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Ⅴ⑥
オメガの発情期周期は一か月。もうじき二回目の壱兎の発情期が来る。
記憶がないから、どの程度のものか分からないけれど、今の弘夢には頼ることが出来ない。できる事なら今は壱兎の傍に来ないで欲しい。弘夢のアルファフェロモンで発情期が早まるかもしれないから。でも、弘夢のほうから距離を置かれるのは、なぜか壱兎の心にグサリとダメージを与える。
そんな壱兎の訳の分からない気持ちが邪魔をして、弘夢との関係修復が上手く行かない。
こうなってみて気が付く。壱兎は人との関係修復の方法が分からない。コミュニケーション能力が低すぎる。
そんな壱兎と弘夢が良い関係を築けていたのは、弘夢が頑張っていてくれたからだ。壱兎は弘夢に尽くしてもらってばかりで、弘夢に何か出来ていたのだろうか。弘夢に甘え切っていたのではないか。そんな疑念と自分の至らなさを思い知り、壱兎は苦しかった。
二回目の発情期は自力で乗り切ってみるべきかもしれない。そう考えて壱兎はマッチングアプリの登録をしてみた。途端に鳴り響くマッチングアプリからの新着の嵐。怖くなってすぐに登録削除をした。もうどうしていいのかお手上げだった。
「もう、疲れた」
ベッドに倒れ込み弘夢のシャツを抱き締める。雨の日にタクシーで送ってもらった時に借りたままの弘夢のシャツ。薄くなっているけれど弘夢のアルファの匂いがする。
情けないけれど、これが今の壱兎を支えている。深く弘夢の匂いを吸いこんで眠る。
きっと一歩踏み出さなくてはいけないのは壱兎だ。
記憶がないから、どの程度のものか分からないけれど、今の弘夢には頼ることが出来ない。できる事なら今は壱兎の傍に来ないで欲しい。弘夢のアルファフェロモンで発情期が早まるかもしれないから。でも、弘夢のほうから距離を置かれるのは、なぜか壱兎の心にグサリとダメージを与える。
そんな壱兎の訳の分からない気持ちが邪魔をして、弘夢との関係修復が上手く行かない。
こうなってみて気が付く。壱兎は人との関係修復の方法が分からない。コミュニケーション能力が低すぎる。
そんな壱兎と弘夢が良い関係を築けていたのは、弘夢が頑張っていてくれたからだ。壱兎は弘夢に尽くしてもらってばかりで、弘夢に何か出来ていたのだろうか。弘夢に甘え切っていたのではないか。そんな疑念と自分の至らなさを思い知り、壱兎は苦しかった。
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きっと一歩踏み出さなくてはいけないのは壱兎だ。
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