれだけで、随分と態度を軟化させてた。むしろ、体調の悪いルトを気遣うようにあれこれと世話を焼いてくれるので、ルトは、できるだけ、彼女の方を見ないように、直接触れたり触れられたりしないように気をつけていた。
そういえば、ミュラだってきついだろう。
とルトは思った。
フィオリナが、リウの代用品としてミュラを求めたのだと。
ルト自身は、リウからそう聞いていたし、これまでは、そこまで、大胆ではなかったフィオリナとミュラの関係が、彼の不在の数ヶ月の間にそこまですすんでしまったことに、「それ」が全くなかったとは思えないのだ。
いまのミュラがそこまで、思い至っているかはわからない。
だが気がつくだろう。ミュラはそれはそれは有能なのだ。
彼の為に特別に作られた食事は、ラウレスくん特製のおじや。
何種類もの滋養と効用の高い薬草のスープに、消化のいい穀物と柔らかな肉片が浮かんでいる。
少なくともこの、時点では吐き気は無い。目眩もない。
おそるおそる匂いをかいで、それでも吐き気がないことに安心して、少年は席についた。やせ細った手は少し震えている。
匙に半分ほど、スープをすくって持ち上げた。
ところで、切断された。
柄の部分で切られた匙と、少年の指がぼとぼとと、椀の中に落ちた。
吹き出した鮮血は、小さな食卓を濡らした。
「お前が、本気ではなかった、と、そうフィオリナは言っていた。」
面貌もまた牙をむいた狼を模している。ルトの指を落とした黒い剣は、そのまま、ルトの首にくい込んでいた。
「なにか、出来るならば早めにやっておけ。これから、わたしはおまえの身体を少しずつ削ぎ落とす。
おまえが・・・あの呪いを解呪するまで、それは続く。」
声も出せずに、少年は魔王を見上げた。古の魔王はこの装束で、人類の連合軍を蹴散らしたのだという。
いまの魔王は、当時の美丈夫ではない。可愛らしいとさえいえる若い女性の姿だ。鎧もその肢体にあわせて、所々が優美な曲線で構成されている。
すっ
と剣が跳ね上がった。ぼたり、とスープに浮かんだのは、少年の鼻だった。顔を鮮血で染めながら、少年は身動きひとつもできない。
リウの魔王の覇気。それが少年の身体を締め上げていた。
「次は目をえぐる。」
そう言いながら、剣が切り落としたのは、右の耳だった。
予告したところ、以外のところを切る。
なんとも人の気をくじく事に精通していた。
「リウっ!」
女性化した魔王よりは、頭半分高い。スラリとした体を、簡素な皮鎧で覆った恐ろしいほどに、美しい青年が、それを止めに入った。
「殺してしまったら呪詛は解除できなくなる。まず、呪いを解かせて!」
フィオリナだった。
血の吹き出る傷口に、手を当てて治癒魔法をかけていく。
血はとまったが、欠損した指や鼻、耳は再生しない。
「ルトっ!
わたしはこんなことをしたいんじゃないの!
お願いだから、あなたのかけた呪いを解いて。」
なんともグロテスクな外見になった少年は、ノロノロと手をあげた。
その手に、炎の矢が出現する。
無詠唱で発したその矢を、少年と魔王の間に割り込んだフィオリナが強引に掴み取った。
「言っただろう? フィオリナがいる限り、わたしには指1本触れられない。」
少年は顔をあげたかわいらしかった顔は血にまみれて、目鼻立ちもくべつがつかない。
そのまま、のろのろと言った。
小さな声で、発音すら明瞭でなかったため、ふたりの魔人には、「ごめん」「間違えた」「フィオリナが」という部分部分の単語しか聞き取れなかった。
リウとフィオリナは、目を合わせた。
あるいは、少年が正気を失っているのではないかと、恐怖したのだ。
ある種の呪詛は、術者が狂おうとも解けない。あるいは術者が死んでも解けない。
そうなったら。
それは、美しき魔人たちにも恐ろしいことであった。
「ちがうじゃないか」
そう聞き取れたので、ふたりは耳をそばだてた。
「リウとずいぶん扱いが違う。違いすぎる。
ぼくが攻撃すればフィオリナは、リウを守るのに、ぼくが傷つけられても、侮辱されてもフィオリナはと目に入らない。終わってからやってきて文句を言うだけだ。」
ぶつぶつと呟く。誰かに聞かせるためではないようだった。
「フィオリナが愛したものを庇護したがる気高い心を持っている?
なら、なんでぼくを助けようとはしない。ぼくに向かった剣は、ぼくに刺さる。リウに向かう攻撃はフィオリナが防ぐ。
ぼくに向けるのはせいぜいが同情で、リウには愛情を注ぐ。」
これは。
ボヤキ、だ。
まるで呪文を唱えるようにノロノロと少年は、呟き続ける。
「ルト! ルト! しっかりしてよっ。」
フィオリナの治癒魔法が白い光のシャワーとなって、少年を包む。
だが、それは、少年の体を滑りおち、全く彼の体に到達しようとしない。
リウが、剣を振り上げた。
振り下ろした剣が、肩口から少年の腕を切断した。ほとばしる血潮。フィオリナの魔法が止血をする。
「リウ・・・何してるの。やめてよ! ルトが死んじゃう。死んじゃうよ。」
「ならば、このままで良いのか、愛しき我が伴侶よ。永久に愛しあえぬまま、共に夜を過ごすのか。おまえを2度と受け入れることができないまま、虚しく時を過ごせと。」
フィオリナは、頭をブンブンとふった。
「ダメダメだめ。そんなのはだめ。ダメだけど、ルトがいなくなるのもだめなの。
リウを愛せなくなるのも、ルトが一緒にいないのもだめなの。」
リウは、フィオリナを抱きしめた。
「わかっている。わたしが。」
リウは、跪いたフィオリナの頭を抱え込みながら、剣を高く振り上げた。
その剣はルトを一刀両断するためのもの。
「わたしが、忘れさせてやる。こいつがいなくてもおまえが嘆かぬよう、こいつのことを全て忘れさせてやる。だからわたしだけを見ろ。これから永遠の歳月、わたしだけを見るんだ!」
あ、は、は、は。
笑い声は妙に明るく。
まるで場に合わないものだった。
リウとフィオリナも。
あまりにも意外なその笑いに、何が起こったのかわからず、抱き合ったまま硬直した。
笑い声の主は。
ルトだった。
「あハハッははっ! 魔王、いや淫魔クン、フィオリナ、いや残念公子クン。
笑わせてくれるな!
まったく!
そろって、ただの色ボケか!」
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