513 / 574
第9部 道化師と世界の声
あの子が欲しい
しおりを挟む
アウデリアは、別にケルトを威圧したりはしなかった。
強いていうなら、腰を下ろした椅子から少し腰をうかして、斧の柄をトントンと指で叩いた。
それだけだ。
ケルトは、取り急ぎ、知りうる限りのことを話した。
真祖吸血鬼と、公爵級吸血鬼と、侯爵級吸血鬼からパーティ参加の打診を受けていた。それ自体は非常識極まりない、勝手な話しではあったが、事務所が単なる「企画屋」に堕してしまうことを気にしていたラザリムは、その打診を受け、主催を「沈黙」に譲ることをその場で決意した。
「愚者の盾」は難しい顔をして、互いを見合わせただけだ。
ドロシーは、なおも、自分のパーティに彼女を勧誘しようとするドゥルノのみぞおちに肘をいれて、黙らせた。
「ロウ=リンドとその配下の吸血鬼二人。それに、おぬしとこの事務所の共同経営者で作ったパーティで『栄光の盾トーナメント』に参加することになったというのは、一応わかったよ。」
グランダの冒険者が見たら、驚愕したであろうが、この場を進行しているのは、ヨウィスだった。
正確に言えば、彼らが普段目にしている「隠者」ヨウィスの別人格である「ぼく」である。
「だが、肝心なところはわからない。なぜ、フィオリナが、カザリームにいて、『栄光の盾トーナメント』に参加することになったのか。なぜ、自分がモデルの魔道人形とパーティを組むことになったのか。なぜ、ロウ=リンドまでもが吸血鬼を率いて、トーナメントの参加を表明してきたのか。」
「それは。わたしも・・・・みなさんを迎えに、おそらく、入れ違いくらいのタイミングで、カザリームを離れていたのでなおさらです。」
ドロシーも困惑していた。
「わたしはむしろ、フィオリナ姫とベータが、互いを敵視して戦いをはじめないかと。そちらを心配しておりました。
ベータは、自分が本物の『フィオリナ』であり、フィオリナが、自分の失踪を隠すために、でっちあげられた魔道人形だと信じていましたので。」
「そんなことより、だな。ドロシーを我がパーティの一員として登録する許可を・・・・」
またもグチグチと話し始めたドゥルノ・アゴンの肋に、ドロシーの肘鉄が。今度は、跳ね返された。
ドゥルノ・アゴンが、肉体強化の魔法を施していたからだ。
彼は、ドロシーの手を掴むと、そばに彼女をひきよせた。
「照れなくて、いい。
『愚者の盾』のみなさん。あらためて、自己紹介させてもらおう。わたしは元魔王候補のドゥルノ・アゴン。お気づきかと思うが、ドロシー嬢とはいま、一緒に暮らしている・・・ぐおっ!」
最後の叫びは、ドロシーが彼の体に電流を流したためだった。
(このことは、必ずしもドロシーの彼に対する愛情が薄かったことを意味しない。ドロシーの電撃がもう一呼吸おくれたら、ジウルの正拳が、ドゥルノの顔を陥没させていたかもしれなかった。)
「そちらの問題は先に、カタをつけておくか。ドゥルノ・アゴンとやら。ドロシーをおまえのパーティに参加させることについての答えは『否』だな。」
「いや、しかし。」
また、ドロシーは電気を流したが、今度はそれほどの効果はなかった。電撃に対する耐性をあげたのだ。
「主催でもないあなたにそんなことを決める権利は、どぅあああっ!」
ドロシーの靴の踵が、ドゥルノの足の小指を踏みつけたからだった。
(これは必ずしも、ドロシーがドゥルノ・アゴンを愛していない、というわけではない。すでにジウルは、指をポキリと鳴らしていた。)
「それはそうだ。フィオリナが勝手なことをしたために、『愚者の盾』に欠員ができてしまった。これを埋めるのに、ドロシーをパーティに参加させる。」
アウデリアが、牙をむき出して、そう言った。
「そんな、勝手な! ドロシーとわたしは愛し合っているのだ! 当然、彼女はわたしのパーティに。ぐげえええええええっ!」
ドロシーは、炎をまとわせた指を、ドゥルノの背中に押し当てた。
(これは必ずしも愛情が・・・以下略)
「待ってください! わたしにも何がなんだか。」
ドロシーは叫んだ。
「それに、わたしがトーナメントに参加するためには、リウの許可が必要です。いまのわたしたちのリーダーは、リウですから。」
くすり。
と、アウデリアが笑った。
「なにか? 変なこと言いました? わたし。」
「魔王の登場を期待させるような言葉を吐くなよ、銀雷の。本当に魔王が現れてしまったらどうするのだ?」
「よし! おまえらの気持ちはよおっくわかった!」
能天気、とさえ言えるその声に一同は、振り向いた。
事務所の入り口にたつ少年は。
「栄光の盾」の面々にとっては、約半年ぶりの再会になるはずだが。
外見はまったくと言っていいほど、変わってはいなかった。
呆れるほどの美形で。まだ少年の面影を残しながらも、精悍そのもののその佇まいは、野生の獣を思わせる。
白い大きな襟のシャツを、はだけて着るのは、カザリーム流だ。
「ロウから、事務所の代表をメンバーに選出したと、きいたもので。」
「いや、迷惑とかそんなことはないですよ、リウ。」
ケルトは言いかけたが
「いや、オレたちの仕事の受注に影響がないか、確認しにきただけだ。」
悠々と部屋にはいると、ソファのひとつに腰をおろした。
まるで。彼の登場を待つように、そこだけ、席をあけていたことに一同はいまさらながら気がついたのである。
「クロノ。」
旧友に、リウは楽しそうに笑いかけた。
「ミトラじゃあ、ロクに話もできなかった。トーナメントまでは少し日がありそうだ。ひさしぶりに一献傾けるか? ウィルニアも呼べばすっとんで来るだろう。」
「もちろん!」
と、勇者は快活に答えた。
「その前に、少し説明をくれるかい? ドロシーがぼくらを『栄光の盾トーナメント』に誘った理由はわかったんだ。承知のうえで参加しているのだから、それはいい。いいんだが、フィオリナと彼女を模した魔道人形がなぜ、参戦することになったんだ?」
「ロウが、なにかとベータ・フィオリナにつっかかるんでな。」
リウは肩をすくめた。
「ベータ・フィオリナももともとが、フィオリナだからな。大立ち回りのすえ、街区ひとつ壊滅させないように、ちょうどいい戦いの場所があったんで、参加するようすすめてみたんだ。」
「ロウ=リンドが、なんで魔道人形が気に入らなかったんだ。」
「そりゃあ、オレが、ベータをフィオリナとして扱って、自分の女にしてるのが気に入らなかったんだろう?」
ぎゃああああああっ!
ドロシーは心の中で悲鳴をあげた。言っちゃう? それ言っちゃうの?
「で、リウよ。その・・・・わたしたちが元から知っているフィオリナが、カザリームに来た理由は? もともとお主たちが、離れるために、お主はカザリームに来たのであって、フィオリナは、ランゴバルドにとどまることが義務だったはずだ。我が婿殿がそう決めたはずだ。」
リウとフィオリナが、ルトの目を盗んでいい仲になってしまったことについて。また、それを自制するためにわざわざカザリームくんだりまでやってきておきながら、フィオリナの魔道人形と付き合ってしまうリウを、流石は魔王と、アウデリアはあっさり割り切った。
「それは、まだわからない。」
リウは言った。嘘をついているようには見えなかった。
「ベータが海竜退治に定期船の通る海域に出張っていたから、あるいはそこで出会ったのか。」
「あの二人を合わせたら、必ず戦いになるとおもってました。」
ドロシーは言った。
「ああ、それは、どちらも捻くれているからな。どうやっても戦うだろうとまわりに思われているとなんとなく戦いたくなくなるものだ。
なにしろ、フィオリナだからな。」
リウは、あっさりと答えた。
「フィオリナの後釜に、ドロシーを据えるのはいい手だと思う。なにしろ、おそらくはこの半年でもっとも進境著しいのが、ドロシーだ。予告してもいいが、ドロシーを加えたチームが優勝する、とオレは踏んでいる。」
「オネガイシマス!!」
と、ドゥルノ・アゴンがドロシーの手をとるようにして、頭をさげた。
「ごめんなさい。」
ドロシーは、きっぱりと断った。
強いていうなら、腰を下ろした椅子から少し腰をうかして、斧の柄をトントンと指で叩いた。
それだけだ。
ケルトは、取り急ぎ、知りうる限りのことを話した。
真祖吸血鬼と、公爵級吸血鬼と、侯爵級吸血鬼からパーティ参加の打診を受けていた。それ自体は非常識極まりない、勝手な話しではあったが、事務所が単なる「企画屋」に堕してしまうことを気にしていたラザリムは、その打診を受け、主催を「沈黙」に譲ることをその場で決意した。
「愚者の盾」は難しい顔をして、互いを見合わせただけだ。
ドロシーは、なおも、自分のパーティに彼女を勧誘しようとするドゥルノのみぞおちに肘をいれて、黙らせた。
「ロウ=リンドとその配下の吸血鬼二人。それに、おぬしとこの事務所の共同経営者で作ったパーティで『栄光の盾トーナメント』に参加することになったというのは、一応わかったよ。」
グランダの冒険者が見たら、驚愕したであろうが、この場を進行しているのは、ヨウィスだった。
正確に言えば、彼らが普段目にしている「隠者」ヨウィスの別人格である「ぼく」である。
「だが、肝心なところはわからない。なぜ、フィオリナが、カザリームにいて、『栄光の盾トーナメント』に参加することになったのか。なぜ、自分がモデルの魔道人形とパーティを組むことになったのか。なぜ、ロウ=リンドまでもが吸血鬼を率いて、トーナメントの参加を表明してきたのか。」
「それは。わたしも・・・・みなさんを迎えに、おそらく、入れ違いくらいのタイミングで、カザリームを離れていたのでなおさらです。」
ドロシーも困惑していた。
「わたしはむしろ、フィオリナ姫とベータが、互いを敵視して戦いをはじめないかと。そちらを心配しておりました。
ベータは、自分が本物の『フィオリナ』であり、フィオリナが、自分の失踪を隠すために、でっちあげられた魔道人形だと信じていましたので。」
「そんなことより、だな。ドロシーを我がパーティの一員として登録する許可を・・・・」
またもグチグチと話し始めたドゥルノ・アゴンの肋に、ドロシーの肘鉄が。今度は、跳ね返された。
ドゥルノ・アゴンが、肉体強化の魔法を施していたからだ。
彼は、ドロシーの手を掴むと、そばに彼女をひきよせた。
「照れなくて、いい。
『愚者の盾』のみなさん。あらためて、自己紹介させてもらおう。わたしは元魔王候補のドゥルノ・アゴン。お気づきかと思うが、ドロシー嬢とはいま、一緒に暮らしている・・・ぐおっ!」
最後の叫びは、ドロシーが彼の体に電流を流したためだった。
(このことは、必ずしもドロシーの彼に対する愛情が薄かったことを意味しない。ドロシーの電撃がもう一呼吸おくれたら、ジウルの正拳が、ドゥルノの顔を陥没させていたかもしれなかった。)
「そちらの問題は先に、カタをつけておくか。ドゥルノ・アゴンとやら。ドロシーをおまえのパーティに参加させることについての答えは『否』だな。」
「いや、しかし。」
また、ドロシーは電気を流したが、今度はそれほどの効果はなかった。電撃に対する耐性をあげたのだ。
「主催でもないあなたにそんなことを決める権利は、どぅあああっ!」
ドロシーの靴の踵が、ドゥルノの足の小指を踏みつけたからだった。
(これは必ずしも、ドロシーがドゥルノ・アゴンを愛していない、というわけではない。すでにジウルは、指をポキリと鳴らしていた。)
「それはそうだ。フィオリナが勝手なことをしたために、『愚者の盾』に欠員ができてしまった。これを埋めるのに、ドロシーをパーティに参加させる。」
アウデリアが、牙をむき出して、そう言った。
「そんな、勝手な! ドロシーとわたしは愛し合っているのだ! 当然、彼女はわたしのパーティに。ぐげえええええええっ!」
ドロシーは、炎をまとわせた指を、ドゥルノの背中に押し当てた。
(これは必ずしも愛情が・・・以下略)
「待ってください! わたしにも何がなんだか。」
ドロシーは叫んだ。
「それに、わたしがトーナメントに参加するためには、リウの許可が必要です。いまのわたしたちのリーダーは、リウですから。」
くすり。
と、アウデリアが笑った。
「なにか? 変なこと言いました? わたし。」
「魔王の登場を期待させるような言葉を吐くなよ、銀雷の。本当に魔王が現れてしまったらどうするのだ?」
「よし! おまえらの気持ちはよおっくわかった!」
能天気、とさえ言えるその声に一同は、振り向いた。
事務所の入り口にたつ少年は。
「栄光の盾」の面々にとっては、約半年ぶりの再会になるはずだが。
外見はまったくと言っていいほど、変わってはいなかった。
呆れるほどの美形で。まだ少年の面影を残しながらも、精悍そのもののその佇まいは、野生の獣を思わせる。
白い大きな襟のシャツを、はだけて着るのは、カザリーム流だ。
「ロウから、事務所の代表をメンバーに選出したと、きいたもので。」
「いや、迷惑とかそんなことはないですよ、リウ。」
ケルトは言いかけたが
「いや、オレたちの仕事の受注に影響がないか、確認しにきただけだ。」
悠々と部屋にはいると、ソファのひとつに腰をおろした。
まるで。彼の登場を待つように、そこだけ、席をあけていたことに一同はいまさらながら気がついたのである。
「クロノ。」
旧友に、リウは楽しそうに笑いかけた。
「ミトラじゃあ、ロクに話もできなかった。トーナメントまでは少し日がありそうだ。ひさしぶりに一献傾けるか? ウィルニアも呼べばすっとんで来るだろう。」
「もちろん!」
と、勇者は快活に答えた。
「その前に、少し説明をくれるかい? ドロシーがぼくらを『栄光の盾トーナメント』に誘った理由はわかったんだ。承知のうえで参加しているのだから、それはいい。いいんだが、フィオリナと彼女を模した魔道人形がなぜ、参戦することになったんだ?」
「ロウが、なにかとベータ・フィオリナにつっかかるんでな。」
リウは肩をすくめた。
「ベータ・フィオリナももともとが、フィオリナだからな。大立ち回りのすえ、街区ひとつ壊滅させないように、ちょうどいい戦いの場所があったんで、参加するようすすめてみたんだ。」
「ロウ=リンドが、なんで魔道人形が気に入らなかったんだ。」
「そりゃあ、オレが、ベータをフィオリナとして扱って、自分の女にしてるのが気に入らなかったんだろう?」
ぎゃああああああっ!
ドロシーは心の中で悲鳴をあげた。言っちゃう? それ言っちゃうの?
「で、リウよ。その・・・・わたしたちが元から知っているフィオリナが、カザリームに来た理由は? もともとお主たちが、離れるために、お主はカザリームに来たのであって、フィオリナは、ランゴバルドにとどまることが義務だったはずだ。我が婿殿がそう決めたはずだ。」
リウとフィオリナが、ルトの目を盗んでいい仲になってしまったことについて。また、それを自制するためにわざわざカザリームくんだりまでやってきておきながら、フィオリナの魔道人形と付き合ってしまうリウを、流石は魔王と、アウデリアはあっさり割り切った。
「それは、まだわからない。」
リウは言った。嘘をついているようには見えなかった。
「ベータが海竜退治に定期船の通る海域に出張っていたから、あるいはそこで出会ったのか。」
「あの二人を合わせたら、必ず戦いになるとおもってました。」
ドロシーは言った。
「ああ、それは、どちらも捻くれているからな。どうやっても戦うだろうとまわりに思われているとなんとなく戦いたくなくなるものだ。
なにしろ、フィオリナだからな。」
リウは、あっさりと答えた。
「フィオリナの後釜に、ドロシーを据えるのはいい手だと思う。なにしろ、おそらくはこの半年でもっとも進境著しいのが、ドロシーだ。予告してもいいが、ドロシーを加えたチームが優勝する、とオレは踏んでいる。」
「オネガイシマス!!」
と、ドゥルノ・アゴンがドロシーの手をとるようにして、頭をさげた。
「ごめんなさい。」
ドロシーは、きっぱりと断った。
0
あなたにおすすめの小説
ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜
平明神
ファンタジー
ユーゴ・タカトー。
それは、女神の「推し」になった男。
見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。
彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。
彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。
その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!
女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!
さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?
英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───
なんでもありの異世界アベンジャーズ!
女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕!
※不定期更新。最低週1回は投稿出来るように頑張ります。
※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
【本編45話にて完結】『追放された荷物持ちの俺を「必要だ」と言ってくれたのは、落ちこぼれヒーラーの彼女だけだった。』
ブヒ太郎
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――荷物持ちとして命懸けで尽くしてきた高ランクパーティから、ゼロスは無能の烙印を押され、なんの手切れ金もなく追放された。彼のスキルは【筋力強化(微)】。誰もが最弱と嘲笑う、あまりにも地味な能力。仲間たちは彼の本当の価値に気づくことなく、その存在をゴミのように切り捨てた。
全てを失い、絶望の淵をさまよう彼に手を差し伸べたのは、一人の不遇なヒーラー、アリシアだった。彼女もまた、治癒の力が弱いと誰からも相手にされず、教会からも冒険者仲間からも居場所を奪われ、孤独に耐えてきた。だからこそ、彼女だけはゼロスの瞳の奥に宿る、静かで、しかし折れない闘志の光を見抜いていたのだ。
「私と、パーティを組んでくれませんか?」
これは、社会の評価軸から外れた二人が出会い、互いの傷を癒しながらどん底から這い上がり、やがて世界を驚かせる伝説となるまでの物語。見捨てられた最強の荷物持ちによる、静かで、しかし痛快な逆襲劇が今、幕を開ける!
【コミカライズ決定】勇者学園の西園寺オスカー~実力を隠して勇者学園を満喫する俺、美人生徒会長に目をつけられたので最強ムーブをかましたい~
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】
【第5回一二三書房Web小説大賞コミカライズ賞】
~ポルカコミックスでの漫画化(コミカライズ)決定!~
ゼルトル勇者学園に通う少年、西園寺オスカーはかなり変わっている。
学園で、教師をも上回るほどの実力を持っておきながらも、その実力を隠し、他の生徒と同様の、平均的な目立たない存在として振る舞うのだ。
何か実力を隠す特別な理由があるのか。
いや、彼はただ、「かっこよさそう」だから実力を隠す。
そんな中、隣の席の美少女セレナや、生徒会長のアリア、剣術教師であるレイヴンなどは、「西園寺オスカーは何かを隠している」というような疑念を抱き始めるのだった。
貴族出身の傲慢なクラスメイトに、彼と対峙することを選ぶ生徒会〈ガーディアンズ・オブ・ゼルトル〉、さらには魔王まで、西園寺オスカーの前に立ちはだかる。
オスカーはどうやって最強の力を手にしたのか。授業や試験ではどんなムーブをかますのか。彼の実力を知る者は現れるのか。
世界を揺るがす、最強中二病主人公の爆誕を見逃すな!
※小説家になろう、カクヨム、pixivにも投稿中。
俺だけ永久リジェネな件 〜パーティーを追放されたポーション生成師の俺、ポーションがぶ飲みで得た無限回復スキルを何故かみんなに狙われてます!〜
早見羽流
ファンタジー
ポーション生成師のリックは、回復魔法使いのアリシアがパーティーに加入したことで、役たたずだと追放されてしまう。
食い物に困って余ったポーションを飲みまくっていたら、気づくとHPが自動で回復する「リジェネレーション」というユニークスキルを発現した!
しかし、そんな便利なスキルが放っておかれるわけもなく、はぐれ者の魔女、孤高の天才幼女、マッドサイエンティスト、魔女狩り集団、最強の仮面騎士、深窓の令嬢、王族、謎の巨乳魔術師、エルフetc、ヤバい奴らに狙われることに……。挙句の果てには人助けのために、危険な組織と対決することになって……?
「俺はただ平和に暮らしたいだけなんだぁぁぁぁぁ!!!」
そんなリックの叫びも虚しく、王国中を巻き込んだ動乱に巻き込まれていく。
無双あり、ざまぁあり、ハーレムあり、戦闘あり、友情も恋愛もありのドタバタファンタジー!
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編
治療院の聖者様 ~パーティーを追放されたけど、俺は治療院の仕事で忙しいので今さら戻ってこいと言われてももう遅いです~
大山 たろう
ファンタジー
「ロード、君はこのパーティーに相応しくない」
唐突に主人公:ロードはパーティーを追放された。
そして生計を立てるために、ロードは治療院で働くことになった。
「なんで無詠唱でそれだけの回復ができるの!」
「これぐらいできないと怒鳴られましたから......」
一方、ロードが追放されたパーティーは、だんだんと崩壊していくのだった。
これは、一人の少年が幸せを送り、幸せを探す話である。
※小説家になろう様でも連載しております。
2021/02/12日、完結しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる