別に要りませんけど?

ユウキ

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キレた妻

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 その瞬間、ネイサンは背にかばっていた私を自身の胸に、力強く抱き寄せた。



「  はぁーーー?!  」


 と、思わず声を上げたのは他でもない、ネイサンの腕の中に囲われた私だ。


「もー無理っ。我慢も限界や。
 あんたらの痴話喧嘩や、三文芝居みたいな愛憎劇に巻き込まんといてくれるーぅ?」


 ドンって強めにネイサンの胸元を押して、腕から抜け出すと、腕を組んで仁王立ちして2人を睨みつけた。


「あのさぁ、最初っから言うてるし、忘れてるんやったら、しゃーなしでもう一回言うたるけどさぁ。
 別に愛だなんだって、必要ありませんけどぉ?
 こちとら貴族なんですわ。色んなことを織り込んで結婚したんですわ。惚れた腫れたな恋愛ごっこのお話ししてるんとちゃいますねん。
 そもそも、身分捨てられんで女の手をとらんかったところで、将来なんてお察しやろ。
 それでも2人とも納得詰めで、囲い囲われとったんやろ?ちょーっと不安になったくらいで、周りを巻き込まんでくれるかなぁ?」


 私の物言いにびっくりした様子の2人は、目を見開いたまま固まっている。


「あんたそもそも乗り込んで何がしたいん?
 そんなに欲しけりゃくれてやるけど、その代わりあんたが住んでる侯爵家名義の別邸は出て行かなあかんし、ネイサンも仕事やめて一兵士からや。そしたら今みたいな暮らしはできんで。正真正銘2人っきりの平民生活や。あんたも働かなあかんかもな~。それでええならどーぞ?」


 言い切った気持ちよさで、フンっと鼻を鳴らして満足していると、2人は呆然としていた顔を、青褪めさせて慌て出す。
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